「父親力」と、父親たちの中学受験 | おちこぼれ大学教員の毎日

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毎日をのんべんだらりとすごす、ダメ教師の日常を赤裸々に語った世紀の問題日記! アカデミックというより育児が中心か?

 どうも、AERAは、中学受験ネタが好きらしく、1カ月に1度程度の頻度で、中学受験記事を差し込んでくる印象があります(あくまで印象です。裏とっていません)。

 3週間ほど前に、「御三家変動」という趣旨の記事が掲載されていました。内容は、武蔵中学受験者のボリュームゾーンがサピックス偏差値で50切ったという「センセーション」と、新興の駒場東邦中学が、古豪の麻布中学を凌駕するまでに人気を集めているという「下克上」との、中学受験分析会でお馴染みのネタでした。

 AERAにありがちなレトリックで、一般読者向けに書かれているため、中学受験のステークホルダーにとっては、いまひとつ目新しさのない記事であることが多いのですが、今回は、「中学受験に父親力が必須」的な記事で、ついつい、本屋の店頭でスキャニングしてしまいました。

 私の父は、私の中学受験時代、まったくといってよいほど私の学習には関わりませんでした。一度だけ、模擬試験会場まで車で送迎してくれたことと、入試当日、会場となった中学校まで連れて行ってくれたこと、その2回だけでした。四捨五入を教えてくれようとした父を、小学3年だった私が、断固拒否したことで、父は私の学習に関わる機会を失いました。以後、両親が私の学習に関わったことは一度もありません。

 一方、私は、AERA記事に登場する「父親たち」同様、がっつり、長男の学習にからんでいます。ときおり、これでよいのか、と自問自答しながら指導をしています(ときおり、というよりも、しばしば、です)。長男もそろそろ反抗期なので、母親には反抗することがママあるのですが、「父親は勉強の神である。中学入試の問題は、すべて2分以内、8割程度の問題は45秒以内に瞬殺できる」とすり込んであるので、感心に反抗もせず、指示したことをなぞって学習いたします。

 正直に告白すると、子どもの成績をのばしていい中学にいれたい、という純粋な親心で、学習サポートしているわけではありません。ただ、私が勉強を楽しんでいるだけなんです。AERAの記事に登場した父親のなかにも、私と同様のかんがえのかたがひとりいらっしゃいましたが、自分が勉強するのが楽しいんですね。

「ほらほらみてごらん、今日の新聞の一面トップは、富士山が世界文化遺産に登録されるって、イコモスの推薦があったって」
「主権回復式典があったところって、例の憲政記念館だよ~、尾崎行雄のしょぼくれた銅像があったよな」
「96条の改正に反対が過半数だって、朝日新聞がいってるぞ」

と、一緒に新聞読んだり、算数の問題問いたり、ただただ自分が楽しんでいるだけですw

子どもが小学校低学年までは、子育ての主導権は、母親の手の中にあります。高学年になると、父親の出番が登場し、中学受験になると、主導権は、完全に私の手の中にあります。
その喜びと、自分の過去の追体験。これが、きっと、私を「受験勉強」へと駆り立てているんだと思います。

中学受験のとき、私は、動滑車が苦手でした。どうしてもわからなかった。
入試本番で、国語、算数は9割。社会は満点だったのに、理科が52点…
いま勉強すると、動滑車も、水溶液も、電磁石も、すぐに理解できます(アタリマエかw)。
その喜びなんですね。

長男と、砂場デビューしたころ、連日、砂場に通い、長男そっちのけで、砂場に、前方後円墳をつくったり、マチュピチュの空中庭園を作ったりして遊びました。
過去の追体験。
子供が生まれなければ、自分の人生において、2度と砂場遊びはしなかったはずです。

中学受験も同様です。


さて、横で受験勉強で遊んでいる父親を間近で見て、長男はどうおもっていることでしょう。
私は、彼の知への欲望を収奪してしまっているのか?

「私の」受験勉強が、吉と出るか凶と出るか、神のみぞ知る、ってところでしょうか。


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