Journalistagirl in New York

英字新聞記者。
The 2014 Wall Street Journal Asia Fellowとして、
2014年8月末より人生2度目のJournalism School留学。
ジャーナリズムやニューヨーク生活のことなどを徒然なるままに。


テーマ:
2001年9月11日の同時多発テロから13年。世界はより平和な場所になったのだろうか?

9/11前日の9月10日、オバマ大統領はイラクとシリアで勢力を固める過激派組織「イスラム国」の「せん滅作戦」を宣言した。地上軍は派兵しないとしたものの、空爆を継続的に行い、親米武装勢力の訓練をすることで掃討作戦を行うという。

ウォール・ストリート・ジャーナルの世論調査によると、今や2/3以上の米国人が政府がイスラム国に対して積極的な行動とるべきだとしている。これまでリビア、シリア、クリミアなどでほとんど何も行動せず、弱腰と言われ続けてきたオバマ大統領だが、こうした世論の高まりもあり、渋々腰を上げた形だ。中間選挙も見越しての事だろう。

イスラム国はこれまで、SNSなどを巧みに利用し世論を煽ってきたが、最近のジェームス・フォーリー記者やスティーブン・ソトロフ記者の処刑が、米国民のみならず、世界各国に恐怖を植え付けた事は確かだろう。

2002年にパキスタンで殺害されたウォール・ストリート・ジャーナルのダニエル・パール記者や2年前にシリアで殺害された山本美香記者など、これまで何人ものジャーナリストがテロリストや武装組織の残虐行為の犠牲となった。

Committee to Protet Journalistsの調べによれば、1992年から殺害されたジャーナリストは711人にのぼる。うち93%はストリンガーやリサーチャーとして働く現地のジャーナリストだ。

それにも関わらず、これまで多くのジャーナリストたちが「正義と真実」を掲げ、どんなに危険な状況でも紛争地帯に飛び込み取材を続けてきた。しかし、今回の記者の処刑でこうした状況も変わるかもしれない。

私にそう感じさせたのは、あるアメリカ人記者の発言だ。

「これまで男性記者たちは西部劇に出てくるカウボーイよろしく、自分が誘拐されるわけがないという態度を取ってきたが、今回の処刑事件でそうした態度が少しづつ変わってきている」。

これは、昨日コロンビア大学で紛争地域の取材をテーマに行われたパネルディスカッションの中で、ニューヨークタイムズのラクミニ・カリマチ記者が述べた言葉だ。

カリマチ記者は、これまでAP通信の西アフリカ支局長として、紛争地域の報道に携わってきたのベテラン記者だ。しかしその彼女でさえ、シリアに行かずして、いかに現地情勢をいかに伝えるかが重要だという。

「今シリアに行くのは自殺行為です。それより、トルコなどの国境地帯で自由に出入りする人から話を聞くなど、他の取材方法を考えた方がいい」とカリマチ記者。

ジェームス・フォーリー記者と何度も仕事をしたフリーランスのニコル・タン記者も「フォーリー記者は決して向こう見ずな行動はせず慎重だった。それにも関わらず、誘拐され殺害された」とフォーリー記者の事を振り返る。

フォーリー記者の上司であるフィル・バルボニ氏の言葉を借りれば「ジャーナリストにはどこかロマンチストな正義感」があるという事だが、どんなに慎重で現実的な記者でもテロリストによって誘拐されてしまうのが現在の紛争地域の状況だ。

なぜなら記者の誘拐による身代金は、テロ組織が武装組織の貴重な資金源となっているからだ。それを象徴するのが、タリバンによって誘拐され7ヶ月も拘束されたニューヨークタイムズのデビッド・ロード記者の発言だ。

「自分はこれまでも紛争地域の人の立場にたって取材を続けてきた、とタリバンに言ったところ『それなら、より多くの身代金がとれるから。願ってもない』とかえって言われてしまった」とロード記者。

イスラム国にとっては、ジャーナリストを誘拐し首をはねる事は最も有効なプロパガンダ戦略だ。TwitterやYouTubeなどのSNSを駆使する戦略は、洞窟の中で撮影したテープを中東のテレビ局に届ける形でプロパガンダ作戦を繰り広げてきたオサマ・ビンラディン氏の時代からと比べると、確実に進化している。

また身代金の取り扱いについても大きな議論を呼んでいる。去年G8では、中東ではテロに屈せず身代金は払わないという合意がなされたが、どうやらこれを遵守しているのは、英国と米国だけらしい。次の処刑の候補者として、イギリス人のデビッド・ヘインズ記者が名指しされているが、イギリスのキャメロン首相は、ヨーロッパ各国にこうした脅しに屈しないよう呼びかけている。

確かにどんなに危険でも記者が現地から報道しなければ、紛争地域で何が起こっているのかを国際社会に訴えていく事はできない。今までも戦闘に巻き込まれて死ぬという事はあったが、今の紛争ジャーナリストたちは、「殺害されるかもしれない」危険という、より高いステークを負っているのも確かだ。

そして、無事に帰ってきても歓迎されるとは限らない。前出のロード記者は、救出後、一般人のみならず、政府の人間にも税金の無駄遣いだと非難されたそうだ。(ロード記者の救出にどれだけの政府の資金が投入されたのか、されなかったのか、私の手元には資料はない)

「これから紛争地域に記者は、もし自分が捕まった場合に、軍に出動してもらいたいのかなど、取材に行く前に家族と良く話し合わなければならないことがたくさんある時代になっている」
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