シネトーク137『任侠ヘルパー』●映画版は草彅剛による『マッドマックス』?
面白い映画には愛を捧げ、そうでない映画には鉄槌を下す
てるおとたくおの
ぶっちゃけシネトーク
●今日のちょい気になることシネ言
「この映画のヤフー映画レビューはステマ臭がプンプンする」
シネトーク137
『任侠ヘルパー』
監督:西谷弘 脚本:池上純哉
出演:草彅剛/安田成美/香川照之/夏帆/風間俊介/堺正章/杉本哲太/宇崎竜童/黒木メイサ/草村礼子/大森絢音/秋元黎/りりィ
2012年フジテレビジョン・東宝/134分/シネスコサイズ/東宝配給(2012年11月17日公開)
●作品解説
2009年にシリーズ版、2011年にSP版が放送され評判となった
同名ドラマの劇場版。監督は『アンダルシア 女神の報復』の西谷弘。
ヤクザから足を洗い、堅気となった翼彦一は働くコンビニで
老人の強盗を見逃したことから逮捕されてしまう。
彦一は獄中で再会した元極道のその老人に出所したら
極鵬会を尋ねたらいいと言われる。出所後、彦一の元に
コンビニで一緒に働いていた成次が舎弟として慕ってきた。
2人は極鵬会を訪れ、裏稼業を始めるが、それは老人相手の闇金と
破産した老人を劣悪な介護施設“うみねこの家に”押し込め、
年金や生活保護をせしめる貧困ビジネスだった。
高齢者を食い物にする極鵬会のやり方に苛立ちを覚える彦一は
“うみねこの家”を立て直そうとするが・・・・。
※ネタバレしてます! ご注意ください
間違いなく最高傑作!・・・・・西谷弘監督作品の中では(笑)
てるお 「俺ってさ、TVドラマでちょっと人気だったからってすぐに映画にするTV局製作の映画には、ちょっと小バカにしたような感じで見てしまう悪いクセがあるけど、いかんねえ、こういう態度で映画を観るのは」
たくお 「観てない映画については批判も何もしないけど、まあ『またドラマの映画化かよ!』的な気持ちはどうしても起こるよな。今年も各局から色んなドラマ映画が作られたけど、そのほとんどは期待に達していない出来ばかりだった。だからどこかシラけてしまう気持ちが起こるのも無理はないよ」
てるお 「TV → 映画になってすっげー面白くなった!というのがあまりない。『麒麟の翼 劇場版・新参者』も『ライアーゲーム -再生-』も『劇場版 SPEC ~天~』も『臨場 劇場版』も観たけど、映画版は2時間のドラマSPでいいんじゃね? なものばかり。 今年最後のドラマ映画『妖怪人間ベム』はまだ観てないけど」
たくお 「ファイナルこそは面白いはず、と信じ続けた『踊る大捜査線 THE FINAL』もアレだったし。君塚めっ! でも、一番ヒドかったのは『映画 ホタルノヒカリ』じゃね? ドラマはそこそこに好きだったんだけど、あのブザマな出来には怒りすら覚えた」
てるお 「いや、世間的に一番ヒドいとされてるのは『劇場版 テンペスト3D』でしょ。映画にすらなってないというね・・・・」
たくお 「密かに楽しみにしてた『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』もマジでつまんなかったもんな」
てるお 「そんなにヒドかったの? 『海賊戦隊ゴーカイジャー VS 宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』はレンタルで観たけど、結構面白かったヨ」
たくお 「いかんせん話がクソすぎる。ギャバン、シャリバン、シャイダーがせっかく揃っても全然燃えねーし。子供の頃に観たあのワクワク感をダメにしてくれた東映の罪はでかいよ、マジで」
てるお 「てか、東映って安易に作ったような杜撰な特撮ヒーロー映画が多すぎるよね。いい加減、フンドシを締め直せよ」
たくお 「で、そんな中で公開されたドラマ映画『任侠ヘルパー』はどうだったか、なんだけどさ」
てるお 「これは素直に面白かったと言える良作だと思うぞ。 悪しきテレビ映画が占める中では、なかなか完成度高かったんでは?」
たくお 「正直に言うとスルーする気満々だった。僕はドラマ映画アレルギーを発症して療養中だったんで。 でも周囲の評判があまりにも良いから、期待半分で観たけどさ、面白れーじゃん」
てるお 「監督が『アマルフィ』『アンダルシア』の西谷弘なので、ちょっとツッコんでやる気分で観たのに、なんだよー、真っ当に演出できてるじゃないか、畜生」
たくお 「やれば出来る人なんですよ。少なくとも本広監督よりかは腕はある」
てるお 「つよぽんの復帰作となったドラマも、初めこそは『なんじゃコレ?』な感じだったけど、ストーリーも演出もしっかりと作られているし、ドラマ・レビュー
では『良い意味で裏切られた良作』と評価も高かった。今回の映画版はドラマをなぞっただけのものにしていないし、キャストをほぼ入れ替えて、ドラマ版を観てない人でも楽しめるようにゼロから作り直されている」
たくお 「高齢者を抱える家族の介護問題や介護ビジネスで高齢者を食い物にする地方行政など、現実社会に蔓延る問題にも切り込む。それでいてあざとさを感じさせないし、なかなか深みのあるドラマで魅せてくれる。本作は西谷監督の最高傑作と断言していい。てか、まだ5本しかないけどさ」
てるお 「国の補助金をアテにする事業者や、政治家と介護施設のグレーな関係、高齢者を苦しめる暴力団に対して国民は怒りを感じているのに、国はなかなか重い腰を上げようとしない。そういうアホどもにつよぽんが鉄槌を下す場面はやはりスカッとするよな」
たくお 「任侠道を邁進する彦一の姿を通して、介護問題がなかなか進展しない行政に対する製作陣の怒りを映画として伝える。そこに本作が作られた意味があると思う」
てるお 「映画で描かれていることは大げさなことじゃないし、実際にあった事件やエピソードを基にしているから、描写的に自然とリアリティもわいてくるんだよ」
たくお 「舞台となる“うみねこの家”の犬小屋みたいな環境に高齢者が暮らす描写は映画だけの絵空事と思うけど決してそうじゃないらしく、あれに似たような介護施設とは思えないようなひどい所もあると聞く。行政から指導が入っても資金や人手が不足しているから一向に改善されない」
てるお 「“うみねこの家”はもちろんオールセットなんだけど、汚物臭が伝わってきそうな画作りが妙にリアルだった。俺も、病院に入院してた祖母を見舞いに行った時もやっぱり臭ってたぐらいだから、“うみねこの家”の臭いは1000倍ぐらいスゴそう」
たくお 「家族に見放され、何の希望も楽しみもなくただ死を待つだけの高齢者たちが、薄暗い部屋にギュウギュウ詰めにされた地獄絵図の演出はヘタなホラー映画よりも怖いよ」
てるお 「今の日本社会の閉塞感を見事に表現した場面だと思ったね」
たくお 「老人役の俳優さんも素晴らしい。 認知症を患った高齢者という設定だからほとんどセリフはないんだけど、本当に施設から連れてきたんじゃないのか?と思わせるほどのあの演技、悲哀に満ちた存在感を出すのはなかなかできないよ。歩き方1つにしてもボケた演技って本当に難しいらしいから」
てるお 「前半は、町づくりのためと建前で生きている弁護士議員、お年寄りを食い物にするヤクザども、認知症の母親を抱え嘆き苦しむ葉子(安田成美)のエピソードを描き、観客をどんよりした気持ちにさせていく」
たくお 「ドラマ版で人の慈しみを学んだはずの彼がまた木偶の坊に戻ってるから、初めは『コイツ、全然成長してねーじゃん』って思ったけどね。 カタギになった男が結局その世界で生きるしかなく、また舞い戻るってカッコいい主人公とは言えない」
てるお 「中途半端に任侠道を歩いてて、よその組に入ってせこいシノギをしている。なので前半では、身勝手な彦一に観客はほとんど感情移入できない。<弱きを助け、強きを挫く。命を捨てても義理人情を貫く>。その理想の生き方ができない彦一の苛立ちが観客にも伝染してくる演出が巧い」
たくお 「“漢”は黙って人を助けてナンボ。苛立ちを爆発させ、任侠魂に火が点いた彦一が“うみねこの家”を建て直す場面でカタルシス、キターッ!」
てるお 「つよぽんがいきなりチェーンソーを振りかざすから、あれで老人たちを切り刻むのかと、一瞬ヒヤッとしたけど」
たくお 「コラコラッ」
てるお 「でもあのシーンで、♪オーマイソーッ!を流してくれたら、『いよっ、待ってました!』感がより一層強まったんだけどね」
たくお 「他人と仲良しゴッコする気はないけど、でも弱者を見捨てることはできない。自分が盾になっても彼らを救おうとするこのダーク・ヒーロー感はまさにマッドマックス!」
てるお 「子供たちにも無愛想な態度をとるところもマッドマックスだったなあ」
たくお 「で、このシーン以降は草彅剛の極道演技の真骨頂を発揮する!」
てるお 「つよぽんのあの人情ヤクザ感はやっぱ最高だな。 映画版のほうが、任侠演技にも深みやスゴ味が増してる感じがする。普通、バラエティ番組でバカばっかりやってるタレントがこういうシリアス演技をすると、やっぱり浮いちゃってどこかシラけちゃうんだけど、彼の場合はちゃんと“演じ分け”が出来ているから、違和感がない。『アウトレイジ3』ではぜひ使ってあげてほしい」
たくお 「『僕』シリーズでのイイ人キャラと、こういうワルキャラ両方を違和感なく演じられる人ってなかなかいない。SMAPメンバーでは一番演技力あるよね」
てるお 「ホントそう。メンバーのK君もつよぽんの演技力を見習ってほしいですな」
たくお 「K君って・・・・どっちよ?」
てるお 「両方」
コレが『10年に1本の傑作』なら、ほとんどの映画は傑作だ(笑)
たくお 「口数の少ない彦一を、草彅剛の表情と目力だけで語らせる演出もなかなかよろしくてよ」
てるお 「ずっと仏頂面なんだけど、本作で唯一、葉子の母親に手を振る場面でのつよぽんのあの笑顔がいいねえ。うん、いい笑顔してるっ」
たくお 「僕もあの場面、好きだな。マジで照れてる感じが伝わってくる“つよぽんスマイル”にやられた女子も多いのでは?」
てるお 「病院から母親を連れ出して泣き崩れる葉子を目にした彦一の“決意の表情”も だった。こういう場面が入ってるだけでも映画としてOKだよ」
たくお 「安田成美もいい演技してたなあ。認知症の身内を抱える人の苦しみとか、生活の疲労からくるあのやつれた感じとかさ」
てるお 「彼女が乗るボロボロになった軽四トラックからしてあの家族の生活苦がにじみ出てる。一瞬、『悪の教典』のハスミンの車かと思ったけど」
たくお 「しかし、母親をあんな劣悪な衛生状態のの“うみねこの家”に入れた葉子の心境はちょっと分からなかったし、そこはもっと丁寧に描いてほしかった」
てるお 「結果的に母の病状は改善したとはいえ、普通の感覚からしてあんなとこに自分の親を預けようとは思わないよな。 あの場面は追い込まれてどうしようもない葉子が彦一に頼る以外の方法がないんだと、俺はそうくみ取ったけど」
たくお 「葉子が彦一の刺青に触れて、自分たちを捨てて出ていったヤクザの父親を思い出す場面はちょっとグッときた。 本作って何気にいい場面が多いんだよね」
てるお 「いい場面と言えば、夏帆のお尻フリフリからのインね!!! ケータイ刑事ではあんなに純粋可憐だった少女もこんなエロ・・・・いや、色っぽくなっちゃって」
たくお 「草彅との濃厚なブチューはちょっとショックだったな。この映画って、いきなりブチュー!が2回もあるんだよね。西谷監督の趣味か?」
てるお 「ま、夏帆もいいオンナになったよ。次回作あたりでは大胆な濡れ場に挑んでいただきたいもんです」 ←てるおのゲスな願望
たくお 「成次のキャラは、女にすぐにのぼせあがる、もう1万回ぐらい見たような分かりやすすぎな舎弟で『またこういうキャラかよ』という感じだったけど、風間クンが演じるとなんかイヤミがないからいい。なんか昔の長渕剛と哀川翔を見てる感じ」
てるお 「あ~あ、あんなチンピラになっちゃって。金八の涙の説教は届かなかったのか」 ←ごちゃまぜにするなよ
たくお 「ただ、成次があそこまで彦一に惚れ込むのと、茜にゾッコンになるエピソードがちょっと弱い。多少の唐突感も否めなかったけど」
てるお 「俺は、<アンタ、映画出すぎじゃね?>俳優でおなじみの香川照之演じる二世議員の八代が、対立する彦一側の人間になっちゃうのはちょっと都合良くないか?と思ったけど」
たくお 「そう? 生まれ変わった“うみねこの家”を見て考え直す描写があったし、彦一が入札会場で大暴れしたことで彼の信条に心を打たれた、ってことじゃないの?」
てるお 「ただ、八代のような人物は、相反する側にすぐ理解を示すのではなく、もうちょっと中立的な立場でいてこそキャラ的にも深みが増すわけで。で、最後に『でも君みたいな人がいても悪くないかもな』みたいなキザなことを言わせるとかさ。俺なんか単純だから『おお、カッコイイ』って思っちゃうんだよね」
たくお 「なるほどね」
てるお 「このシリーズは、クライマックスでつよぽんが大暴れするハデなアクションも必要だから、あの乱闘シーンを入れたのは分かるけど、“うみねこの家”が燃やされるシーンはいるか?」
たくお 「でも放火の場面がないと、その後で彦一が会場で大暴れする理由がなくね? 『コイツ、なに勝手にブチ切れてんだ?』ってことになるんじゃ?」
てるお 「彦一を怒らせるエピソードが必要にしても、もっと他にやり方があったと思うけどね。そもそも火事でエライことになり彦一が窮地に追い込まれる展開はドラマ版でも1回やってるし。それに組も彦一を破門にすればいいだけなのに、大事なシノギである“うみねこの家”をなくすほうがリスクでかいだろ?」
たくお 「まあね。でもあの後、組相手に暴れまくる草彅の<鉄槌カタルシス>があったから、まあ・・・・アレはアレでいいんだよっ!」
てるお 「てか、あのヤクザたちもバカだよねえ。現実に暴力団排除の流れに向かっているこのご時世に、いかにも俺たちヤーさんです!みたいな風情でドカドカと入札会場に入ってくる、あの違和感。 フツーさ、行政もああいう連中に入札させないだろ?」
たくお 「僕もそこは気になったけど、まあ・・・・アレはアレでいいんだよっ!」
てるお 「しかも会場であんなに大暴れしたら世間からの反発を買うのは分かりきってることなのに。ちょっとは頭使えよ」
たくお 「そこも映画的見せ場ということで大目に見てあげようや」
てるお 「ま、そうは言っても、任侠映画の醍醐味はやっぱこういう乱闘アクションだよな。ブチ切れたつよぽんの大ジャンプに杉本哲汰おののく! これだけで だね!」
たくお 「2階からロビーに飛び降りた草彅がずっと足を引きずっていて、あの“本当に痛そう感”が出てる演技も巧いなあと思った」
てるお 「最後に黒木メイサのファンサービス的な登場はドラマファンには『うほっ』なのかもしれないけど、やっぱ唐突。結局、大した活躍もしてないから、別に出てこなくても良かったじゃね?」
たくお 「僕はメイサファンなのでいいんだよっ!」
てるお 「で、一番おかしいと思ったのが、老人たちが勝手に病院を抜け出して燃えてしまった“うみねこの家”に戻ってくるあのラスト。認知症でも“帰る場所”を認識している人は元の所に戻るって、なんかそれらしいことを語ってるんだけどさ、ちょっと待て! 火事でケガして治療中の老人に何好き勝手なことやらせてるんだよ! しかも誰の付き添いもなく、1人また1人と夢遊病者みたいに戻ってくるというね・・・・。ちょっと信じがたい描写なんですけど!」
たくお 「確かにあの場面は違和感あったなあ。みんなが幸せそうな顔をして“なんかほっこりする良さげな場面でしょ?”みたいな演出は余計だと思った。せっかくのイイ感じで話を盛り上げてくれてたのに、ファンタジーふうにシメるのはどうなんだろうな」
てるお 「映画的に泣かせたい、例え辛いことがあってもイイ話として終わらせたいという作り手側の意図は分かるんだけど、あまりにあり得なくてリアリティの欠いた場面だったから、逆にそれがノイズになっちゃってるんだよ」
たくお 「介護専門の指導スタッフを入れて、介護や高齢者の描写にこだわったのは評価できるけど。でも全体的にはファンタジー視点で観たほうがいいね」
てるお 「そりゃ皆さん、エンタメ映画として観に来ているんだから、深夜放送のドキュメンタリー番組のようなものを見せられても困るわけで・・・。話の作りとしてはあまり感心できないけど、僕はそれよりも役者陣の力演と西谷監督の演出の上達が嬉しくなったヨ」
たくお 「それは同感。そこが本作の一番の収穫かな」
てるお 「ところでヤフー映画レビュー、見た? 4.48点
だって! 『ダークナイト』より高いって・・・・」 ※12月20日時点
たくお 「4.48点って、もう名作級の扱いじゃん」
てるお 「しかもヘンなのは、★5つレビューには<役立ち度>の人数の多さがハンパなくてさ、★4つ以下だと急に人数激減なんだよねー」
たくお 「いまだに『フジテレビ映画だから観ない』とか言ってるヤツのレビューなんか参考にならんけどさ。でね、実験で★5つのレビューを試しに投稿してみたんだよ。そしたら30分もしないうちに<役立ち度>が12人になった」
てるお 「マジか! 実は俺も★3つでレビューを投稿したんだよ。そしたらなぜか投稿した2日後で削除されてんだよね! ちょっと演出的におかしい部分を指摘しただけなのにさ。なので確信したよ、あ、こりゃステマだって」
たくお 「『プラズマクラスターを1080円で落札しましたーっ!』とか書いたんじゃねーの?」
てるお 「コラコラッ、あんなのと一緒にするなよ」
たくお 「★5つレビュアーも本作しか書いてない人が多いし、しかも3行程度のレビューに役立ち度が50人近く入ってるのもある。どこが参考になったのか教えてほしいわ」
てるお 「恐らく、1:ヤフー映画の担当者が意図的に操作してるか、2:映画関係者が連打しているか、3:熱狂的なつよぽん応援部隊が連打しているか、4:それか本当にみんな絶賛しているか」
たくお 「確かにホメる人も多い作品だとは思うけど、『10年に1本の傑作!』と書いてあったのはどーよ? これが<10年に1本の傑作>だったら、大半の映画は傑作になっちゃうぞ」
てるお 「ヤフー映画レビューのサクラやステマなんてもう業界の常識だから、正直あまり驚かないんだけど、さすがに今回は違和感ビンビン。観てもいないヤツが書いてる公開前のレビュー、試写のレビュー、20件以下のレビュー数はまずアテにしちゃいけない」
たくお 「しかし400件以上もあるレビューだったら信憑性も高いわけじゃん。それなのにこのステマ臭漂う操作は一体・・・・・。フジテレビはどんだけ必死なんだ?」
てるお 「初登場4位で思ったほど興行が伸びてないし、10億にも届かない感じからそりゃ必死になるよ。だったら、つよぽんをあちこちのフジ番組に出して大量宣伝させりゃよかったのに」
たくお 「それ以前にさ、ドラマは映画じゃなくてやっぱりドラマで完結させるべきだと思う。なんでもかんでも映画化する邦画の悪習をいい加減、変えないと!」
てるお 「いや~、変わらないと思うよ。それで客が来ると思ってるんだから」
たくお 「テレビ局は、ドラマ → 映画にする意味をもっと真剣に考えるべきだし、ちゃんと見出すべき。ハッキリ言うけど、今年のドラマの映画化で合格点を付けられるの本作だけだから! 他はもうTVでやってください、というレベルですよ、マジで」
てるお 「確かに。でもこの映画はまず役人に観てもらいたいね。深夜でもたまに介護問題を扱った良質なドキュメンタリー番組とかやってるけどさ、『国民の血税は福祉事業に当てます!』とヌカしておいて誰のタメにもならない公共事業に税金を投入するボンクラ政治家どもは、まずこの映画を観ろ、と言いたいわ」
ココGOOD! 西谷映画としては最高傑作/よりスゴ味が増した草彅剛の任侠演技と劇中で一度だけ見せた笑顔/安田成美/ちょいエロい夏帆/風間俊介/老人役の俳優陣の好演/“うみねこの家”のセット/汚物臭漂うリアルなセット感/やっぱりつよぽんは強かった!的な乱闘アクション
ココBOMB! 描かれてるヤクザたちがちょっとステレオタイプすぎで、しかもバカ/老人たちが戻ってくるちょっとあり得ないラストの展開/後半になるほどリアリティの欠いた話になっていく/オーマイソーッ!があまり流れない/ステマっぽいヤフー映画レビュー
●満足度料金
てるお 1100円
たくお 1200円
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