あいつは神経質だから。細やかな気配りができるとも言えるが。

あいつはわがままだから。みんなを引っ張っていけるとも言えるが。

あいつは大雑把だから。おおらかな性格だとも言えるが。

あいつは内気だから。おしとやかだとも言えるが。


嫌いだ。


あいつは理屈臭いから。理路整然と物事を考えられるとも言えるが。

あいつは外面ばかりいいから。社交性があるとも言えるが。

あいつはおっさん臭いから。落ち着いているとも言えるが。

あいつは薄っぺらいから。楽天的だとも言えるが。


嫌いだ。


個性。個性。個性。個性。

個性。

それを個性という。


「心身の障害だって個性なんです」

そんな風に虚飾する。

「障害だって立派な個性なんです」

素晴らしいフレーズ発見とばかりに述べ立てる。


個性なんかじゃあない。

申し訳ないが、個性なんかじゃあない。

この社会コンプレックスの中では。

劣った部分というつもりはない。

けれども。

申し訳ないが、個性なんかじゃあない。

この競争トーナメントの中では。

マイナス点であることは確かだろう。


個性というなら。

有益ですか。

個性というなら。

会社の面接で、

「私は人よりも個性的だと思います。何故なら障害者だからです」と売り込めるかね。

面接官が「それは素晴らしい。是非ウチでその力を発揮して頂きたい」と答えるかね。


「人はあまねく平等なのだ。

だからなんとか障害をプラスイメージで言い換えたい」

完成度の低い言葉遊びに過ぎないよ。


差別などしたくもない。する気もない。

けれども。

誰も言わないなら、言ってやる。

障害を個性と言い張るなら。


神経質な奴とは付き合いたくない、というように。

わがままな奴とは遊びたくない、というように。

大雑把な奴とは組みたくない、というように。

内気な奴とは飯食いたくない、というように。


その障害を理由に接し方を考えるぞ。

障害が鬱陶しい時は罵るぞ。

「お前、理屈っぽいねん、ちょっと黙ってろ」と

吐き捨てるように、だ。


そんなことを口走れば、

差別だと憤るだろう。

個性だとしたら。

非難されることもあるのに、だ。


そういう方法で平等を語るなら、

健常者と同じように扱うぞ。

気持ちよく受け入れられることばかりじゃあない。

それが個性というものだから、な。


キモい。

個性によってはそう呼ばれる。

ウザい。

個性によってはそう呼ばれる。


HEY。

罵倒される準備はいいかい?