クリティカル・シンキング     ( 教室長のスーパー学習術 ) | 教育ブログ

クリティカル・シンキング     ( 教室長のスーパー学習術 )

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 かつて「NOと言える日本」(盛田昭夫、石原慎太郎著)という本が大ベストセラーになりました。

                
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 この本を端的にいうと、日本政府の自己主張のなさが強調されている内容です。タイトルのNOと言える日本とはあくまでも願望であって、その当時から日本というと、NOと言えないお国柄というイメージがつきまとっていました。

 確かに日本人はとかく交渉ベタで、米国の圧力に屈してきた歴史があります。貿易摩擦が起こる度に、日本は屈服し、自動車の現地生産化や牛肉・オレンジの自由化を受け入れてきました。
 ジャパンバッシングという言葉があっても、日本が他国に対してバッシングすることは大変珍しいことです。
 最近は日本の国力が衰えてきたこともあり、ジャパンパッシング(日本無視)が世界的に横行し始めている感もありますが、いずれにしても自己主張せず、目立たずというのが日本と日本国民の特性といえるかもしれません。

 しかしながら、そうした地味な日本の印象も近年変わり始めている感もあります。討論というと、米国大統領選テレビ討論のケネディVSニクソンが有名ですが、日本でも遅まきながら党首討論が行われるようになり、最近では麻生総理VS鳩山党首の対決は討論として様になってきた印象を抱きます。

 学校教育で対話と討論を磨く欧米には、クリティカル・シンキングCritical thinking(批判的思考)という言葉がありますが、徐々に日本でもこのクリティカル・シンキングが浸透し始めています。

 ここで気をつけなければならないのは、批判的思考というのは、相手の意見を頭ごなしに否定する否定的思考ではないということです。
 批判とは、情報を正確に取り入れ、情報の整理かつ分析を行い、客観的理解の下に、正しい判断をくだすことを意味します。

 昨今の入試では、このクいわゆるクリティカル・シンキングの力が試されます。公立の中高一貫中学入試においては課題作文が出題されますし、大学入試の公募推薦やAO入試では、多くの場合小論が入試科目となります。
 いかにも日本人気質の日和見的なのも、旗幟が不鮮明なのも問題でしょうし、行き過ぎた個人主義や愚直な自己主張もいただけません。
 出題者の意図を正確に読み取り、自己の知識と経験とを照らし合わせながら、客観的に情報の整理と分析を推し進める必要があります。要するにクリティカル・シンキングが欠かせないということになります。



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