森・濱田松本法律事務所所属 下記オリンパス8名弁護団が、オリンパスと執行役員事業本部長の代理人として最高裁へ上告している上告理由書

尚、上告理由書の下線は、オリパス側が引いているものです。

高谷知佐子弁護士 宮谷隆弁護士 南部恵一弁護士 森田茉莉子弁護士 辰野嘉則弁護士 飯田耕一郎弁護士 大野志保弁護士 山内洋嗣弁護士

この上告理由書は、特に「オリパス社員」に読んでもらいたいと思っています。ここに記されていることが、オリンパス現経営者の本音という事実ですから。更に、オリンパス社員だかれこそ、「えーーー。。。?社長は、まだそんな意識だったのか・・・・?」などなど、現経営者が全く変わっていないことが、色々な側面ではっきりとわかるのではないかと思います。

オリンパスが東京高裁(鈴木健太裁判長)から、コンプライアンスヘルプライン内部通報制度が機能していなかった(守秘義務違反、通報者への不利益扱い違反など)などの指摘を受け、控訴審敗訴したオリンパスと執行役員事業本部長。

更に、オリンパス損失隠し・粉飾決算事件発覚後、第三者委員会(甲斐中辰夫委員長)の「閉鎖的な企業風土、オリンパス経営の中枢が腐り周辺も汚染されていた、コンプライアンスヘルプライン内部通報制度拡充に当時コンプライアンス担当役員が猛反対、そしてオリンパス内部通報制度が機能していなかった」などの、報告・提言を受けた後においても、最高裁への上告を続けるオリンパス現経営陣。

オリンパスに対しての、東京高裁(鈴木健太裁判長)判決・判断と第三者委員会(甲斐中辰夫委員長)報告・提言は、その基本的指摘部分は大筋一致していると思います。にも関わらず、東京高裁判決・判断は徹底的に批判し最高裁で闘いを続けている事実、かたや、第三者委員会報告・提言は厳粛に受け止め経営に反映させるなどとし頭を下げている社長の大矛盾はどこから来るのでしょうか?

東京高裁判決(平成23年8月31日)とオリンパス第三者委員会報告(平成23年12月6日)は、オリンパス欠陥内部通報制度を指弾するという、明らかな事実にもとづく共通点があります。更に、経営者は、そういう指摘が、裁判所、第三者委員会の厳しい批判を受ける以前に、私という一社員から問題提起された時点においても、「内部通報制度が健全に機能しているかどうかの点検と秘守義務違反や組織ぐるみのパワハラに及んだことに対しての是正」を直ちに行うのが「筋」ではないかと思います。

私は、この上告理由書を読むたびに、現経営者に対して、憤りを超えて、更に、更に呆れ果てます。特に、「過ちの是正」、「真摯な受け止めと有言実行」の完全欠如。そして、この裁判をオリンパス社員へ、徹底した隠蔽を貫いている、物言えぬオリンパス企業風土の継続状況。オリンパス労働組合も、会社と一体となって何ら説明をしない、「公開裁判、それも、オリンパスが敗訴しての最高裁上告審ステージ」という、「公開にて行うという裁判の原則」状況にあっても、それでも「隠す」姿勢、欠陥内部通報制度をそのまま運用している事実。

これらの事実を客観的に見ただけでも、「現経営者は、オリンパスを現場で支える、オリンパス社員をバカにしている状況はなにも変わっていない」と思う。そうでなければ、「オリンパスコンプライアンス内部通報告発漏れ、制裁人事・人権侵害事件裁判」については、少なくとも、オリンパス社員には、正々堂々と説明するはずでしょう。内部通報・相談制度は、オリンパス社員のいつも身近にある制度なのですから。

この最高裁上告審に対してのオリンパス社長が「隠蔽せずに公開するか」、「おとなの対応ができるか」が、社長率いる、現在のオリンパス経営者の「思惑」のバロメーターとなるのは、間違いないと思います。

東京高裁判断・判決を、「企業の正当な業務行為を違法とするものであって、営業の自由の侵害」などと痛烈に批判する前に、オリンパス 社長は、「損失隠し違法」による、醜態と世界への大迷惑とオリンパスブランドの信用と名誉を取り返しのつかない最悪のレベルまで失墜させた事実、そしてそれを引起した大きな要因が、「オリンパスの物言えぬ企業風土とその陰湿閉鎖的企業風土とつながっているオリンパス大欠陥内部通報制度・内部統制システム」をもう一度「心の底から」真剣に見つめなおして欲しい。

私の裁判を、労組と一緒になってオリンパス社員に隠蔽している事実と同じように、他にも、世間に隠蔽していることはないか?経営陣自らの足元を、「もう一度しっかり見よ!」と言いたい。

オリンパス上告理由書 4P~6Pを添付致します。


$オリンパス現役社員のブログ 「公益通報者が守られる社会を!ネットワーク」-1

$オリンパス現役社員のブログ 「公益通報者が守られる社会を!ネットワーク」-2

$オリンパス現役社員のブログ 「公益通報者が守られる社会を!ネットワーク」-3