12月に入りました。ブログのデザインも冬の富士山となり、気分一新です。

さて、この訴訟を通じて、私がサラリーマンとして知った驚くべきことが多々ありますので、それを順次記していき国民の皆様と共有したいと思います。

まずは、恐るべき、主題の件(個人情報保護法関連)です。

①「社内コンプライアンス室への通報・相談者個人情報の社内での共有を禁止する法律はありません。
個人情報保護法においては、「通報・相談者の個人情報の社内で共有禁止する条項はない」のです。 ウソのようなホントの話です。

②個人情報保護法では、「社外へ情報漏洩(第3者への漏洩という)」は、禁止されておりますが、社 内での通報・相談者氏名等漏洩(ヘルプラインへのセクハラ、パワハラ相談なども含めて)は、こ  の法律は全く機能ないのです。)社内で漏洩が起きて、不利益を被った場合、権利回復のためには、 労働審判、民事訴訟(労働法)提起、それができなければ泣き寝入り、ということになるでしょう。


③原審では、コンプライアンス室長が、無断漏洩を認め私に謝罪するメールを記載しており、それを証 拠として提出したのですが、上記のごとく社内での共有を禁じていない「個人情報保護法」では、守 られませんでした。


④それどころか、通報者氏名だけでなく、コンプライアンス室長からの通報に対する回答までをも、人 事部長 や被通報者の事業部長に対して「開示を承諾をしたと認められる」という事実認定されてし まいました。「承諾したなどという書面は当然存在しないし、室長の謝罪文まであるのに、なぜ承諾 をとったことにされてしまったのか?」最大の認定理由は、「コンプライアンス室長は、漏洩後、私 に指摘されて謝罪文を書いたから、承諾したことを否定することはできない」という旨の、3段論法 言い回し、でした。これについては、別途、一審判決文を引用して明らかにしてまいります。


⑤コンプライアンスヘルプライン運用規定では、「通報者氏名等は極秘(社内ではトップシークレット
 の扱い)」、「だから通報は氏名等を名乗ることが原則」などとされており、通報・相談する社員等
 は、当然「安心できる」と確信すると思いますが、そうはいかない、「守る法律はない」のです。


⑥やむなく、個人情報保護法で禁止(社内共有であっても)されている、「個人情報の目的外利用の禁 止(調査のためだけの利用ということで、通報者氏名等をコンプライアンス室だけに開示しただけ  なのに漏洩した)」に該当し、精神的平穏を侵害されたと主張しましたが、一審判決では、無視され てしまいました。

結局、いくら社内において、「通報者の情報はしっかり守られますからご安心ください。」などとコンプライアンスヘルプライン運用規程やカードに書かれていても、個人情報保護法では、守れないので、「本当に誰がが責任を持って守ってくれるのですか?」、「個人情報保護法では、社内での通報・相談者個人情報漏洩禁止などという条項はありませんよ。」ということになります。

勿論、倫理感、常識がしっかりされている会社等では安心かもしれませんが、重大な問題点は、「コンプライアンスヘルプ(ホット)ライン通報・相談者の個人情報を社内開示共有を禁止する法律(罰則規定)は日本にはない」という事実です。

 このコンプライアンスヘルプライン、ホットラインなど社内通報制度が、大企業を中心に大々的に運用されている以上、「個人情報保護法」の法改正も必須だと思います。私のような被害にあっている人は無数にいらっしゃると思いますし、いつ、誰が被害者、加害者となっても不思議ではないのです。受けた不利益は、受けた側(すなわち、通報した側)が民事訴訟等にて立証しなくてはなりません。

私が危惧するのは、通報者の保護という観点は当然のことですが、それだけに留まらず、「コンプライアンス室で働いている方々がこの個人情報保護法の実態、限界を知らないで、「通報者情報は秘密ですから安心してください」と大々的に社員等に公言してしまっている現実、「現行の社内通報制度には、真面目にコンプライアンス室で働く社員等が、加害者となりうる極めて重大な危険を秘めている」ということです。

勿論、公益通報者保護法も、通報者情報の社内での漏洩を禁止する条項はありません。安心してコンプライアンスヘルプライン社内通報制度が、利用・運用できると思いますか?