プロフェッショナルの条件 ~PART1 いま世界に何が起こっているか 1章ポスト資本主義への転換 | 情熱大陸日記 ~(株)情熱 代表取締役 水野元気の日本を情熱的にする日記~

プロフェッショナルの条件 ~PART1 いま世界に何が起こっているか 1章ポスト資本主義への転換

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))/P・F. ドラッカー
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今回3回目にして、ようやく本編に突入する。



今回は、


PART1 いま世界に何が起こっているか



◆1章 ポスト資本主義社会への転換


をまとめていく。



この章は題名にあるとおり、


今の資本主義社会が変わり、新しい社会へと転換することを


示唆している、重要な章になっている。



冒頭から、


『西洋で数百年に一度、際立った転換が起こる。世界は歴史の境界を越える。


社会は数十年をかけて、次の新しい時代のために準備をする。


世界観を変え、価値観を変える。社会構造を変え、政治構造を変える。


やがて50年後には、新しい世界になる。


われわれは今、再びそのような転換を経験しつつある。


この転換が、ポスト資本主義社会を創造しつつある。』



と記述している。




つまり、


今、時代は大きな転換期を迎えている


ということなのだ。




印刷革命

  ↓

宗教革命

  ↓

産業革命



のような大きな転換期が歴史には何度もあった。


そして、今日再び転換期が来ていると、


ドラッカーは説く。



『明らかに、われわれはこの転換期にある。


もしこれまでの歴史どおりに動くならば、この転換は、


2010年ないし、2020年までは続く。


しかもこの転換はすでに、世界の社会、政治、経済、


倫理の様相を大きく変えた。


1990年に生まれた者が成人に達する頃には、


想像もできないものになっているだろう。』



この本を出したのが、2000年であり、


現在が2008年。


まさに、今大転換期にいると私も確信している。



そして、その時代がポスト資本主義社会だとしている。


つまり、これからの社会が、


資本主義社会でもなく、社会主義社会でもない。


そして、次の時代の社会は、


その主たる資源が知識であることは確かなこととしている。



そして、このプロフェッショナルの条件で、主なテーマとなっている、


”知識”


を歴史からの移り変わりを見ていくことで、現在の状況を理解していく。



ドラッカーは、


1750年から1900年の間150年間に、資本主義と技術革新は


世界を征服し、新しい世界文明をもたらしたと記す。


そして、この転換は、”知識”の適用によってもたされた。


今までは、”知識”というものは、”存在”にしかすぎなかった。


それが、”行為”に関わるものとなり、”知識”は資源となり、


実用のものとなったのだ。



ドラッカーは、


第1~第3の段階まであるとした。



第1の段階は、”知識”を道具や工程、製品に提供した段階。


第2の段階は、”知識”を仕事に適用した段階。


第3の段階は、”知識”を知識そのものに適用されるようになった段階。



という3段階の変化を遂げて、現在に至るとしているのだ。



これをもう少しわかりやすく解説していきたい。



まず、第1の段階にいたる決定的な重要な用件が、


知識の意味における急激な変化


だった。



以前は、”知識”というものは2つにおいてしか存在しなかった。


1つは、ソクラテスが唱えた、


知識の役割は、自らの知的、道徳的、精神的成長にある自己認識とした。



もう1つの”知識”は、プロタゴラスが唱えた


知識とは論理、文法、修辞などの、今で言う一般教養を意味していたのだ。



つまり、”知識”は、”行為”に関わるものではなかったのだ。


”行為”がかかわるものは、”技能”として表現され、


ギリシャ語でいう、”テクネ”というものだったのだ。



そして、以前は、”テクネ”を学ぶ唯一の方法は、弟子になり、


経験をつむことしかなかった。そう、”テクネ”は言葉では説明できず、


身をもって示すものだったのだ。



ここから大きな転換をしたのが、第1の段階である。


それは、1700年以降、わずか50年の間にテクノロジー(技術)が


発明されたのだ。


このテクノロジーという意味は、秘伝の技能たるテクネに


体系を現す接尾語のロジーをつけたものだった。



この時代に、今まで言葉では現せなかった”テクノ”を


収集し、体系化し、公開したのだ。


この公になった技術の導入により、引き起こされたのが、


産業革命だったのだ。



そして、これが先に述べた、第1の段階の部分である。




そして、1880年に第2の段階へと以降していく。


それは、”知識”を仕事に適用した段階だった。


それを行ったのが、1人のアメリカ人である、


フレデリック・テイラーである。そして、それが生産性革命


の始まりだったのだ。





今までの考え方は、


より多く生産させる唯一の方法は、より長く働かせるか、


より激しく働かせることだった。



それをテイラーは、仕事を分析し、仕事に”知識”を


適用することで、生産性を著しく向上させたのだ。



そして彼は、生産性の向上の果実を享受すべき者は、


資本家ではなく、労働者であるとの考えを貫き、


資本家と労働者が、生産性の向上に共通の利益を


見出し、知識を仕事に適用することで、調和のある社会を


つくろうとしたのだった。



ドラッカーは、この状態に一番近かったのは、


第2次世界大戦後の日本の経営者と労働組合だけとしている。



さて、このテイラーがもたらした最大の福音は、


教育訓練にあったとしている。


このテイラーが”知識”を仕事に適用した数年後から、


肉体労働者の生産性が年率4%前後で伸び始めた。


1910年に至っても、労働者ははるか昔と同じように、


年間3000時間以上働いていた。


しかし、現在では、日本でさえ年間2000時間しか働いていないのに、


その彼らが1時間あたり、100年前の50倍以上を生産していると


ドラッカーは記しているのだ。




そして、次に第3の段階へとさらに転換していく。


それが、”知識”を”知識”に適用したという、非常にわかりにく


表現になっている部分である。



これを簡単に言うと、


既存の知識をいかに有効に適用するかを知るための”知識”


である。



そして、これこそが、”マネジメント”である。


つまり、第3の段階は、マネジメント革命と名づけられるとしている。



このマネジメント革命は、1945年から1990年の間に


支配的な流れとして、世界中を巻き込んでいったものだ。



実は、マネジメントの発見は、1950年あたりを待たなければいけなかった。


もちろん以前より、あったのだが、それを発見したのは、


第2次世界大戦と当時のアメリカの産業活動を通じて発見されたのだ。



そして、広く世界に受け入れられるようになったのは、


第2次世界大戦後の日本の奇跡的な復興によるものだとしている。



ドラッカーは、


日本の戦後の唯一の資源は、アメリカによって開発されたマネジメント


(特に教育訓練)を導入し、適用しようとする熱意だけだった


と記しているのだ。



そして、このマネジメント、つまり第3の段階の”知識”は世界中に


広まり、大きな転換をしていったのだ。



そして、現在マネジメントの意味は、


『知識の適用と、知識の働きに責任を持つ者』


であるとしている。



この定義が表すように、


現在の資源の中心は”知識”ということになる。


つまり、土地・労働・資本というのは、現在では、


制約条件にしか過ぎないということなのだ。



つまり、今では、”知識”の”知識”に対する適用(マネジメント)


が行われさえすれば、他の資源はいつでも手に入れられる


時代になったということなのだ。



このことからわかるように、


”知識”が資源の中核になったという事実によって、


資本主義は、ポスト資本主義へと移行したと言えるのである。



そして、これが現在起こっている、歴史的に見ても


大きな転換期だということを理解すべきなのである。




これで、今日の1章 ポスト資本主義


が終わる。


次は、2章 新しい社会の主役は誰か


をまとめていく。






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