朝日新聞にのっている記事ですが

 

盛岡~新青森、320㎞/h解禁へ 整備新幹線区間、JR東が防音工事

 

 

2019.01.14 05:00 朝日新聞

設計上の最高速度が一律時速260㎞/hに抑えられている整備新幹線区間の中で、

JR東日本は東北新幹線の区間(盛岡~新青森)について騒音対策を施し、

320㎞/h運転を実現する方針を固めた。

全国五つの整備新幹線で最高速度の引き上げは初めて。

東京―新函館北斗は現在最短で4時間2分だが、10分以上短縮して「4時間の壁」を大きく切り、

ライバルの航空機との競争力を高める狙いだ。

 

 ■東京~函館3時間50分めざす

 新幹線はデビュー以来、進化を続けている。

1964年の東海道新幹線開業時、初代「0系」の最高速度は210㎞/hだったが、

92年の「のぞみ」登場で270㎞/hにアップ。

現在の主力車両の最高速度は東北新幹線「E5系」が320㎞/h、山陽新幹線「N700系」が300㎞/hだ。

 だが、整備新幹線の区間については73年の整備計画に基づき260㎞/hに統一。

それに合わせた騒音対策しか施されていない。

このためE5系は宇都宮~盛岡では320㎞/hで走っているが、

盛岡~新青森など整備新幹線区間では最高速度を抑える必要があった。

 一方で、2016年春に開業した北海道新幹線は利用客が低迷、17年度は98億円の営業赤字を計上した。

JR東日本は巻き返しには高速化が欠かせないと判断。

30年度の札幌延伸時までに360㎞/h運転実現をめざした車両開発に加え、整備新幹線区間の

速度向上にも乗り出すことにした。

約200億円を投じ、防音壁のかさ上げや吸音板の設置などを進め、おおむね5年以内の完成をめざす。

 関係者によると、盛岡~新青森間で320㎞/hが実現すれば所要時間は6分縮まる。

青函トンネルの速度アップなどと合わせ、東京~新函館北斗間を3時間50分前後にすることをめざす。

 一般的に、所要時間が4時間を切れば、航空機より新幹線の利用が多くなるとされる。

北海道内も含めた整備新幹線区間の320㎞/h運転などさらなるスピードアップが実現すれば、

約5時間とされる東京~札幌間も約4時間半に縮めることが可能という。

 JR関係者は「航空の羽田~新千歳線は旅客数が国内で最も多い路線。

その一部でも新幹線が食い込めれば」と期待する。(細沢礼輝)