スイスにある欧州合同素粒子原子核研究機構(European Organisation for Nuclear Research、CERN)によって、巨大粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器(LHC:Large Hadron Collider)」が、いよいよ稼働します。

LHCはスイスとフランスの国境に建設された全周約27キロの円形加速器で、水素の原子核(陽子)を光速の99.99999991%まで加速できるそうです(1秒で27kmを11000回転)。
このとき陽子のエネルギーは約7兆電子ボルト(7TeV)にもなるそうです。
反対向きに回転している陽子を光速に近いスピードで正面衝突させ、発生した素粒子を測定器で観測します。

質量の起源であると予想されながら見つかっていないヒッグス粒子(ヒッグス・ボゾン:Higgs boson)や、宇宙の暗黒物質(ダークマター)の候補に挙がる「超対称性粒子」、余剰次元(5次元宇宙)などが発見されるのではないかと期待されています。


ヒッグズ粒子については、下記URLの説明がわかりやすいです。
http://members.jcom.home.ne.jp/stolatos/universe/higus.htm

http://www.kek.jp/kids/class/particle/class01-10.html



LHCには世界約40か国から2000人以上の物理学者が参加、建設には14年、約6200億円かかっているそうです。
ヒッグズ粒子が見つかれば理論が正しかったことが証明されますが、万が一見つからなかったら、えらいこっちゃです。

なお、一部では、この実験により微小なブラックホールが発生し、地球が消滅するのではないかと言われています。
そうなったら、もっとえらいこっちゃです。



<大型粒子加速器>スイスのジュネーブ郊外で運転始める
9月9日20時9分配信 毎日新聞
 質量の起源と考えられる「ヒッグス粒子」の発見などを目指して造られた大型粒子加速器「LHC」が10日、スイスのジュネーブ郊外で運転を始める。日本からも約100人の研究者が参加しており、高エネルギー加速器研究機構(KEK)は9日、記者会見を開き、鈴木厚人機構長が「世界中の素粒子物理学者が待ち続けていた歴史的瞬間だ」と期待を込めた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080909-00000123-mai-soci




宇宙誕生の謎を探るCERNのLHCプロジェクトがいよいよ始動
2008年09月10日 17時09分 更新
ビッグバンの謎に迫る20年掛かりのプロジェクト「LHC」が9月10日にスイスでスタートする。(ロイター)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/10/news097.html


ホーキング博士、「LHC実験で神の粒子は見つからない」に100ドルの賭け
2008年09月10日 10:49 発信地:ロンドン/英国
【9月10日 AFP】英国の天体物理学者スティーヴン・ ホーキング(Stephen Hawking)博士(66)は9日、まもなく行われる巨大粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」の実験について、「ヒッグス粒子は見つからないだろう。100ドル(約1万円)賭けてもいい」と語った。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2515286/3313292



追記

GoogleトップのロゴがLHCになってましたね。