一九七七年 夏
三三、スキップ・デー (つづき)
バーベキュー・チキンやホットドッグがこんなに美味しかったとは。気分や環境で食べ物の味も大きく違うことを実感した。ここまで準備をするのは非常に大変なことだ。ヴァルやクラスの副会長のジュリー・カードウシを初めとする役員たちにとっては、非常に忙しい一日になったことだろう。彼女たちにとっては、普通に学校に行っていたほうがずいぶん楽だったに違いない。いつも私にはふざけて、冗談ばかり言っているジュリーが真剣にバーベキューしている姿見て感動してしまった。
腹ごしらえが終わると、有志でタッチ・フットボールをすることになった。デイヴ、クリス、ブライアン・ジョンソンやデニス・マッテスなどのヴァーシティーのフットボール・プレーヤーたちもこのタッチ・フットボールに参加した。驚くことに、この試合で一番活躍が目立ったのは、チャック・スチュワートだった。チャックの動きは、十分ヴァーシティーでも通用するものだと思った。私はチャックにヴァーシティー・フットボール・チームになぜトライしないのか聞こう聞こうと思っていたが、聞く機会を逸してしまった。
この試合中、私はオフェンスのときはレシーバー、ディフェンスのときはレシーバーのマークに回ったが、私にボールを渡してくれたのは一回だけで、相手のガードに直ぐにタッチされてしまった。大柄のクリスやジョンソンが、あんなに素早い動きができるとは知らなかった。
つづく・・・
スチュワート家でもタッチ・フットボールをしたけど、小さい頃から親しんでいる彼らにフットボールの動きは敵わない。
サッカー少年や野球少年など一つのスポーツに固定するより、私は、小さい頃からいろいろなスポーツに親しむのがいいと思うのだが・・・。娘たちにはいろいろなスポーツを楽しめるようにしてやりたい。
しかし、チャックはなぜヴァーシティー・フットボールに挑戦しなかったのだろう?彼は、バスケットボールもヴァーシティー級の腕前なのに・・・
注意: 『十六歳のアメリカ』は、私の体験を基に書いていますが、フィクションです。