プロフェッショナルの条件 ~PART2働くことの意味が変わった ◆1章 生産性をいかに高めるか | 情熱大陸日記 ~(株)情熱 代表取締役 水野元気の日本を情熱的にする日記~

プロフェッショナルの条件 ~PART2働くことの意味が変わった ◆1章 生産性をいかに高めるか

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))/P・F. ドラッカー
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今日は、


PART2 働くことの意味が変わった


に入ります。


そして、その中の第1章である、


◆生産性をいかにして高めるか


をまとめていきます。





今回は、その中の小テーマとして、


◆生産性革命は終わった


◆資本と技術は生産手段にすぎない


◆『目的は何か』を問うことが重要


◆分散化する知識労働者の仕事


◆知識労働は三種類ある


◆仕事のプロセスを分析する


◆教えるときにもっとも学ぶ



という内容がある。


冒頭の生産性革命は終わったの始まりは、


『生産性の急激な向上は、過去100年間でもっとも重要な


社会的事件であっただけでなく、史上例のないものだった。』



とドラッカーは説く。



テイラーが引き金になって始まった、


生産性革命は、歴史上最も世の中に変化をもたらした


ものだと言える。


それにより、生活、文化、社会全てが大きな変化をした。



しかし、この生産性革命は、


肉体労働の生産性を高めてきた歴史だったのだ。



それが、これからは知識労働が主役になる中で、


今までの生産性革命は終わったとしている。



そして、ドラッカーは、


『今日重要性を増してきた知識労働者の生産性は


全く向上していない。』


と衝撃の発言をしているのだ。



ドラッカーは、その例として、


知識労働者の一人である、教師を例にあげ、


1900年の教師と2000年の教師の生産性を


比較しても、なんら変わりはないし、


むしろ低下さえしているとしている。




その主な原因は、


肉体労働と知識労働の根本の違いにある。



肉体労働において、生産性を高めるのに


重要な要因として、


資本と技術がある。


つまり、より施設や工場が進化していくたびに、


生産性は著しく向上していくものなのだ。



しかし、


知識労働において、資本と技術は生産手段で


あるにすぎないとしている。


つまり、その資本や技術を使う人の技量などに


関わってくのが知識労働だとしている。



ドラッカーは、これをわかりやすくするために、


パソコンの例を出している。



30年前にコンピューターが事務要因を大幅に


削減すると誰もが信じていたらしい。


しかし、実際は、人の数は増えており、


生産性は実質的にほとんど向上していない


としているのだ。



たしかに、コンピューター、特にパソコンの普及により


非常に便利になったが、事務員を削減できているか


というと、全くそうではなく、他の作業が増えたりして、


人員が増えている企業も多い。



これは、肉体労働の生産性向上と比較すると、


一目瞭然である。


30年前に工場や農業で生産できる量と


現在の工場や農業で生産できる量は格段に向上しているのだ。



それでは、


どうやったら知識労働の生産性を高めることができるのだろうか?



ドラッカーは次の5つの方法をあげている。



1・目的の定義


2・目的への集中


3・仕事の分類


4・仕事のプロセスの分析


5・人に教える



をあげている。



1・目的の定義


の意味は、


仕事を定義し直すこと


である。


それは、現在行っている仕事に対して、



『何が目的か。何を実現しようとしているか。なぜそれを行うか』


を問うことが最も手っ取り早く効果的に知識労働の


生産性を向上させることである。



私たちは、無意識の中で、様々な業務を行い、


全く目的を見失った仕事をしていることが多いのである。



例えば、お客様に喜んでもらうことが一番の目的なので、


社内に報告する書類の作成ばかりに時間を取られている


ことなど、何処の企業も当てはまりそうな話である。



その作業・仕事をするにあたり、


『何が目的か。何を実現しようとしているか。なぜそれを行うか』


を問い直すと行う必要のない仕事が出てくる。


それを辞め、自分達が一番目的としていることに対して、


仕事をしていくことに変換すべきなのである。



このことにより、確実に知識労働の生産性は高まる。




次に、


2・目的への集中



だが、これは現在の分散化する知識労働者の状況が


要因にあげられる。



つまり、一番自分の”知識”を活かしてすべき仕事以外の


業務が非常に増えているのである。



電話や書類作成、社内報告業務、ミーティング・・・etc



つまり、会社が、自分が目的としていることを明確にし、


それに向けて集中することが、生産性の向上を確実に


達成できることなのだ。






そして、次に生産性を高めるために、


3・仕事の分類



があげられている。



ドラッカーは、知識労働には3種類あるとしている。


それは、求められる”成果”の違いである。



1つ目が、


仕事の成果は”質”の問題であるとしている。


つまり、量よりも、いかに優れたものを生み出せるか


というのが重要な知識労働の種類がある。



2つ目が、


仕事の成果は”質”と”量”を共に求めるとする種類である。


例えば、サービス業などはこれに当てはまる。


お客様の満足という”質”を追求しながらも、


売上や来店数・客単価などの”量”も追求していき、


両方で成果となる仕事の種類である。



そして、


3つ目が、


仕事の成果が肉体労働と同種の仕事の種類がある。


それらの仕事の場合は、”質”は前提条件であり、


成果のほとんどを”量”で判断される種類のものである。


例えば、ベッドメーキングなどは、きれいにベッドを整える


ことは前提条件であり、これをどれだけ早くできるかが


成果のポイントになる仕事の種類がある。




このように、知識労働の生産性を高めるには、


その仕事が、”成果”に関して、どの種類に当てはまるかを


しっかり見極める必要がある。


それを理解しておくと、


成果として、


”質”を追求するのか、


”質”と”量”を追求するのか、


”量”を追求するのか、


が分かり、何に取り組むべきかがはっきりと見えてきて、


生産性の意味を明らかにし、生産性の向上を達成できる。





そして、4つ目の生産性を高める手段として、


4・仕事のプロセスの分析


がある。



生産性を高める手段として、重要な要素として、


仕事のプロセスを分析することがあげられる。



これに対して、重要な質問が


『何が役に立つか』


という問いを繰り返すことである。



それにより、カイゼンを試み、生産性を向上


させていくことができるのである。




そして、最後に


5・人に教える


というのがある。



生産性を向上させるのに、重要なのは、


学び続けるということである。



そして、それを最も効果的にできるのが、


人に教える


という手段である。



近年明らかになったらしいが、


知識労働者は自らが教えるときにもっとも


よく学ぶという事実がある。



つまり、意識的に人に教える状態を作れば、


その教えている人間の生産性は向上していく


というものだ。





この5つが、知識労働者の生産性を高める方法である。



5つの全てが、自分の仕事を効率化させていくために、


すぐに使える有効な手段である。


是非、今の仕事に試していこうと思う。




次は、


2章 なぜ成果はあがらないのか


をまとめます。