シネトーク43『パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT』●アイデア賞贈呈!
映画バカコンビ
てるお と たくおの
ぶっちゃけシネトーク
映画好きな2人が話題作を斬る!・・・・ほどでもないシネマトーク
シアター43/『パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT』の回
監督・脚本:長江俊和
出演:中村蒼/青山倫子/津村和幸/吉谷彩子/鯨井康介/守永真彩
90分/ビスタサイズ/プレシディオ配給(2010年11月20日公開)
!!! ネタバレしてますのでご注意を。
一線を超えてしまいそうな禁断の姉弟愛?
たくお 「オリジナルの米版よりも面白いじゃん。こっちの方が好きだな」
てるお 「俺も。正直、日本版の映画化を聞いたとき、所詮、焼き直しのパクリ映画だろ? と小バカにしてた。でも日本ならではの恐怖描写やアイデアで勝負してていい意味で裏切られたよ」
たくお 「観た人は『米版よりも怖い』と評判がいい。『米版の足元にも及ばない』と叩かれまくってるどこぞの日本版“幽霊”映画なんかよりもずっと出来がいい(笑)」
てるお 「やってることは基本的に米版と何ら変わってない。あえて見せ方や演出はほとんど同じにしているけど、米版ほど間延びしてないし飽きさせない工夫もしてある」
たくお 「米版ですっかり免疫が付いてるからそんなに怖くないだろとタカをくくってたら、これがけっこう怖かったりする」
てるお 「盛り塩やお祓いなど日本独特の風習や描写も悪くない」
たくお 「ま、悪魔からしてみれば『コイツら何やってんだ!?』って感じなんだけど(笑)。中村くんの霊感の強い友人を苦しませ、祈祷師や姉弟のお父さんも殺しちゃう悪魔はさらに強大化してる」
てるお 「一応、続編的な作品なんだけど、どっちかというとリメイクに近いよね」
たくお 「でも姉がアメリカ旅行中に過って事故で死なせてしまったケイティは前作で取り憑かれたヒロインだから微妙なつながりがある」
てるお 「ネットでは米版のケイティとは別人という噂もあるんだけど・・・・」
たくお 「え、そーなの? コレって後日談じゃないの?」
てるお 「劇中では『恋人を殺したケイティという女性が亡くなった』と説明されているけど、アメリカの事件と関連した断定的な描写はしてないよね。その辺りはあえて観客の判断に任せてる気がするけど」
たくお 「ケイティの悪魔が倫子姉さんに乗り移ったのかと思った。違うの?」
てるお 「その解釈もあり得るってこと。本家『パラノーマル2』は前作の事件後を描いた“正当な続編”だし、日本版とどうつながってるのかも分からない。全く関係ないかもしれない」
たくお 「でも日本版も米版監督のオーレン・ペリから『日本での続編も見てみたい』と正式なオファーがあったオフィシャルの続編だから、全くのバッタもんじゃないよね」
てるお 「ペリ監督が日本版にどこまで関わってるかは知らないけどね。日本版はほとんどお任せで自由に作れたらしい」
たくお 「米版と大きく違うところは恋人同士が姉弟になったところ」
てるお 「所詮、他人である恋人とは違って、今回の悪魔は“姉弟愛”を試す」
たくお 「とはいえ、弟はラストでスタコラサッサと逃げちゃうけどね(笑)」
てるお 「いやあ逃げるでしょ、普通。自分があの状況に置かれたらスタコラサッサだよ。あれは怖いって!」
たくお 「でもさ、この2人の姉弟愛ってちょっとフツーじゃないよね。まるで恋人みたいにベッタリしててさ」
てるお 「弟『頼むからさあ、お姉ちゃんの部屋、あと1回だけ撮らせてよおおおん』、姉『えええ~、じゃあ~あと1回だけだよ❤』ってなんかヤバイだろ(笑)」
たくお 「ちょっと近親相姦的な空気が漂ってるよね(笑)。この妙なエロエロ感は一体なんだろ?」
てるお 「レディースコミックでよくある姉と弟の禁じられた恋みたいな感じ」
たくお 「姉ちゃん萌えしたい人にはたまらない映画だと思う。青山倫子っておりんの時から注目してたけどけっこう美人なんだよね」
てるお 「もろタイプ。そりゃあんなベッピンな姉ちゃんだったらイケナイ考えも起こしそうになるわ(笑)。俺にも姉が2人いるんだけど『ねえちゅわ~ん❤』なんて甘えたらまず殴り倒されるね」
たくお 「中村くんがニヤニヤしながら姉の部屋を撮りたがるじゃん。あの気持ちよく分かるわ(笑)」
てるお 「だって倫子姉さんの部屋だぞ。男なら誰だって覗き見したいはず! 俺なら一緒に添い寝してあげるね」
たくお 「倫子姉さんにも殴り倒されるぞ(笑)」
てるお 「そんなキレイな姉ちゃんを溺愛する中村くんは自然体の演技で、それがいい具合に日常感を醸してた」
たくお 「中村くんは前作のミカと違って性格もいいし、面倒見もいいし、それでいて優しい。ミカはひたすら超常現象に興味があるだけで、悪魔祓い師を呼ばなかったり、ウィジャボードで悪魔と交信しようとしたりと余計なことばっかりする」
てるお 「ミカのすることなすことにイライラさせられっ放し。とっとと死んでくれと思ったよ(笑)」
たくお 「倫子姉さんは途中までは良かったのに、後半の“おののき演技”がちょっとワザとらしかったなあ」
てるお 「『ハア~ハア~』言うところなんかは、恐怖というよりちょっとエッチな感じだったもん」
たくお 「君はどうしてエロ目線でしか見れんのだ(笑)」
てるお 「ただ、父親の演技はもうちょっとなんとかならんかったのか。いかにも演技してるって感じがしてフェイクドキュメンタリーの良さが台無し」
たくお 「そうなんだよ、変に演じなくていいのに。言い回しとか違和感あったよね」
てるお 「あと違和感といえばいつも中村くんが手持ちカメラを持ち歩いてるところ。食事中も、姉ちゃんが絶叫してる時もまずカメラありきなんだよね(笑)」
たくお 「カメラを回さなきゃいけないという理由づけは欲しかったところ。てか、彼は一体何台カメラを持ってるんだよ」
てるお 「少なくとも3台持ってる」
たくお 「部屋が2つになって恐怖も2倍!みたいなキャッチコピーが付いてるけど、弟の部屋ではほとんど何も起こらないんだよね」
てるお 「だって原因は取り憑かれた姉ちゃんだから」
たくお 「一番ヘンだと思ったのが両足骨折の姉がなんでわざわざ2階で寝てるんだろ? 車イスもなぜか2階にあるし。普通、玄関とかに置いとくでしょ?」
てるお 「確かにそこは俺も思った。車イスって結構重いんだよ。倫子姉さんは自分の部屋で超常現象が起こってるのにグ~スカ寝てるし。ちょっと緊張感ないよね」
たくお 「あれだけ色んな事が起こってるんだからさ弟の部屋で一緒に寝るとか、どっかのカプセルホテルで泊まるとかすりゃいいじゃん。姉ちゃんを捜す時もまず電気点けなよ!」
てるお 「あえてそこは突っ込んじゃいけないんでしょ。でももし俺だったら3日目でギブアップだけど」
徐々に貞子化していく倫子姉さんがステキ(笑)
たくお 「傷の入った写真立て、不気味な足音、勝手に点く電気、いきなり閉まるドアなどいくつかの“お約束”を踏襲してるよね」
てるお 「でも一番ビックリしたのがいきなり割れるコップ。観客は姉弟の痴話げんかに集中してたからあの不意打ちは卑怯だよ。劇場ではあそこが一番反応あったな」
たくお 「僕は予告編でそのシーンがあるのを分かってたからそんなにビックリしなかったけど。米版もそうだったけど、怖いというより音でドキッとさせられるんだよ。基本的にビックリが嫌いなんでこの手の演出は苦手」
てるお 「欧米に比べて日本の部屋は小さいから密室の限定空間的な怖さがある。ケイティの寝室はだだっ広いし、寝てる時もなぜかドアを開けっ放しだったから、迫りくる怖さがあまりなかった」
たくお 「寝てる時は普通、ドアは閉めるだろ。向こうの人って開けっ放しでも平気なのかしら?」
てるお 「米版ではウィジャボードが燃えたけど、今回は十字架が燃える。しかもガラスも全部割れて、悪魔(ケイティ?)の怒りも尋常じゃない。そういう意味で言えば今回はケイティの復讐劇として見たら面白いかも」
たくお 「ただ、姉の部屋の壁全体に大きな鏡張りがしてあったのに、大した仕掛けがなかったのはもったいない。鏡の向こうの倫子姉さんは『エクソシスト』みたいな悪魔顔になってるとか、ヘンな影が映ってるとか、もうひと工夫あってもよかった」
てるお 「確かに。変な影といえばさ、中村くんがお祓いを依頼するシーンで、彼が使ってたパソコンに明らかに不自然な影が映ってた気がするんだけど・・・・」
たくお 「え、気づかなかった。どうせスタッフの影だろ。僕はそう信じたい(笑)」
てるお 「お姉さんはせっかく両足を骨折してるのに、超常現象から逃げられないという切迫した感じがあまり活かされてないなあと思ってた。でも後半で“ゾンビウォーク”しちゃうところはキターっ!て感じ。もうちょっとで吹き出しそうになったけど(笑)」
たくお 「彼女が立ち上がる時の“メキメキッ”という音が一番怖かったという人も多い。確かに気味悪かったな」
てるお 「で、テクテク歩いて弟の前でずっと仁王立ち。あの場面もけっこう不気味やね」
たくお 「倫子姉さんはキレイだけどホラー女優的な雰囲気も醸しているし、徐々に貞子化していくクライマックスもそれなりの怖さがあった」
てるお 「ポッチャリなケイティよりも貞子的な様相の倫子姉さんの方が怖いよね。あと偶発的な日常の異変が徐々にエスカレートしていく盛り上げ方は日本版の方がうまいと思った」
たくお 「米版は尻切れトンボなオチで何コレ!? 的な終わり方だったけど、日本版は最後の最後まで見せ場を用意している。尻尾までアンコが詰まった感じ(笑)」
てるお 「オヤジはいつの間に死んでたのよ?」
たくお 「電話がつながらなくなったあの日でしょ? しかもここで死んじゃってます!的にご丁寧に襖から足が出ちゃってるし(笑)」
てるお 「で、中村くんが同じように豪快に吹き飛ばされちゃう! そこに倫子姉さんが這いつくばって来て・・・・」
たくお 「おいおい、また同じパターンかよ! と一瞬思ったけど、中村くんは全速力で家から飛び出す。やっぱりカメラはちゃんと持って(笑)」
てるお 「何が怖いかって必死に逃げてるのに、両足の不自由な姉ちゃんがタクシーに追いついちゃってるんだよ。T-1000かよ(笑)」
たくお 「でもその後の遺体安置所シーンはちょっと蛇足かなと思ったけど・・・・」
てるお 「そお? 俺はあそこはJホラーぽくて好きだけど。憧れの倫子姉さんが白目むいちゃうのはあまり見たくなかったなあ(笑)」
たくお 「ところで女子高生100人を招いた未完成試写会では、2パターンのエンディングが上映されて投票で劇場版の結末が採用されたんでしょ?」
てるお 「そう。もう1つのエンディングの内容は知らないけど、恐らくDVDの特典で入るでしょ」
たくお 「劇場はちょっと寂しいことになってるねえ。初日に観たけど20人ぐらいしかいなかった」
てるお 「初登場7位。米版があまりにもハッタリな内容で評判が悪かったから『パラノーマル』アレルギーの人が敬遠しちゃってる影響もあるんだろうな」
たくお 「米版よりも面白いんだけどなあ。もし日本版が先にやってたらもっと話題になってただろうね」
てるお 「今回も女子高生の絶叫CMをバンバン流してるけどあまり効果ないみたい。前回で同じような絶叫CMに騙された人も多かったし」
たくお 「丁度、隣に3人組の女子高生がいて、ことあるたびにキャーキャー騒いでた。リアルに観客が絶叫したほうが一体感みたいなものが出来あがって、妙に盛り上がったりできるのかも」
てるお 「ウザイだけじゃん(笑)。DVD、BDには“女子高生の絶叫音声”付きとかで出したら売れるんじゃね?」
たくお 「そんなの欲しいか?」
てるお 「でも最恐の鑑賞方法は劇場で1人で観ること」
たくお 「ブログとか読んでると、あまりに人が入ってなくて劇場貸し切り状態で観たという人が意外と多い。そりゃ怖いわ(笑)」
てるお 「『エンドロール後にも衝撃の映像があります』と上映前に告知されたから、なんだろうと思ってたけど米版パート2の予告編だった」
たくお 「衝撃・・・・・じゃないよな、別に。隣の女子高生は『えっ!? まだあるのお~?』とビックリしてたけど」
↓ コレは米版『パラ2』です
てるお 「米版パート2も大ヒットして、早くもパート3の製作も決まったとか」
たくお 「なんか日本版も第3章を作る気満々らしいよ。また日米対決あるかも」
てるお 「“デビルウーマン”になっちゃった倫子姉さんはぜひカムバックしていただきたい」
●『パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT』満足度料金
てるお 800円
たくお 900円
『パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT』 ★★★
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