シネトーク19「パラノーマル・アクティビティ」●怖いようで怖くない一発勝負の超常現象ホラー
映画バカコンビ
てるお と たくおの
ぶっちゃけシネトーク
映画好きな2人が話題作を斬る!・・・・ほどでもないシネマトーク
第19回 「パラノーマル・アクティビティ」の回
監督・製作・脚本・編集:オーレン・ペリ
出演:ケイティー・フェザーストン/ミカ・スロート/マーク・フレドリックス/アンバー・アームストロング/アシュリー・パーマー
86分/ビスタサイズ/プレシディオ配給(2010年1月30日公開)
!!! ネタバレしてますのでご注意を
“怖いもの見たさ”の恐怖心をあおってくれるがオチに苦笑い
たくお 「まさに“してやったり!”な映画だったなあ」
てるお 「この映画がこれほど大ヒットしたことが、ある意味“パラノーマル・アクティビティ”(超常現象)だよ」
たくお 「『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が好きな人にはたまらないだろうね」
てるお 「お化け屋敷を怖がれる人には面白いんだろうけど、冷めた人にはすごくつまらない(笑)」
たくお 「冷めてなくてもダメな人にはダメだろう、この映画。てるおはどうだった?」
てるお 「俺は基本的に怖がりなんで、ぎりぎり“アリ”かなと。でももう1回観たいとは思わないな」
たくお 「まさか今になって『ブレア・ウィッチ』の二番煎じで成功するヤツが出てくるとは思わなかったなあ」
てるお 「一番驚いているのは監督本人じゃないの?」
たくお 「たった135万円で作った映画がここまで当たるとは思ってなかっただろう。逆に申し訳ないと思ってるんじゃない(笑)?」
てるお 「監督が自分の家で1週間で撮ったと考えたらよく出来てると思う。一発勝負な映画だけどアイデア勝ち」
たくお 「でもアメリカでの大ヒットはいくらなんでも異常だよ。世界興行では1億5000万ドルを超えて、収益は製作費の1万倍!」
てるお 「アメリカではクリーチャーやモンスター、スプラッターといったホラーは珍しくないけど、目に見えない心霊的なものはまだ需要があるのかも」
たくお 「日本じゃすっかり飽きられている『ザ・リング』や『呪怨』のハリウッド版があれほどヒットしたし。あとマスコミの煽りや話題性の効果もあった」
てるお 「でも正体は幽霊じゃなくて悪魔なんだよね」
たくお 「なんだよ、悪魔かよ!と思った。日本人は悪魔よりも心霊的な怖さが見たいからね」
てるお 「といっても『エクソシスト』のような凄まじい恐怖描写があるわけでもなく、どっちかというと心霊的な恐怖だった」
たくお 「映ってはいけないものが映っていた、人間の“怖いもの見たさ”の心理を突いた恐怖描写はなかなかだった」
てるお 「寝室のカメラ映像になると“ゴーーーッ”という不気味な低音も恐怖心を駆り立てる」
たくお 「リアル・カメラ映像を登場人物と一緒になって見て、ちょっとした“変化”に恐怖を追体験するのが本作の魅力なんだけど、これだったらTVでたまにやってる心霊映像特集のほうが怖い(笑)」
てるお 「『ブレア・ウィッチ』では森が舞台だったらから色々な仕掛けやギミック的な怖さがあったけど、本作は家の中だけでどうやって怖がらせるか」
たくお 「ドアがスーッと動いたり、シーツが不自然にめくれ上がったり、不気味な影が映ったり・・・」
てるお 「さりげない怪現象が続くと思ってたら、いきなり“ドンッ!”と突き上げるような大音響でビビらせる」
たくお 「あの場面で横にいた女性が飛び跳ねてたよ(笑)」
てるお 「あれは誰でもビックリするって。いつもドアが不自然に開いたままなのも気になったし。俺だったら絶対に閉めるけどね」
たくお 「あのだだっ広い寝室も落ち着いて眠れないよ。寝室は4畳半で十分です(笑)」
てるお 「『ブレア・ウィッチ』のようなひどい手ブレ映像ばかりだったらどうしようと思ってたけど、固定カメラだから見やすかった」
たくお 「ハンディ・カメラでもそんなに気にならなかった。『ブレア・ウィッチ』は本当に気持ち悪くなったからね」
てるお 「カメラの照明だけで映した真っ暗な1階の部屋や、誰かが上がってくる足音、廊下の電気が勝手に点くなど、恐怖心をあおった描写もうまい」
たくお 「ケイティが何時間もベッドの脇でたたずんだり、夢遊病のように歩き始める描写もそれなりに不気味だったし」
てるお 「リアルで静かな恐怖描写がいい感じだったのに、オチが“アレ”だったからね。大きな虚脱感に襲われたよ」
たくお 「『エッ? なに今の?』って場内で失笑が起こってたね」
てるおとたくおも“超常現象”を体験してた!?
てるお 「この映画を観て思い出したことがあってさ、昔、俺も似たような経験をした。7、8歳の頃なんだけど、真夏の夜中に一人で庭にいたことがあって」
たくお 「夜涼みですか? 風流ですな(笑)」
てるお 「母ちゃんが庭にいる俺を見つけたんだけど、その時、俺一人しかいなかったのに誰かと喋ってたんだって」
たくお 「やめて、そういうの」
てるお 「でも俺、その時の記憶が全くなくて・・・」
たくお 「完全に取り憑かれてるよ。お祓いしなよ」
てるお 「それか、強烈に寝ボケてたかのどっちかだな(笑)」
たくお 「実は僕もこの手の体験があるよ。劇中でドアをドンドンと叩くシーンがあったでしょ」
てるお 「ああ、あったね」
たくお 「僕も小学生の時なんだけど、実家の2階にある自分の部屋で一人で留守番してたんだ」
てるお 「おお、いい感じ(笑)」
たくお 「で、誰かが2階に上って来る音がして、部屋の前で歩く音が止まったのね」
てるお 「・・・・なんかイヤ~な感じ」
たくお 「そしたらドアを“ドンドンドンッ!”と激しく叩く音がして」
てるお 「うわ、きたよ」
たくお 「姉貴だと思ったのね。『なんだよ~!』と思ってドアを開けたら・・・・誰もいない」
てるお 「げ~!」
たくお 「アレ?と思って、階段下を見ても電気も点いてなくて真っ暗で・・・」
てるお 「さむ~!」
たくお 「めっちゃ怖くなってさ、ずっと布団の中で誰かの帰りを待ってたよ。家族にそれを話しても誰も信じてくれなくて。あの体験は忘れられないね」
てるお 「誰もいないのに音がするってマジで怖いよ」
たくお 「でも本当に怖いのは暗闇の中で聞こえる“カサカサ”と何かが走る音。“ヤツら”の足音ですよ(笑)」
てるお 「暑くなるとよく出てくる“黒光りする連中”ね(笑)」
俺も女子高生と一緒に絶叫したかった(てるお)
たくお 「ヒロインのケイティは大学で演技を学んだという素人俳優だけど」
てるお 「可愛くもなくブサイクでもない微妙な感じがヘンにリアル感を醸してるよね」
たくお 「確かにそうなんだけどさあ、肉感のいいぽっちゃりヒロインなんで、悪魔に取り憑かれそうな感じがしないんだよねえ(笑)」
てるお 「巨乳デブ専の悪魔だったとか(笑)」
たくお 「問題なのが恋人のミカ。イラつくことばかりやってくれる」
てるお 「悪魔祓い師を呼ばないわ、彼女が嫌がってるのにカメラを回し続けるわ、ウィジャボードで悪魔と交信しようとするわ・・・」
たくお 「このバカが余計なことばっかりするから悪魔もついにブチギレちゃう」
てるお 「彼を見て思い出したのは『ブレア・ウィッチ』のヒロイン。2人とも勝手な事をして事態を最悪な方向へ招いていくうっとおしいキャラ(笑)」
たくお 「確かに。オチのない結末も『ブレア・ウィッチ』と同じだし」
てるお 「ミカが豪快に投げ飛ばされるカットはCMで見せてたでしょ。俺、予告編やCMでネタバレされるのが大っきらいなんだよ」
たくお 「ネタバレもなにも別に意表を突いたオチじゃないし。なんなら、配給会社のプレシディオにクレーム出せば?(笑)」
てるお 「女子高生がキャーキャー叫んでるこのCMもどーなのよ?」
たくお 「この手の映画を大して怖がらない大人よりも、ホラーをあまり観ない若者を中心に売りたかったんだろう。『リング』や『呪怨』のヒットも高校生の口コミの影響が大きかったからね」
てるお 「そうなのか。でも俺らが観た劇場ではシーーーンと静まり返ってたうえに、失笑まで起こってたし。CMみたいに女子高生と一緒に絶叫したかったなあ(笑)」
たくお 「出た、オッサンの不潔な願望(笑)。てるおもけっこうビビッてじゃんか」
てるお 「“オチ”のシーンだけだろ? あそこで絶叫する人が多かったみたいよ」
たくお 「ケイティが悪魔に取り憑かれたところで終わっちゃうけど、パート2ではどうなるんだろ?」
てるお 「当初は『ソウ6』のケビン・グルタートが監督をするとも伝えられてたけど、彼は『ソウ7』も契約しているから情報が錯綜している」
たくお 「だって『パラノーマル2』は今年のハロウィンに公開予定なんでしょ? 間に合うのかよ」
てるお 「今度はそれなりに予算をかけるみたいだけど、『ブレア・ウィッチ2』のような失敗作にはしてほしくないね」
たくお 「あとスピルバーグは『パラノーマル』の完成度の高さからリメイクを断念したらしいけど、これだったらもっと作り込んだリメイクも観たかった」
てるお 「同感。ただドリームワークスは“リメイク超常現象”もので過去に『ホーンティング』という、救いようのない駄作を作ってるし(笑)」
たくお 「あったねえ、そういう映画」
てるお 「『パラノーマル』のエンディングだけはスピルバーグの要望で撮り直したんだよね」
たくお 「オリジナルのエンディングでは警察が2人を発見する。でもそれだと続編が作れないので今のバージョンに変わったらしい」
てるお 「当初は続編なんて作るつもりはなかったしね」
たくお 「米国盤DVDとBDには特典で別エンディングも収録されているから、後に発売される日本盤でも収録されると思うよ」
てるお 「ワンコインDVD(500円)なら買ってもいいかな(笑)。あとさ、劇場パンフレットはひどいよね!」
たくお 「僕は買ってない」
てるお 「小冊子サイズで折り込み式のパンフなんだけど、たった14ページしかなくて超薄っぺらいの。内容もストーリーとプロダクション・ノートぐらいで薄っぺらい!」
たくお 「そんな稚拙なパンフで600円だからね。同じ600円の『アバター』の濃密なパンフとはえらい違いだ」
てるお 「こんなのフリーペーパーの価値しかない! 劇場で無料配布されてる『シネコンウォーカー』のほうがまだマシだよ」
たくお 「やっぱり、配給会社のプレシディオにクレーム出せば(笑)」
●「パラーノマル・アクティビティ」に払ってもいい料金
てるお 500円(パンフへの怒りも含む)
たくお 600円
「パラノーマル・アクティビティ」 ★★☆
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