飯坂温泉駅では「医王寺 に行く」ことを目的にレンタサイクルを借りたのですけれど、

「中野不動尊ね、ここもたくさんの人で賑わいますよ」と周辺地図をくれた駅員さんのアドバイス。

福島弁でほんわか勧められると、「んじゃあ、言ってみようかいね」と思うわけでして。


医王寺から中野不動尊へ


ただ、その時にもらったアバウトな周辺地図を見ても

「遠そう…」な感じがしたですが、実際の移動はこんな感じ。

右端の医王寺から左端の中野不動尊まで、距離にして3.5kmは

自転車でさしたる遠さではありませんけれど、侮るなかれ、山の端も近づきアップダウンが。

電動アシスト付きの威力が発揮されましたですよ。


中野不動尊 参拝順路入口


ということで、たどり着いたのは中野山大正寺…ですが、「中野のお不動尊さん」として知られ、

福島北部では有数の初詣の参詣者数を誇っているのだとか。

飯坂温泉駅の駅員さんはそうしたことを賑わいとして言っていたのかもですが、

訪ねたときはひっそりかんとしてましたですよ。


山の地形を利用して建てられた社殿をめぐる


山の形をそのまま活かして社殿が配置され、ひと回りするには順路に従うのが無難。

と、矢印看板どおりに登り始めると「お、見えてきた、見えてきた!」という具合です。


大日堂は洞窟めぐりの入口


と、やおら端折って登りつめたところにある建物ですけれど、これは大日堂。

お隣に見える不動滝はいかにもな感じですが、修験者が滝行をする場だそうで。


その昔、修験者たちの道場でもあったことから、

滝に打たれる修行の日々の雨露をしのぐために大日堂裏側の岩山を穿って房を作った。

今ではその洞窟に、本尊たる不動明王の眷族である三十六童子の像が安置され、

洞内めぐりをすることができるようになっているのですな。


洞内めぐりにはまずロウソクを灯して…


洞内めぐりの入口、大日堂でまずロウソク(1本50円、入場料代わりですな)に火を灯しますが、

脇のロウソク立てに立ててしまい、ロウソクの明かりで暗闇を歩くというわけではありません。

で、三十六童子をめぐっているうちにどこをどう歩くことになったのか、

上の2番目の写真に見える寂光門が出口になっている…つうことは、

滝の裏側の岩の中を通り抜けてきたのでありました。


洞内めぐりの出口、寂光門

ゆるゆる下りの道をまわりこんで行きますと、最後に到達するのが本堂ということで。

修験道は神仏習合のひとつのあり様でもあったわけですが、

明治になって神仏分離が進められると修験道は禁じられることに。

ここも明治36年に永平寺の禅師によってこの本堂が建立され、曹洞宗のお寺になったそうな。


中野山大正寺本堂


まあ、かくして中野不動をひとまわりしたわけですけれど、

思いがけずも遠出をしてしまった関係で昼食時を逃すことに。

とりえあず門前のお茶屋さんで買った玉こんにゃく(おいしゅうございました)でその場をしのぎ、

飯坂温泉駅への帰途についたのでありました。


飯坂にはさしたる名物料理もみあたらないようなんですが、

敢えていえば飯坂餃子でもあるような。これを食して帰ろうというわけです。


飯坂餃子


飯坂ラーメンならぬもの


飯坂餃子の本来は「円盤餃子」と称して、

「皿の上にぎっしり円盤状に並んだ餃子」であるところながら

さすがにそれほどは食べきれない。そこで麺類と併せて昼食ということで。

(ちなみに「飯坂ラーメン」というのもあるのですが、うっかり店独自のものを頼んでしまい…)


とまあ、飯坂温泉に浸かりにいったものの、

温泉以外に何があるのか、さして予備知識もないままでしたですが、

それなりに一日楽しめたように思うのでありますよ。


飯坂温泉駅では「これ、明らかに昔の東急で走っていた車両だね」という電車に乗り込み、

レトロな温泉行の掉尾を飾ったのでありました。


昔の東急で使っていたものと思しき「いい電」の車両


そうそう、ナカノフドー建設という会社がありますけれど、

こちらはナカノコーポレーションが不動建設から事業譲渡を受けた結果、

ナカノフドーという会社名になったようで、中野不動尊とは全く関係ないようです(笑)。


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