今回の、日米首脳会談は成功だったのだろうか?


 唯一、成功したと言えるのはオバマ大統領の口から直接、尖閣問題に対して日米安保の範囲内だと言う言葉を引き出しただけではなかったのか。確かに、その言葉を引き出したことは、対中国にはインパクトを与えたと言えるだろう。


 しかし、そのことで米国は日本に貸しを作り、その代償にTPPの大幅譲歩を迫ると言うことになっているのだ。全体の詳しい中身はわからないが、漏れ出てくる内容から、豚肉の関税を大幅に下げるよう迫られている。


 豚肉は、そのひとつであって、他も交渉していることは、容易に想像できる。牛肉にしても、ブランド牛として競争力あるから生き残る等と言うが、生き残るのはブランド力のある牛肉を生産している畜産農家だけと言う意味である。


 何よりも考えておかなくてはならないことは、食糧は国家の生命であり武器であると言うことだ。中国を見れば、中国国内の土壌汚染、水不足、土地の砂漠化、無計画な近代化での農地の転用で、農作物の生産は頭打ち状態にある中、なりふり構わず、13億の中国人の胃袋を満たすために他国の領土を侵略しようとしているのである。


 世界の人口が増える中、将来の食糧不足が明らかに現実のものとなりつつある。TPPも日本が生き残る戦略かもしれないが、日本の将来の命綱とも言う食料を売り渡してまで今の贅沢な暮らしを維持しようとは思わない、日本の子供たちが飢餓におびえることなく安心して暮らせる日本を残すのが、今を生きる私達大人の責任ではないだろうか。


 今後、日本がTPPなどで交渉力を発揮して国益を守るには、やはり米国の核の傘から出ていかなくては、一歩も前進できない。そのためには、集団的自衛権の見直し、憲法改正、軍備の増強で、他国の侵略から独自に自国を護れる力を持った日本にしなければならない。それがとりもなおさず、他国が戦争を仕掛ければ大打撃をこうむると思わせる抑止力のある日本、発言力のある日本になるのである。