そもそも、くも膜下出血ってなんでしょう。病気になられた方が最も早く知りたいと思うであろうことを書きます。
私が得た知識や経験をもとに簡単に説明します。
あくまで経験ベースなので、これとは違うケースもありうることをご了承ください。あくまで参考に、です。


【発症時の自覚症状】
・激しい頭痛、突然の頭痛、バッドで殴られたような頭痛
・複視(ものが二重に見える:水頭症による症状)
・嘔吐感、嘔吐
・意識を失う
【自覚はできないこともあるがおかしい症状】
・言語障害(ことばがしどろもどろ・言っている事がめちゃくちゃ)
・日にち・曜日の感覚の麻痺
・自分の名前・人の名前・場所等がわからない・入れ替わる

★上記のような症状があったら、本人や周りの人が積極的に病院にかかるようににしてください。
ただの頭痛ではありません。命にかかわる病気です。早期発見が延命の鍵です。


【病院でする検査】※検査についてはまた改めて検査、として記事を書きます。
・CTスキャン(最大でも20~30分ほどで終わります。MRIと違い大きい音はしません)
・造影剤を用いたCTスキャン(CT検査室で点滴等から造影剤を注入、一瞬熱くなりますがあとには残りません)
・血管造影(カテーテルを用いて大きな動脈に直接造影剤を注入。麻酔等も使い数時間かかります)

最後の、血管造影というのが出血の原因まで一番クリアにわかる検査、という印象を筆者は持っています。


【くも膜下出血とは】
脳には、やわらかな脳をを守るための3種類の膜があります。
外側から、頭蓋骨、硬膜の層、くも膜の層、水(髄液)の層、そして脳を包む軟膜。
くも膜下出血とは、くも膜と脳の間に張り巡らされた大事な血管が破れることにより出血した状態です。
結果として、くも膜と脳の間にある髄液に血液が混じります。
髄液は脳から脊髄を通って、背骨まで満ちているお水ですので、
腰骨から針を刺して髄液を取っても血液が混じっているとわかります。
筆者の場合も、その、腰椎穿刺(ようついせんし:ルンバール)で出血が判明しました。


【脳動脈瘤ってなに?】
くも膜下出血の直接的な原因は、多くの場合が脳動脈瘤の破裂だそうです。
脳動脈瘤とは、頭の中を走る大事な血管のうち、脳栄養血管の動脈にできるコブのことです。
多くは、血管の分かれ道で、どちらにも流れられずに三角州のようにたまってしまい、
血管の一部に袋ができ、その袋が膨らみすぎて破裂すると、出血します。
上記検査の項目で、血管造影がクリアでわかりやすいというのは、
動脈だけをわかりやすく浮き上がらせるようにして写真を取るため、
動脈瘤も形で見つけられるということです。

ただし、筆者の場合は、入院直後の検査では場所が特定できず、
3週間近く経ってもう一度行った検査にてわかりました。
場所によってはほかのいろいろなものに邪魔されてうまく映らない場合もあるということです。


【治療法は手術】
今はほかにもあるそうですが、筆者が行ったのは
動脈瘤対処として一般的といわれる、開頭クリッピング術です。
動脈瘤も生きた動脈の一部なので、邪魔だからと言って切ってしまうと、
さらに出血し大変なことになります。
筆者は動脈瘤をチタン製のクリップで挟み、コブ自体を小さくしながら
動脈は傷つけない、という方法で対処しました。
開頭の文字通り頭を開き、頭蓋骨の一部を開きます。
術後しばらくは痛みや違和感等残りますが、
次第によくなってきました。(※筆者の場合です)


【合併症:水頭症について】
筆者の場合、水頭症になりました。
水頭症とは、頭の髄液(脳を保護するお水)が異常に増えて
内側から圧迫してしまう症状(髄圧が上がる)のことです。
体で感じる症状としては、体を起こすと頭が痛かったり、
髄圧が上がったせいで目の運動の神経が麻痺することで、
複視(ものが二重に見える)が起こったりします。
対処としては増えすぎた髄液を外へ逃がすことで髄圧を平常値に戻していきます。
頭からカテーテルを出して(ドレナージ)直接体外へ出します。
他にもシャント術という法(脳からおなかなどへつなぐ管を埋めて体内へ逃がす)もあります。
具体的な対処法はまた、水頭症の項目の記事を書く予定ですのでご参照ください。

水頭症の症状は筆者の場合1か月くらい続きましたが、
複視は4か月くらい経ってようやく完全に元に戻ってきました。


【合併症:血管攣縮(れんしゅく)について】
これについては、筆者はならずにすみましたので、ひとまず
後回しにします。
脳の血管が縮もうとすることで起こる様々な合併症です。
クリッピング術が成功しても、攣縮によって後遺障害が残ったりすることも
あるそうです。
逆に、こちらを見ていただいた方で、攣縮の経験者の方・家族の方がいらっしゃいましたら、
コメントいただけたら幸いです。。


★参考サイト様

■くも膜下出血とは? -東海大学病院脳神経外科
http://neurosurgery.med.u-tokai.ac.jp/edemiru/kumomakka/index.html

■脳卒中ホームページ -(財)循環器病研究振興財団 監修
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/nousottyu/index.html