せめて帰りがけくらいは白馬連峰の頂上まで見渡せるか…という期待はもろくも崩れ去り、

滞在3日の間じゅう山頂にかかった雲は切れることがありませなんだ。


しかし、最初に泊った白馬ハイランドホテル の炉辺のラウンジには山の雑誌などが

たあんと置いてあり、かつては登ったこともあるだけに、またいつか登りにこようなどいう野心が、

それこそ雲のようにむくむく湧き出だすのでありましたよ。


長野駅へと向かう道筋が姫川沿いから西へ逸れて山中へと入ってしまう手前、

トイレ休憩を兼ねて立ち寄った「サンサンパーク白馬」(公衆トイレのある単なる広場です)で

山の景色をせめてもとラストショットに及びました。



山頂まで見えておるではないかと思われるやもしれませんですが、

見えているのは白馬五竜スキー場(昔は五竜遠見スキー場と言ってたような)ですので、

見えてほしいのはさらにその奥に唐松岳(2696m)や五竜岳(2814m)という高峰なのでして…。


そんな未練を残しつつ、長野駅へと向けてオリンピック道路を通っていったわけですが、

途中の小川村で小休止。行がけに看板を見て、気になっていたものですから。


小川村は往路にオリンピック道路を離れて立ち寄ったアルプス展望広場 のある所でしたが、

今回は展望広場へと上っていったのと反対側の斜面を案内に従って上っていったのでありますよ。


この上り道がなんともくねくねした道なのでして、

それを承知でか村人がそこここに看板を立てているのですな。

曰く「あわてず、あせらず、もうすこし」とか「もうひと息です。もう安心」とか。


もちろん親切心からとは思いますが、「トリック」のようなドラマの影響か、

山の中で待ち受けるのはもしかして「注文の多い料理店 」のようなところであるかと思ったり。

ま、そんな杞憂を余所に登りつめた所にはありました、ありました。「小川の庄おやき村」です。


小川の庄おやき村


先程の看板が無ければ本当にこの道を上がっていくのでよいのか?…と思えるところ。

山中に忽然と現われる印象ですけれど、実際かような場所にあるのですな。


おやき村は山中深くに


信州名物の「おやき」はすでに鬼無里 で食していますので、

食べ比べということになりますが、それにしてもずいぶんとコンセプトが異なるような。


小川の庄の縄文おやき


鬼無里でのおやきはソフィスティケート(とは大袈裟ですが)されていたのに比べて

小川の庄の方は実にワイルドなのですよね。


敷いてある紙の文字がちらり見えてますけれど、「縄文おやき」と書かれてある。

暗かったので写真はありませんけれど、これを食する場所からして

縄文時代の住居のような造りなのですね。だから、暗くもありましょう。


でもって両者比べての軍配は?ということになりますと、「甲乙つけがたし」とは優等生発言。

極めて個人的意見で僅差を見出すならば鬼無里の方に軍配を挙げることになりましょうか。


この勝敗におそらく(と自分の判断なのですが)多少なりとも影響を与えたのは暑さかも。

縄文時代の住まいは窓が小さく(だから暗い)、その分風通しもよろしくない。

大きな扇風機がひとつ回っていましたけれど、あまり役には立っておらないような。


思うに、山中分け入った小川の庄のおやき村。

普通の夏であれば、清涼な気候であまり冷房を考えることもないのかもしれませんね。

普段は冷房なんかいらない(それこそ木曽節ではありませんが「夏でも寒い」)ような

土地柄であって、今年の気温がちと高くなりすぎなのかもしれません。


ということで、おやきの食べ比べという小休止も経て、

再び長野駅へと向かうオリンピック道路へと戻っていったのでありました。


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