MBSのニュースでやっていたのですが、昨日、大阪で「水都大阪2009 1年前イベント」というものが行われ、そのオープニングセレモニーで橋下徹大阪府知事がEM菌が入ったボール(EMボール)を道頓堀川に投げこんだらしいです。

また、一般の人たちもEMボールを投げ込んだらしい。

そんなことしていいのでしょうか?



「川と生きる都市・大阪 LOVE RIVER」開会式とプログラム確定│水都大阪2009

湊町リバープレイスの会場に設けた特設ステージで、主催者を代表する平松大阪市長と橋下大阪府知事の二人と来賓による、EMボールの投げ込みなどのセレモニーを行います。

http://www.suito-osaka2009.jp/osirase/press/20081010_release.html


■スワンボートで川を体感!

12時~17時
水をキレイにする作用があると言われているEM菌が入ったボールを、スワンボートに乗りながら川へ投げこむプログラム。スワンボートを楽しみながら、川をもっと身近に感じよう!

●EM菌とは
土壌改良や水質浄化に効果があると言われている、有用微生物群(Effective Microorganisms)のこと。自然界の汚染を減らし、生き物が住みやすい環境を作ると言われています。世界中のさまざまな川で水質浄化活動に EM菌が利用されています。

※注意:EM菌は科学的にはっきりとした研究結果がまだ得られていない資材です。今回のプロジェクトはあくまでも川や環境への意識を高めるという位置づけにおいて行います。

http://www.suito-osaka2009.jp/osirase/event/loveriver/index.html




水の浄化作用に関して科学的根拠がはっきりしていないというのがアカンというのもあるんですが、EM菌を培養するのに使った栄養分(米ぬかとか)も一緒に投げ込まれることが良くないと思うし、微生物とはいえ、その環境にはもともと居なかった生物を意図的に投げ込むというのがアカンのではないかと思うのです。

ブラックバスやブルーギルみたいなものでしょ?



でも、ちょっと検索してみると、こういうことをやっているのは大阪だけじゃないみたいです。

EMボールが無料で手に入るはずはないのですから、無駄に税金が使われている可能性もあるわけです。

「波動」とか「フリーエネルギー」とかで有名な(?)船井総合研究所(船井総研)がからんでいそうなのも、ちょっとアヤシイです(からんでいないかもしれませんが)。




最近のEM菌投入記事がまとまってます。

「地方分権」「EM菌」に見る「善意」と「熱意」に満ちた「腹黒い」「学者」さんたちの「内実」 - HALTANの日記

http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20081006/p2



(株)EM研究所ホーム

http://www.emlabo.co.jp/



5年も前のQ&Aサイト

MSN相談箱 EMが広まった理由

http://questionbox.jp.msn.com/qa685280.html?StatusCheck=ON


No1さんの回答より抜粋

「ところが最近はEM活動がエスカレートして、学校とPTAや婦人部会を挙げて子供達とEM泥団子を何万個も作っては海や池、川などに投げ込んでいます。ところがそういった自然環境へ投げ込まれる何万個ものEM団子のBOD負荷による、水域への富栄養投入量がどれ位におよぶものか理解して投げ込んでいる人は全くいません!まして海底でEM菌がその環境で最適合するなどと誰の筋書きでもできすぎでしょう。綺麗にするつもりだったと言ってみても取り返しはつきません。

最近の普及にはこういった人々が「身近な環境問題の講演会」で耳に心地よく楽しいだけの妄信的なEMへのPR活動が大きな流れを作っているということです。(社会活動的な広がりは評価で来ますが一部では 宗教団体の世界○○教などで一大事業となっていますので、やはりEM菌→EM金ということでしょうか)」




EM菌はニセ科学か(大阪大学・菊池誠さん)

土壌微生物の利用による土壌改良や微生物を使ったゴミ処理・水処理などは、重要な研究課題であり、考え方自体は決しておかしくない。少なくとも、最初はニセ科学と無関係だったと思われる
なんらかの有用な(?)発見をした研究者が、それに「万能性の夢」を見てしまい、ニセ科学の道へ進んでいる(進んでしまった)という解釈が妥当なところか。

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/nisekagaku/pseudo_resume.html



EM菌投入は河川の汚濁源 kikulog(大阪大学・菊池誠さん)
ちょっと考えてみれば、本当にただ川に投げ込んだだけで生態系が変わるような微生物だとしたら恐いし、そうでないなら単に「川を汚しているだけ」だということがわかります。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1205503037



「EM菌投入 河川の汚濁源」 - エッセイ  - 麗しの磐梯 -

その有効性が検証されるまでは使用には十分注意しなければならない。最適に使用しないとかえって環境を汚すことになってしまうからだ。

http://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/85d0e937939d951a1c77e10d7d82ae6e




Wikipediaより

有用微生物群(ゆうようびせいぶつぐん、Effective Microorganisms、EM)とは、1982年に琉球大学農学部教授比嘉照夫が、農業分野での土壌改良用として開発した微生物資材の名称。「共存共栄する有用な微生物の集まり」の意味の造語であり、通称は EM菌である。


主張者による説明
自然界にある5群(乳酸菌群、酵母群、光合成細菌群、発酵系の糸状菌群、グラム陽性の放線菌群)から嫌気、微好気の複数の有用な微生物を集め培養し、液中に複合共生させた資材という。 商品としてEM・1、EM・2、EM・3などがある。
善玉菌、日和見菌、悪玉菌に大別される微生物環境(微生物相)では、一般に酸化型微生物の勢力が強く、酸化分解による腐敗、腐蝕という環境悪化を招いている。そこへ抗酸化力の強い有用な微生物(善玉菌)群(EM)を投入することで、日和見菌をも味方につけ、発酵、蘇生など生分解型の善循環へ変化させることができるという仕組みで、その仕組みを様々な分野で活用する技術をEM技術と比嘉らは呼び、波動測定器で検証することができると主張した。