去年補給艦「ましゅう」の見学に室蘭まで行った。
それはそれは大きな艦であった。
以下産経ニュースより転載
海上自衛隊の護衛艦が最大限に能力を発揮するには補給艦のサポートが欠かせない。
特に長期の航海や艦隊行動を遂行するには、武器・弾薬、燃料、食糧、船体の補修部品などが絶えず供給される必要がある。
洋上での補給は、補給艦が補給を受ける艦船が併走しながら行う。燃料や水などの液体はパイプを直結して供給する。
海自の補給艦には、「とわだ」型と「ましゅう」型補給艦の2種類がある。とわだ型は「とわだ」「ときわ」「はまな」の3隻、後継のましゅう型は「ましゅう」と「おうみ」の2隻で、計5隻で海自全体の補給を担っている。
とわだ型は昭和62年から就役。補給ステーションは片舷に3カ所ずつ、計6カ所に設けられている。
前部と後部の4カ所が燃料の給油用で、中央の2カ所が物資用になっている。
給油はコンピューターで制御され、1分間に11キロリットルの燃料を送ることが可能。
総合的な補給能力は汎用護衛艦4~5隻分といわれている。
平成16年から配備されたましゅう型は、とわだ型の拡大改良版といえる。
船体221メートル、幅27メートル、基準排水量1万3500トンを誇り、全通甲板を採用した護衛艦「ひゅうが」が就役するまで海自最大の艦船だった。艦橋は7層で自衛艦で最多だ。
補給能力も格段に向上し、凡用護衛艦約9隻分を補給可能とされる。
とわだ型にもヘリパッドはあるが、ましゅう型には格納庫として利用できるスペースも追加。
大型ヘリ「MH53E」をはじめとする各種ヘリの本格運用ができるようになり、ヘリによる輸送能力が大幅に改善された。
最大速度もとわだ型の22ノット(時速約40キロメートル)から24ノット(同約44キロメートル)に上がっている。
海自幹部は「補給対象の護衛艦の能力向上に合わせ、補給艦の性能も改善する必要があった」と説明する。
補給艦は、海自の艦船にととまらず他国軍への供給を実施することもある。
米中枢同時テロをきっかけに成立したテロ対策特別措置法に基づき、インド洋で各国海軍の艦船に燃料を給油した実績もある。
3月には新たな安全保障関連法が施行され、米軍などに燃料や弾薬などの後方支援が可能になることから、その主力となる補給艦の任務はさらに重要性を増す。
一方で、補給艦の不足を懸念する声もある。防衛省の装備調達計画である中期防衛力整備計画(中期防)では、護衛艦の増強はうたわれているが、補給艦を増やす予定はない。
軍事において「補給」の重要性は言及するまでもないが、現在の5隻態勢のままでは「海自の作戦でさえ支障をきたしかねない」(海自幹部)のが現実だ。
(政治部 石鍋圭)
(産経ニュース)
補給艦の通路はとにかく広い、よく海軍の挙手の敬礼は狭い艦艇の中で敬礼するから肘を張らないというが、補給艦ならそんな心配はいらない。
それはフォークリフトを通路を走らせるために広く作られているからだ。
船倉の中はバスケットボールくらい余裕で出来るくらい広い。
こういう補給艦があったればこそ長期の活動が出来るのである。
弾薬や食糧などの物資は、ロープやトロリを使用して運ぶ。どちらも高い操船技術を要する。