大学関連事件簿7

~有効率56.3%の金沢大カフェイン療法生存率が、論文では100%、HPでは93%


東京地方裁判所平成26年(ワ)第22761号事件

原告 :小川和宏(金沢大学医学系准教授)

被告1:国(厚生労働省)

被告2:N(漏洩時、先進医療専門官。現国立O大学病院循環器内科)

次回期日:平成27年9月18日(金)午後1時15分、709号法廷


小川准教授基本情報ページ、右上の「社会貢献実績」クリック
http://ridb.kanazawa-u.ac.jp/public/detail.php?kaken=30344659



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金沢大学整形外科ホームページ(通報直前の20139月下旬。左上)より

「当科ではカフェイン併用化学療法(カフェインを用いた抗癌剤治療)を行うことにより他の施設に比べ高い治療成績を得ています。

 金沢大学では1989年よりカフェイン併用化学療法を行っており、(中略)骨肉腫に限ると、初診時に肺転移が存在していない症例の5年生存率は93%(全国的には6070%)であり、非常に良好な治療成績を得ています。このように悪性腫瘍の治療において高い生存率を得ることがカフェインの最大の特徴といえます。」



T教授らの論文(J. Orthop. Sci., 14, 253-258 (2009))より

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19499290

The study involved 22 American Joint Committee on Cancer (AJCC) stage IIB high-grade osteosarcoma patients treated with caffeine-potentiated chemotherapy.

原告訳:「この研究は、カフェイン増強化学療法を受けた、AJCCステージIIB高悪性度骨肉腫の患者22名を含んでいた。」

(中略)

The median follow-up period in all patients was 72 months. Event-free survival was 76%, and overall survival was 100%.

原告訳:「全患者のフォローアップ期間の中央値は72ヶ月であった。無症候生存率は76%、全生存率は100%であった。」



『医療維新』201565日記事

「金沢大、先進医療全停止相当と見解、厚労省~カフェイン併用療法めぐり、有効性過大報告などの問題」より

https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/327810/

201311月には、金沢大学付属病院整形外科教授のT氏が、内閣府の規制改革会議の公開ディスカッションに参加し、(中略)「われわれは非常に有効性の高い療法を開発し、治療を進歩させてきた」などと強調していた(内閣府のホームページを参照)しかし、問題発覚後に同病院でデータを精査した結果、有効率は、悪性骨腫瘍に対しては56.3%、悪性軟部腫瘍に対して50%にとどまった。論文として発表はされていない。

恣意的な患者出し入れ指摘

 この日の先進医療会議では、金沢大学理事のYK(原告注:学長の氏名)T教授が参加して・・・」

(原告注:T教授らの生存率100%の論文は?(学長とT教授参加なのに)右上は内閣府HPからの抜粋)



『朝日新聞』2014.6.11記事

「ノバルティス元社員逮捕~論文不正 薬事法違反の疑い」

「高血圧治療薬ディオバンに関する臨床研究の論文にデータ不正があった事件で、東京地検特捜部は11日、京都府立医大の論文データを不正に操作したとし て、同社元社員のSN容疑者(63)=神戸市=を薬事法違反(誇大広告など)の疑いで逮捕し、発表した。」