産経新聞中国総局記者の福島香織さんのブログ「北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ) 」の記事
チベット暴動の悪夢再び!五輪どころじゃねぇ! 」を読んで。

テレビや新聞が表面的な報道しかしない中、福島香織さんのブログには現地の生の状況が伝えられている。

上記ブログにリンクされていた
【2008年チベット動乱】よく聞かれる質問集
のページも、今回のチベット動乱のことが分かりやすく書かれている。

これまでチベット文化に興味のあったし、来日したダライ・ラマ14世が主張する「チベット自治」にも関心を持っていた。
個人的にはチベットが独立し、ダライ・ラマ14世や他の国に避難したチベット族の人達がチベットに戻れる日がいつか来ることを望んでいた。

ダライ・ラマ14世が「非暴力主義」で運動をしていただけに、今回の暴動は残念でならない。
しかし、それだけチベット族の人達の不満が爆発寸前の状態になっていたのだと容易に推測できる。

超入門 チベット問題
に書かれているように、チベット仏教への抑圧は近年厳しさを増し、漢民族の流入、チベット文化やチベット人のアイデンティティの破壊、人権の抑圧、まさに「民族浄化」という問題が深刻化し、チベット族の不満が蓄積していたからこそ、今回の暴動が発生したことが理解できる。

このようなチベット民族への抑圧、民衆の暴動に対する武力弾圧は、太平洋戦争で日本が中国に対して行った行為と同じではないか。このようなことをする中国政府が過去の日本の侵略行為を責める資格があるのだろうか。

日本が過去に行った「中国をはじめとするアジアへの侵略行為」も責められるべきであるが、チベット民族の暴動に対する武力弾圧やこれまでのチベット民族の「民族浄化」に対しては国際的に非難されてしかるべきであろう。


「民族浄化」は中国だけではない。アメリカにおいても、ネイティブ・アメリカン(インディアン)の人達に対して行われている。ネイティブ・アメリカンの人達は不毛な土地の自治区に押し込められ、子供たちは強制的にキリスト教および英語の教育がされ、ネイティブ・アメリカンの言語および伝統的文化を継承させないようにしている。伝統を失ったネイティブ・アメリカンの人たちは無気力でアル中の人も多いという。


福島香織さんと同じく、中国は平和の祭典である「北京オリンピック」を開催する資格はないと思う!
そして、武力弾圧ではなく、中国政府がダライ・ラマ14世と対話し、「チベット自治」が実現することを願ってやまない。


なお、福島香織さんのブログで、今回の暴動鎮圧の記事に対して「中国脅威→日本軍増強」を唱えるコメントが投稿されていたのが気になった。今、探すと見つからないので削除されたのか?
また、産経ニュース にも「【主張】中国の軍備増強 日本の防衛力は大丈夫か 」が掲載されている。

日本の防衛予算が世界第3位であり、昨年からの防衛省で連続して明らかになっている不祥事のことを知ってなお、こういう主張をするのであろうか。
今朝の 中日新聞 にも「防衛省、裏金問題を放置 石破氏、責任論拡大の恐れ 」という記事が掲載されたが、年間約5兆円もの税金を防衛費に使っているのに、まだ軍備増強が必要だというのだろうか。

「軍事費に税金を使いたい」アメリカ政府や日本政府が言いそうなことである。