父は今年4月に89歳になりました。

82歳まで、現在のコテージガーデンが建っている土地で畑を作っていました。

自分の健康のために、そして野菜の収穫で母が喜ぶ顔を見たくて。

私が現在,猿や鹿からガーデンを守るために悪戦苦闘しているように、父も相当苦労していました。

畑の収穫物は、家族の食卓を潤し、家族の笑顔を増やし、

それを見てまた頑張る張り合いとしていたようです。

しかし、寄る年波には勝てず、気力も衰え、ついに断念・・・・・・・。




5年前に早期退職。、子供の頃からたくさんの花に囲まれて生活することを

憧れていた私の夢は、父が野菜を作っていたこの地で叶うことになりました。

造園に当たり、隣地との境界に父が苗を手植えしたモミジが、大きくなって邪魔になりました。

父は、「切ってしまいなさい。」と言いました。私も賛成でした。

枝を広げ、庭に大きな陰を作るのが、嫌だったのです。




外構業の方にそのように伝え、まもなく切る事が決まったとき、紅葉が始まりました。

真っ赤に、それはそれは美しく。 モミジからメッセージかのようでした。



「お願い、切らないで。必ず、春の新緑から秋の紅葉まで楽しませてあげるから。」




現在の場所に移植するには、予想を越える出費でした。でも、残して良かったと、今は思います。








見てください。この色のコントラストを。

隣地は杉林。モミジの明るいグリーンが深緑の手前にあることで奥行き感を出し、

その手前のバラの緑葉や花色をソフトに浮き上がらせます。

もし、モミジがなかったら、これほどに美しい光景は出来なかったと思います。

ほら、どこから見ても、モミジがバックに入ってきれいでしょう。



    

左: 手前にグラミス・キャッスル 後ろにはピンク・サクリーナやシャンテ・ロゼ・ミサト
右: 手前にシャンテ・ロゼ・ミサト 後方レオナルド・ダ・ヴィンチ、羽衣  今見頃です。




    
左:クレマチス・ヴィチセラ・パゴダ(だったとおもうのですが?)
右:手前アイズ・フォー・ユー 後方はレオナルド・ダ・ヴィンチ




上のどの写真にも、モミジがしっかり、ちゃかり収まっています。





      
上のクレマチスをクローズ・アップ 下からも覗いてしまいました。




    

こちらは、シャンテ・ロゼ・ミサト。早い時期から蕾をたくさんつけました。でも、大部分が
雨のためにボールになり・・・・・・・・・、まともな開花は、今季初めてです。




モミジからのメッセージ通り、まだ花の少ない春の庭ではソフト・グリーンの新芽が庭を彩ります。

初夏はバラを引き立て、コーヒーラウンジから見る庭の景色をゲストに楽しませてくれます。







秋はもちろん紅葉。冬は雪の綿帽子を被り、白く化粧した姿も美しい。








そして、何よりも父の手植えのモミジが、いつまでもいつまでも庭を守ってくれることの安心感。

大切な大切な財産になりました。