ブルーレイ・レビュー13●「死霊のはらわたⅡ」 | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

ブルーレイ・レビュー13●「死霊のはらわたⅡ」

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「シリーズで最も好きなのはこのパート2だ」
ブルース・キャンベルも公言する
『死霊のはらわたⅡ』のブルーレイがアマゾンから到着!


だがブルーレイ版はファンとしては喜べない
色々と問題のあるソフトだった・・・・。



ブルーレイ視聴記 13

死霊のはらわたⅡ ブルーレイ&DVDセット

ジェネオン・ユニバーサル 2500円


■1987年アメリカ
■監督・脚本:サム・ライミ
  出演:ブルース・キャンベル/サラ・ベリー/ダン・ヒックス


●BD仕様

●84分
●ビスタサイズ
●メニュー画面:動画
●つづき再生:可
●音声
 1 英語 5.1chサラウンド dts-HDマスター・オーディオ
 2 フランス語吹替
 3 ドイツ語吹替
●字幕
 日本語字幕
●MPEG 4-AVC/1層ディスク
●全15チャプター
●ピクチャーディスク



●作品レビュー
とにかくキャンベルの1人怪演を笑え!


いやあ、何度観てもいいですね~!!


強烈なスプラッターに徹した前作 生理 に比べ、
かなりコミカル色が強くなっている第2作。

続編というより、話を一度リセットしているので
どちらかというとリメイク的な内容。

ユニークな死霊キャラやアイデア演出で勝負し、
前作に劣らない出来で最後まで楽しませようとする
ライミのサービス精神はグレードアップしている。

予算が大幅に増えたことで見せ場を盛り込み、

ずば抜けて良くなったテンポとたたみかける演出は

荒削りながらも圧倒されっ放し!


そしてより盛り上げてくれるのが、前作以上に多彩な死霊たち


アッシュの恋人ダンサー首がなくてもチェーンソーで襲撃!

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死霊が乗り移ったアッシュの右手中指立てて“ファッキュー”!

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シカのはく製もケラケラ大笑い(ココ爆笑)! 

ルクソーJrの元ネタぽい死霊も一瞬だけ登場(笑)。

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アニーと同行してた男も死霊化。女の大切な髪をパックンチョ!

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地下貯蔵庫に幽閉されてた最もタチの悪い死霊ババア

怒り狂うとろくろ首化しちゃう!
ちなみにコイツを演じてたのはサム・ライミの弟、テッド・ライミ!

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その死霊たちに立ち向かうアッシュことブルース・キャンベルの

セルフ演技の怪演ぶりもさらにパワーアップ!


死霊に森の中を引きずり回されたり・・・・
もちろんCG、合成は使ってません。実際に森の中でハイスピード撮影!

根気のいる撮影だったでしょうね・・・・。

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自分の右手 バンザイ右手 と格闘したり・・・・
ここまでリアルに
1人演技できる俳優はそうそういません。いやあ、アッパレ!

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大量の血 血 を浴びまくったり・・・・
壁から噴き出す血の量が笑えるぐらいハンパじゃない。

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みずから死霊化して大暴れしたり・・・・
死霊になったり元に戻ったり。忙しい人ですな。

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チェーンソーと合体したり・・・・
このシーンは『マッドマックス』を意識してたのかな? 

ラストで白髪交じりになるところとかも風貌がマックスなんだよね。
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死霊ババアとバトッたり・・・・
撮影現場にはいないストップモーションの死霊ババアと

戦うフリをするのは大変だったろうね。

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大昔にふっ飛ばされたり・・・
で、英雄扱いされたアッシュは“スーパーマーケットの店長”になるわけです。

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アッシュと死霊のガチンコ・バトルは

何度観ても萌え・・・いや、燃えます!



1作目はスプラッターの金字塔となり、
2作目はカルト化しているという珍しいシリーズ映画です。



あと、アラというか、おかしかった場面が2か所ある。

1つは死霊ババアに襲われる男優さんが一瞬だけマジでビクッとするところ。

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もう1つは、死霊ババアに地下室に引きずり込まれる男を
アニーが助けるシーンで、大量の血を浴びている彼女が
次のカットではキレイに元に戻ってるところとか(笑)。

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あ~ら、不思議。




●クオリティ・レビュー
DVDよりもひどくなっているSTUDIO CANAL字幕


前作は16ミリフィルムで撮影され35ミリにブローアップして
公開されたが、本作は35ミリフィルムで撮影。

とはいえ、オリジナルの素材からして
クオリティはあまり期待していなかったが、それにしても

これがBD画質かと言われてたらかなりキツイ。


BDらしい高精細な画質は全く感じられないし、
DVDとなにが違うんだ? と言いたくなる。


ただ、全体的に映像が暗く潰れ気味だったDVDに対し、
BDは夜のシーンでも比較的明瞭になっているし、
発色や鮮度もわずかながらに向上している。

合成シーンになると途端に画質が粗くなるのは同じだが・・・。

これがBD画質の限界なのだろうか?


また、DVDは81分、BDは84分となっているが
これはPALマスターの早回しによる誤差で本編に違いはない。
よって、BDはDVDと同一マスターではないことは明らか。


音はdts-HDマスター・オーディオ収録であっても
古めかしく荒々しいサウンドのままで特にクリアになったわけでもなく、
サラウンドの精度も高くない。これはマスターの問題だろう。

(それにしてもメインメニューの稲妻音がやかましい)


BDの一番の問題は字幕だ。


本BDを制作したフランスの映画会社、STUDIO CANAL
世界共通仕様の各国の字幕や吹き替えを制作することが多く
そのため字幕の翻訳がかなりひどいことで知られている。


特にこのスタジオ経由でリリースされた
ユニバーサル発売のDVDはその最たるもので、
『ニューヨーク1997』や『戦争のはらわた』『デリカテッセン』などの

DVDは観る(読む)に堪えられないひどい日本語字幕で、
たびたびファンの怒りを買ってきた。
(アマゾンのレビューを読めば分かります)



本作のDVDもCANALが制作したタイトルだが、
字幕はそれほどひどいものではなかった。


だが、なぜかBDは直訳的な字幕に変わっており、
DVDに比べてかなりヒドイことになっている。

まるで翻訳機にそのままかけたような字幕で表現も固く、
文法としておかしい部分もかなりある。


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以下、一例をDVDとBDで比較してみた。
(以下:DはDVDBはブルーレイ


D 「その意味は“死の書”」
B 「平たく言えば“死者の書”」


D 「僕はオトコで君は女・・・ 楽しみだね」
B 「僕は男で君は女で・・・ 最後にチェックした限りでは・・・」


D 「邪悪な死霊は生きてるものにのりうつる」
B 「邪悪な霊は命を得ることが可能になる」


D 「だましたわね」
B 「ひっかかった!」


D 「ハロー ダーリン」
B 「私のあなた」


D 「私は死体を切断できなかった」
B 「彼女の肢体を切り離せなかった」(この場合は死体が適切)


D 「私の地下室に誰かいるぞ! 生きた魂を持ったやつが!」
B 「私の果物貯蔵庫に誰か居るわ! 新鮮な魂を持った誰かよ!」


D 「やだぜ お前ひとりが行けよ」
B 「おりゃ嫌だゼ 興味があるのはあんただ」


D 「ここには死霊がいるのだ お前たちを殺そうとしてる だが助かる方法がある」
B 「闇の悪霊がお前を破壊しようとしている お前の救世主はあそこだ」


D 「ジェイク そんなに強く握らないで」
B 「ジェイク 私の手を強く握り過ぎよ」


D 「さっき唱えた呪文は死霊を呼んだだけだわ」
B 「朗読したのは第1章だけよ それが悪霊を具現化させた」


D 「死霊を裂け目に追い返さないと」
B 「悪霊を割れ目の中に送り込むところがあるわ」



開いた口が塞がらない字幕のオンパレードで、

いかにひどい翻訳かが一目瞭然。
(エンドクレジットの最後に「字幕 C.M.C.」と出るがこれはなんだろう?)


ジェネオン・ユニバーサルはこのようなひどい字幕に対して
何とも思わないのだろうか?
CANALの稚拙な字幕は以前から指摘されているのだから、
商品化する前に日本で翻訳をチェックするとか、
それぐらいするのはメーカーとしての責務だと思うが・・・・。


DVDのように、2人の会話を2行で表示するような
読みずらい字幕は改善されているが、
それでもまだDVD版の字幕の方がはるかにマシだ。


同じような劣悪字幕
『ニューヨーク1997』や『ブリジット・ジョーンズの日記』
『エマニエル夫人』のBDでも報告されているのでご注意を。



ジャケットには音声は英語5.1chのみとなっているが
実際はフランス語吹き替え、ドイツ語吹き替えも収録。
(仕様は重要だからちゃんと表記してほしい)
ファンが多い作品なのだから日本語吹き替えも欲しかったところ。


本編再生中は音声、字幕の切り替えができず、
わざわざポップアップ・メニューから呼び出さなければ
ならないという操作も面倒だ。



●特典レビュー
BDのみコメンタリーとインタビューを収録


DVDには何も特典がなかったが
BDにはブルース・キャンベルのインタビュー(23分)と
スタッフ・キャストによるコメンタリーを収録。

これは2000年発売の米国盤リミテッド・エディションDVDに

収録されたものであり、BD用に新録されたものではない。

とはいえ日本盤初収録なのでファンには貴重といえる。


ジャケットには「サム・ライミ、スコット・スピーゲル(脚本)による
コメンタリー」と記載されているが、実際はブルース・キャンベル、
グレゴリー・ニコテロ(特殊メイク)も参加している。


コメンタリーは興味深い裏ネタが楽しめるけど
全員の声が似ているので、誰が喋っているのか分かりづらい。
撮影時を振り返る彼らの楽しげな感じは伝わってくるのだが
コメントしている人の名前も入れてほしかった。


キャンベルのインタビューでは
意外と緻密な計算の上で演じていたこと明かし、
映画とは違った“知的”な彼が見られる。



ジャケットは勇ましいアッシュのビジュアルに変わっているが
個人的にはDVDの目玉ギョロリ・ガイコツの方が良かった。


↓DVD(左)とブルーレイのピクチャーディスク
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●評点

作品:8.5
画質:6.5

音質:7.0
サラウンド:6.5
特典・仕様:7.0

総合:7.1


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