小林よしのり(よしりん)の誤解 | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

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混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

 私が尊敬するギャグ漫画家に小林よしのり、通称よしりんという人がいる。

 

 
 代表作はいわずと知れた『おぼっちゃまくん』であり、“ともだちんこ”“いいなけつ”“こんにちわわ”といった茶魔語は当時、友達の間でも大流行したものだった。

 

 
 そんな茶魔語の中で私が最も気に入っているのが━━“ココア(ここは)どこ?和菓子(わたし)はだあれ?”━━というものなのだ。

 

 
 ココア(ここは)どこ?和菓子(わたし)はだあれ?━━これは人類史に残る奇跡の名言といっていいだろう。

 

 
 すごいへこんでいるとき、メチャクチャへこんでいるとき、この茶魔語を思い出すだけで『ププッ、くっだらねぇっ』という吹き出しとともに生きるエネルギーが湧いてこないだろうか?よしりんとは世の苦悩の人々をくだらないダジャレによって救済し続けてきた偉大なるお方なのである。

 

 
 そんな崇敬するよしりんではあるのだが、私はかつて1度だけよしりんのとある言動に対して激しい疑念と怒りを抱いたことがあるのである。

 

 
 それは数年前……いや、もしかすると10数年前の事件になるのかもしれない。当時、ヨーロッパを旅行していた5人くらいの日本人女子大生たちが、ふたり組のイラン人強姦魔に誘拐・監禁されて凌辱を受けた事件である。その事件の概要を耳にしたよしりんは激しい疑問を抱いたらしく、凌辱された日本人女子大生たちに対して━━『やられたんじゃなく、やらせたんじゃないのか?』と意義を唱えたのである。

 

 
 事件の概要はこのようなものだった。日本人女子大生たちはとある部屋に監禁され、全裸にされて横一列に寝かされた。その間、日本人女子大生たちは手足をなにかで縛られたりしていたわけではなかったらしい。そしてふたり組のイラン人強姦魔たちはひとりが部屋の外で見張り、ひとりが日本刀を片手に脅しながらひとりひとり凌辱していったという。

 

 
 この話を耳にしたよしりんはこう感じたらしいのだ。ひとりが凌辱されている間にほかの人が立ち上がり、凌辱に夢中のイラン人強姦魔の股間を蹴り飛ばせば助かったんではないのか?と。

 

 
 たしかに、なんとなく筋がとおっているように思われるかもしれない。日本人女子大生たちは手足のほうは自由だったわけだし……。が、これはよしりんの単純すぎる推測、誤解もいいところの誤解である。

 

 
 状況を想像してみればわかることだ。異国の地で突然見知らぬ男たちに誘拐・監禁された時点で頭は完全にパニックに陥り、冷静な思考など停止してしまうことはまちがいないだろう。それも相手はひとりとはいえ日本刀を持っただいの男である。強烈な恐怖心のあまり全身が硬直してなにもできなくなるのが普通だろう。ひとりが凌辱されている間にそっと立ち上がり、気づかれないように忍び足で近づいて強姦魔の股間を蹴るなど、そんな大胆かつ冷静な勇気ある行動をとれる女性のほうが珍しいはずである。

 

 
 そもそも立ち上がることができたとしても、歩くことができたとしても、強姦魔に立ち上がって接近したことに気づかれたら一巻の終わりである。『てめぇ、なに立ち上がってんだこのやろう!』となるだろう。

 

 
 さらにだ。ものを蹴るという行為に慣れていない女性が極上の恐怖感と緊張感の中、日本刀を持った恐ろしい強姦魔の股間めがけて正確にキックなど果たしてできるのだろうか?キックが空振に終わってしまった場合は?またはキックが股間以外のダメージを与えられない個所に当たってしまったら?その場合もやはり強姦魔に『てめぇ、勝手に立ち上がってなにしてんだこのやろう!』となられて一巻の終わりなはずである。こうした展開を想像すれば全身が恐怖に完全に畏縮してしまい、なんの抵抗もできなくなるのは論を待たないだろう。よって凌辱された日本人女子大生たちの無抵抗は当然のことである。

 

 
 そこまで深く考えずに被害者の女子大生たちを非難したよしりんには憤りを抱かずにいられない。想像を絶する恐怖の中、地獄を見た女子大生たちの悔しさをなんとたとえればいいのか私には言葉が見つからない……。

 

 
 ……しかし、それから10年くらいが経過した。よしりんほどの頭のいい人である。当時の自分の推測に強引な点、無理な点、非論理的な点がいくつかあったのではないだろうか?といった反省を少なからずしていると思われる。そう期待したい……。

 

 

 

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