たまたま「GAS MUSEUMに行ったことがない」という話が出た成り行きついでに、
「それじゃあ、ご案内いたしましょ!」と二人ほど伴って小平へと出かけたのでありました。
といっても、以前に一度行ったことがあるだけなのですけれど。
東京ガスがやっている資料館だものですから、PRの一環なのでしょう、無料です。
そのわりには結構楽しめるところでありまして…と、つぶさな紹介は以前のブログに書きましたので、
ここでは端折り。
たまたま夏休みイベントとしてやっていた「あかりと炎のうつりかわり」というミニ・レクチャー、
「ガスとくらしの一世紀」というガイド・ツアーに参加して見聞を深めてきたのでありますよ。
江戸時代の灯りの代表選手として行灯と蝋燭、そして明治に入ってガス灯とその改良型、
明治初期の電球の灯り、さらにその改良型と最後にLED電球、それぞれを点してみて
見比べてみるという試みがまず行われました。
室内を真っ暗にして、まずは行灯を点す。
ぽっと小さな灯りが浮かびあがるわけですけれど、今から考えると実用的に乏しいもののような。
それでも、江戸期の人たちにとっては大きな工夫の賜物であったのでしょうね。
行灯は、小皿に油を入れて燃える芯になるものを浸しただけという簡単な構造。
で、この芯の部分は紙縒りか何かでもあろうかと思っていたですが、
レクチャーの解説によりますと「いぐさ」が使われているのだそうですよ。
いぐさといえば畳に使われるものと思うところながら、
いぐさは内部がスポンジ状であって、燃料の油をよく吸収してくれる、
つまりは灯りを保たせやすいということになりましょうか。
ですが、それでも照度としてはわずかなもので、次に点された蝋燭にも敵いません。
ちなみに蝋燭は40ルクスだそうで、それが明治当初の裸火のガス灯になると60ルクス、
これがマントル(キャンプをやる方はランタンに使うのでご存知かと)を使うようになると
280ルクスになったと言いますから、「これが文明開化かぁ?!」とも思ったことでありましょう。
もっともその後に登場する電気の灯りの明るさには及ぶべくもなく、
最後にLEDが点されたときには、暗さに目が慣れてきたこともありましょうけれど、
目晦ましかと思ってしまいましたですよ。
そうした経緯で、灯りの元として始まったガス供給はもっぱら熱源へと変化をしていく、
というか変化を強いられたというべきでしょうか。
それこそ熱源を必要するものなら、何でも製品化を試みたようですね。
ガスコンロはもとより、ガスかまど、ガスアイロン、ガス足温器、ガス食パン焼き器…、
ガス冷蔵庫なんつうのも展示の中にありました。
もひとつ展示の中に「ガス吸入器」というのがあって、
「え?」と思ったものですからガイドツアーの係の人に「ガス吸入器って?」と尋ねてしまいました。
曰く、薬剤のようなものをガスの熱で気化させてそれをのどや鼻に吸入するための器具と。
言われてみればなるほどですけれど、てっきり「ガスを吸入する器具って?」と思ってしまい…。
係の人もびっくりして「そんな恐ろしいものは作りません!」と。
最後の方では燃料電池の話にも到達し、今後の可能性もちらりPR。
ま、宣伝ですからねえ。
とまあ、そんなこんなでひと廻りした後は、また東京ガスの昔のCMが見られるコーナーで
森本レオとダチョウ倶楽部・肥後が並んで登場するCM「同じに見えてぜんぜん違う」編に、
一同にやりとして帰途についたのでありました。
いろいろと面白い施設があるものですよね。