$まい・だいありー あんど ぶっくす-Lost & found
なくしものをしてしまったら
どこでなくしたかを思い出して、
Lost & Found に駆け込みます。

If you are lucky enough、ラッキーだったら
なくしものが届けられて、再開することができます。

一瞬前まで、自分のそばにいたのに、
離れてしまったら二度と届かない、
そんな経験も。

小説の中でも、そんな 喪失を扱った本はたくさんありますね。
モノの場合もあれば、
人の場合も。

今回、偶然ですが、続けてそんな本を読みました。

一冊目は、小路幸也さん。

小路さんらしい、透き通るような
透明な流れる水のような 
サラサラしたお話でした。

川原で、やっこ凧をあげていた はるかの凧が
主人公の 山(サン)にぶつかるところから話が始まります。
山紫水明から名前がとられた4人兄妹の
その喪失と、
なくしたものを訪ねる旅をするお話。

本人だけでは辛くなるようなそんな時、
そばにいてくれる
ただそばにいて、
肩に手を置いてくれる、
それだけでも
心が溶かされていく
そんな暖かさを感じさせる一冊でした。

読後に、表紙を見ると、
なんかほっとします。

今日みたいな良い一日の
お日さまの中に、出ていきたくなります。

ナモナキラクエン/角川書店(角川グループパブリッシング)

「楽園の話を、聞いてくれないか」そう言いかけて、父さんは逝ってしまった。山、紫、水、明と名づけられた僕ら兄妹と、一通の手紙を残して。僕らの母親は、4人とも違う。手紙には、それぞれの母親のことが書いてあった。「会いに行く必要があると考えるなら、会ってこい」それが、僕ら兄妹の、忘れられない夏の始まり。
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