災害廃棄物の広域処理について | 愛知県議会議員今井たかよしのブログ

こんにちは 今井たかよし です。


今日は、所属する会派の月2回行われる定例会において、5月11日に開かれる臨時議会に向けて、平成24年度の議会人事についての打ち合わせと、東日本復興へ向けての「災害廃棄物の広域処理」についての勉強会を行いました。

安城市の人事は4月1日からですが、安城市議会の人事は5月11日の臨時議会において決定するため、その調整が数日間続きましたが、安城市議会では昨年(平成23年度)より他会派からの要望で、議長、副議長の決定はオープンでクリアな立候補による選挙を行い、決定する事となった事から、先日4月27日に立候補締め切りがされ、その内容は議長選挙においては2名の立候補者、副議長においては1名のみだったため無投票となる見込みと思います。


さて、本日の会派の定例会には、月初めという事で神谷市長にもご参加いただく慣例から、今日も市長から最近の情勢についていくつかの報告をいただきました。

その中で特に、国が進めて、愛知県が受け入れ表明をしているガレキの広域処理に関して、現在、安城市長が会長を務める愛知県市長会としては、それぞれ各市の判断において考えるという事になっている。安城市においては、単独で焼却施設は持っているが、焼却灰の最終処分場は他市(武豊)へ運んでいるため、当市だけの判断では難しいという事がある。

更に、ガレキの安全性についての保障、地域住民の理解等も十分に確保しなければならない事も含めて、現在、碧海5市(安城、碧南、高浜、知立、刈谷)の市長レベルにおいて、受入については共同歩調を取っていくという事で合意している旨の報告を受けました。


市長の挨拶終了後は、私たち安政会所属の11名の議員は、市の環境部長を招き、先日行われた、国、県が主催した「災害廃棄物受け入れ表明までの経緯」についての説明を資料とともに受け、また、環境省が示す「災害廃棄物の広域処理」について、現状における説明をうけました。


資料による今までの流れを簡単に説明すると、


平成23年4月8日 「環境副大臣通知」廃棄物の受入処理への協力依頼

環境省において広域処理体制の構築に関する調査が実施

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平成23年4月18日 愛知県において県内市町村調査結果取りまとめ(※29市町・15万トン)回答

※この時、安城市は受け入れを表明していました。

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平成23年5月16日 国において東日本大震災に係る災害廃棄物の処理指針(マスタープラン)作成

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平成23年6月3日 愛知県 災害廃棄物に関する情報連絡会(各市町村、一部事務組合)

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平成23年8月11日 東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドラインを作成

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平成23年8月30日 平成23年3月11日発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法公布・一部施行

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平成23年10月4日 災害廃棄物の広域処理推進会議の開催(全国の自治体へ広域処理協力要請)

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平成23年10月7日 環境省において災害廃棄物の受入検討状況調査を実施

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平成23年10月13日 愛知県 災害廃棄物に関する情報連絡会(各市町村、一部事務組合)

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平成23年10月25日 愛知県 県内取りまとめ結果を回答(受入実施または、検討中の市町村はなし)

愛知県は、「東日本大震災の災害廃棄物広域処理に関する質問書」を環境大臣に提出

http://www.pref.aichi.jp/0000045888.html

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平成23年11月21日 国による愛知県からの「質問書(10月25日)に対する回答」を受ける。

http://www.pref.aichi.jp/0000046647.html

http://www.pref.aichi.jp/0000046612.html

愛知県は「質問書に対する回答」に係る意見を市町村等へ照会する。

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平成23年12月20日 愛知県は「東日本大震災の災害廃棄物広域処理に関する要請・質問書」を環境大臣に提出

http://www.pref.aichi.jp/0000047480.html

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平成24年1月1日 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法の完全施行、同法施行令、同法施行規則を施行

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平成24年3月5日 国による愛知県からの「質問書(平成23年12月20日)に対する回答」を受ける。

愛知県は「質問書に対する回答」に係る意見を市町村等に照会する。

http://www.pref.aichi.jp/0000049294.html

http://www.pref.aichi.jp/0000049296.html

http://www.pref.aichi.jp/0000049187.html

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平成24年3月16日 内閣総理大臣、環境大臣名で、「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法第6条第1項に基づく広域的な協力の要請」あり

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平成24年3月21日、22日 愛知県知事から国(内閣府、環境省)に対し、「災害廃棄物の最終処分場・焼却施設の整備に係る要望書」を提出

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平成24年3月24日 愛知県知事が名古屋港南5区2工区を災害廃棄物の受入候補地として、廃棄物の仮置き場、焼却施設、最終処分場の設置を検討する旨を表明

http://www.pref.aichi.jp/0000049786.html

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平成24年4月5日 名古屋港南5区2工区、中部電力(株)碧南火力発電所最終処分場、トヨタ自動車(株)田原最終処分場の3か所を災害廃棄物の受入候補地とし、受入に関する検討調査費を専決処分により予算確保する旨を記者発表(3月16日の国による「広域的な協力の要請」に対し、災害廃棄物の受入を表明する旨を表明)

http://www.pref.aichi.jp/0000050102.html

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愛知県においてガレキ受入に向けた庁内プロジェクトチームを設置

http://www.pref.aichi.jp/0000045888.html


となっていた。(一部補足)


その後、環境省→http://www.env.go.jp/ の資料に基づく、安全性についての説明では、対象となる福島県を除く岩手県及び、宮城県の沿岸部の空間放射線量は、福島第一原発から100~250キロ以上離れており、空間放射線量は他の地域と同等との事。そこで、発生した災害廃棄物の放射能濃度は不検出または、微量であるとの事。


可燃物は(放射性Csセシウム濃度240-480ベクレルBq/Kg以下)が焼却処分対象、焼却灰は(8000Bq/Kg以下)を管理型最終処分場で埋め立て対象とするとの事。


可燃物の処理の安全性の確保として、8000Bq/Kgの焼却灰を埋め立て処分した場合

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最も影響を受けやすい作業員の被ばく線量は、0,78シーベルトmSv/年(1日8時間、年間250日の労働時間のうち半分の時間を焼却灰のそばで作業)との事。

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埋め立て後の周辺住民の被ばく線量は、0,01シーベルトmSv/年以下(埋立処分場の跡地で居住しないなどの利用条件)でした。



ちなみに、安城市では最終処分場を持たないため、受入及び焼却に関しての状況はどうなるかというと?

仮に絶対的に安全基準等を満たした物を安城市が受け入れをすると仮定すると、受け入れる量はどのくらいになるのか?

という質問に対しては、現在安城市単独の焼却施設では、年間約4万8千トンの可燃ごみの焼却をしているが、ピーク時(平成18年)には、年間6万トンの量を処理した実績もある事から、余裕を持って受け入れる規模は、2500トンから、3000トン程度と考えている。との事。


更に、2500トンから3000トンの量を焼却した場合、灰になる量はどのくらいか?

という質問に対して、概ね13%くらいで、400トン前後になるとの見込みである。

※参考に

岩手県の災害廃棄物量は、約476万トン(うち広域処理希望量は、57万トン)

宮城県の災害廃棄物量は、約1,569万トン(うち広域処理希望量は、344万トン)



昨年、7月に私自身被災地の現状を視察に行かせてもらったが、ガレキの多さに驚いた事を思い出す。

しかも、被災地の方々は、そのガレキを見るだけで、当時の記憶を思い出すのだろうと思うと、胸が痛むのは、私だけではないでしょう。

今回の、勉強会を通じて、改めて微力でもガレキの広域処理が必要な事を感じた。

もちろん、本来であれば、わざわざ東北のガレキを愛知県に持ってくるなんて、運送だけでも大変だし、安全基準や風評被害の問題もきちんとクリアしなければいけないと思うと、理想を言えば、被災地で仮設処理場をたくさん作って済めば、それがいいんじゃないかと思ってみたが、単純に量や、お金の問題だけではなく、日本人として本当の被災地支援とはなにかと考えれば、やはり、お金や、物資だけではなく、真剣にガレキの受入を考えなければいけないと感じている。

また今日午後に、碧南市の市議会議員さんと話す機会があり、昭和35年、この地域でも伊勢湾台風に襲われた時に、碧南市のガレキを宮城県石巻市で受け入れていただいたという話を聞いた。


国が被災地の一日でも早い復興を目指して責任を持って広域処理を進めている。

それを受けて愛知県が日本人として大きな責任を全うしようとしている。

他人ごとではない事を痛感している。


私の所属する会派を含め、私自身、今後も、しっかりと国、県の動向を見ながら、国、県との共同歩調でもって、住民の方々や支援者の方々の理解を得ながら「災害廃棄物の広域処理」の問題を前向きに考えていきたいと思っています。