瀬戸内寂聴の暴論 | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

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混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

 先日放送されたAKB48の特別ゴールデン番組『なるほどハイスクール』。その中でAKBのメンバーたちがドラム缶でプリンを作る実験をしたりしていた。

 

 
 大量のプリンといえば、アニメ『少年アシベ』のとあるワンシーンを思い出してしまう。

 

 
 アシベの父ちゃんは大富豪の御曹司なのだが子供の頃、父親に誕生日プレゼントとして“プールプリン”というものをお願いしたらしい。プールプリンとは自宅の中のプールをプリンでいっぱいにしたものだ。それを少年時代の父ちゃんは泳ぎながら全部たいらげたという……。

 

 
 そんな思い出を頭に蘇らせた『なるほどハイスクール』の第1回目なのだが、番組の最後はなるほどハイスクールの校長という設定になっているらしい瀬戸内寂聴による恋愛講座がおこなわれた。

 

 
 瀬戸内寂聴━━名前だけはずっと以前から知っていたが、はっきりいって、どんな思想の持ち主なのか?どんな内容の本を発表した人なのか?講演などでどんなことを語っている人なのか?詳しいことはまったく知らない。しかし、残念ながら瀬戸内寂聴は、たいしたことをいわない人なようである。

 

 
 AKBが恋愛禁止であることは有名だ。そのことに疑問を感じるらしい瀬戸内寂聴はAKBのメンバーたちにこのようなことをいったという。

 

 
 『恋愛禁止?そんな規則破ってもっと恋をしなさい!』

 
 『恋をしなければ恋の歌なんてうたえないでしょう?』

 

 
 ……瀬戸内寂聴のこの言葉は暴論以外のなにものでもない。瀬戸内寂聴はよけいなことをいってくれる人である。

 

 
 男のファンが女性アイドルに対して持つ究極の夢は“結婚”である。様々な異論はあると思うが、最大最高の究極の夢となると、最終的には“結婚がしたい”という感情にたどり着くと思われる。

 

 
 テレビの中で活躍する別世界のアイドルスターとの結婚━━夢のまた夢以外のなにものでもない話かもしれないが、可能性が0%でない以上、世の男のファンたちは女性アイドルとの結婚を目指してテレビを見、歌を聴き、コンサート会場に足を運んだりして応援し続けているのだ。

 

 
 そんな憧れの女性アイドルが恋愛をしていてカレシがいたとしたらどうだろうか?その女性アイドルの人気は一瞬のうちに崩壊するだろう。

 

 
 『カレシがいても別にいい。変わらず応援し続けるさ』━━中にはこうした男のファンもいるかもしれないが、あくまで少数なはずである。

 

 
 たとえば大島優子ちゃんに男のファンが100人いたとする。そして大島優子ちゃんにカレシがいることが発覚したとする。その瞬間、100人のうち80人以上のファンの熱が一気に冷めると思われる。これは賭けてもいい。

 

 
 女性アイドルにとって、特に10代の女性アイドルにとって“カレシの存在”は命取りであり、人気を維持し続けるためにも恋愛は御法度なのだ。

 

 
 もっといってしまえば、AKBのメンバー数十人全員にカレシがいたとしたらどうだろうか?果たしてそんなアイドルグループのファンになる男などいるだろうか?一部の物好きな男たちがファンにつくくらいで、そんなアイドルグループの人気など1ヶ月ともたないだろう。

 

 
 瀬戸内寂聴はAKBのメンバーたちに『恋愛をしなさい!』とアドバイスしたらしいが、瀬戸内寂聴のそのアドバイスは今書いたような最悪の事態をもたらす危険性のある論外の暴論なのである。

 

 
 また、もうひとつの発言。

 

 
 『恋をしなければ恋の歌なんてうたえないでしょう?』
━━というもの。なんとなく一理あるような気もする。しかしそれは━━“AKBのファンが女性だけだったならば”━━の話だ。

 

 
 女性アイドルには男のファンだけでなく、もちろん女性のファンも多くついている。

 

 
 女性ファンが女性アイドルに対して持つ感情はシンプルに“憧れ”のみだ。自分も華やかなステージでうたったりして脚光を浴びたい━━そうした憧れの感情のみである。その憧れの対象である女性アイドルが恋愛してしようとカレシがいようと、女性ファンの心に不快感も嫉妬心もなにも湧くことはなく、それもまた『自分もそんな素敵な恋がしてみたい』という憧れの対象となるのだ。

 

 
 もしもAKBのファンが女性だけだったならば、AKBのメンバーたちはどんどん恋をするべきだろう。AKBの歌のテーマは恋に関するものばかりであり、歌や表現にいっそうリアル感が出るからだ。

 

 
 が……AKBのファンは女性だけではない。というか、女性のファンよりも圧倒的に男のファンのほうが多い。人気を維持するためにも、男のファンの夢を奪わないためにも、AKBをはじめとする女性アイドルたちの恋愛は厳禁にしなくてはならないのだ。

 

 
 『恋愛禁止?そんな規則破ってもっと恋をしなさい!』━━瀬戸内寂聴のこの言葉。これは異性との交際が禁じられている超お嬢様学校に通っているような女の子たちに対して向けるべき言葉である。

 

 
 最後にひとつ。瀬戸内寂聴は番組の中でこのようなこともいったりしていた。

 

 
 『年をとってからの心の傷は治りにくいけど、若い頃の傷はすぐに治るから。失敗を恐れずに恋愛をしなさい』

 

 
 ……これは極論もはなはだしい。あまりいい加減なことはいわないでもらいたい。

 

 
 若い頃の失恋による傷はすぐに治る?たった1度の失恋が原因で自殺する若者などいくらでもいる。

 

 
 瀬戸内寂聴がいうように、たしかに恋とは天災のようなものだ。いつどこではじまり、どのような結末になるか誰にもわかりはしない。よって盲目的になる可能性が高いといえる。しかし個人的には冷静に慎重に相手を選び、失敗に終わっても傷が浅くて済むように常に最悪の事態を想定しながら恋愛をすべきだと思う。

 

 

 10代の人たちにはかなり難しいことかもしれないが、それほどに恋というものには恐ろしい魔物が潜んでいるということなのだ。けっして瀬戸内寂聴が進めるような、その場その場の勢いに任せた適当な恋愛はしないでもらいたい。

 

 

 

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