これまで私は近藤誠と長尾和宏、両者の著作を読みながら、どちらの主張が正しいのかを考察し続けてきました。そしてあるときは近藤誠に軍配を上げ、またあるときは長尾和宏に軍配を上げたりと、それのくり返しの日々でした。
しかし、先日読んだ長尾和宏の著作【長尾先生、近藤誠理論はどこが間違っているのですか?】によって、ようやく最終決着がつくこととなりました。いやはや、長い闘いの日々でした。
長尾和宏の本を読むのはこれで3冊目なのですが、相変わらず説得力がハンパないです。近藤信者としてはぐうの音も出ないというやつでしょう。
結論からいいますと、勝者は長尾和宏のほうです。具体例をあげ出すとキリがないので、詳しいことは長尾和宏の著書を読んで確認してください。
が、私がこれまで信用してきた近藤誠の敗北を認めた最大の理由は、実は長尾和宏の論破ではないのです。
それまでの私は近藤誠のガン放置療法のことを、ファスティングによる自然治癒力と同じようなものなのだろうなと思い続けていたのです。
薬は毒、医師を殺人鬼呼ばわりし、ファスティング伝道者・船瀬俊介の本にも名前が出てくるので、そうしたイメージを持ってしまっていたのです。
しかし、よく調べてみると、どうやらそういうわけではないようなのです。
近藤誠の掲げるガン放置療法を簡単に説明します。
ガンには本物のガンとがんもどきの2種類があり、がんもどきはほうっておいても治るが、本物のガンはなにをやっても治らない。だからあきらめて放置するのがベスト。
━━ある有名なファスティング指導者は、ファスティングによってガンも治るといいます。私は【朝食を抜く】━━たったのこれだけでヤシの実型肥満、便秘、慢性的な気分の悪さ、寝ているときの呼吸困難、これらが一瞬で治ってしまったという経験を持っているので、『ファスティングでガンも治る』という言葉は信用しています。
そして私は近藤誠のガン放置療法とは、そのファスティングによる自然治癒と同じようなものなのだとばかり思い続けていたのです。ファスティングはとにかく食べることをやめ、体の中に眠る自然治癒力を呼び起こし、それで病気をやっつけるというものです。手術などもなにもしません。これも一種の放置療法です。くり返しますが、ガン放置療法もそのようなものなのだと思っていたのです。
しかし、ガン放置療法とは、【本物のガンはなにをやっても治らないから放置しろ】というものだったようなのです……。この事実を知った瞬間、ガン放置療法への信用は崩壊しました。
さらに近藤誠は『断食は健康に悪い』といっている人なのです。私はこれで完全にガン放置療法とは袂をわかちました。
しかし、『薬は毒であり、医師は殺人鬼であり、病院は金儲けのことしか考えていないから行くな』という基本的なスタンスはまちがってはいないので、【正義の医師・近藤誠】としては尊敬しています。
- 長尾先生、「近藤誠理論」のどこが間違っているのですか?/長尾 和宏
- ¥1,404
- Amazon.co.jp