成田でのひと波乱の後に飛び立ったオーストリア航空 ですが、

実はチロリアン航空による運航てなこと言われると「だから、何なの?」てな感じながら、

とにもかくにも12時間くらいのフライトの後、ウィーンに降り立ったのであります。


が、ここから先、乗り継いだりなんだりの面倒を思うと

最初からウィーンに来ることにしても良かったかなと思ってしまったり。


ウィーンに最後に来たのはもう5年も前になりますし、

ドナウ下りでブダペストへというのもいいな…絵空事に思いを馳せつつ、

乗り継ぎ便のエア・ベルリンを待つことに。


ところで、このエア・ベルリンですけれど、

往年の名F1レーサー、ニキ・ラウダが作ったニキ航空(かつてのラウダ航空とは別もの)と

関係があるらしく、機内誌なんかを見るとあちこち「NIKI」「NIKI」していて、

日本人だとお菓子屋かと思ってしまいますですね。


LCCではあるということなんですが、

夕方の軽食としてチキン・サンドが出たですよ。

もしかして、この日は後で何も食べられないかもと思ったものですから、

ありがたい食事でありました。


さて、このエア・ベルリンも飛び立ってしまえば、1時間半もせずにハンブルクに到着。

気分的には早着を願っていたですが、まあ、遅れなかっただけで良しということに。


ハンブルク空港からはSバーンという列車で中央駅へ向かいます。

ドイツ語で「Bahn」は鉄道のことでして、ハンブルクには「DB(Deutsche Bahn)」

(今は民営化されてますが、かつてのドイツ国鉄)はもちろんのこと、

市内近郊交通として「S Bahn」、「U Bahn」、それlにバス、水上バスなんかがあるんですが、

その中のひとつです。


ですが、「U Bahn」が「Untergrund Bahn」のことで要するに地下鉄というのは一般的ながら、

「S Bahn」の方は「Straßenbahn」、つまり市電=チンチン電車だと思い込んでいたところ、

「Schnellbahn」(Schnellは速い)だということなのですね。


でもって、そのSバーンで30分ほどで中央駅へ。

これはSバーンが文字通りに「Schnell」であるというより、空港が近いということになりましょう。


ハンブルク中央駅にたどり着いたのが、20時半頃。

ここからリューベックの中央駅までDBで移動するんですが、

勝手の分からぬ駅で20:35発のリューベック行に乗るのは大きな荷物もあって見送りに。

ちと高くなる(€5ほどか)ものの21:04発のICEで行けば、21:40にはリューベックに到着するので、

大丈夫だろうと思ったわけでありますよ。


ここで何が「大丈夫」か?ですけれど、ホテルの関係なのですね。

遅く着くのは分かってましたし、翌日以降もリューベック中央駅からあちこちへ行く予定なので、

駅近のホテル(というより、実質、家族経営のB&B)を予約してたですが、

午後10時を過ぎるとご家族のプライベートタイムになるのか、フロントに誰もいなくなる、

というより玄関自体が閉まってしまう。


10時を過ぎても「you can check in via our digibox」ということではあるものの、

万一機械を相手にして埒が明かん状況になっても、それこそホテルの扉は開かんわけで、

ここはひとつ何とか10時までにチェックインをしておきたい…とまあ、これが1分でも1秒でも

早くたどり着きたい由縁であったのですね。


ということで、ハンブルク中央駅の乗車券販売機(を英語モードにして)でICEの切符を購入し、

電光掲示板で列車のプラットフォームを確認して、移動。


あとはICEを待つばかり…と、いささかの余裕をかましてホームをふらふらしながら、

煙草をふかしたりしていたのですね。

そのときのハンブルク中央駅はこんな感じ。


ハンブルク中央駅 午後9時前くらい


午後9時前だというのに、薄明るいですな。

その一方で、ホームはがらんとしている。

刻々と列車の時間は近付いてきているのに、乗客らしき人々もやってこない…。


ホームの電光掲示板で列車の行き先と発車時刻を再確認すれど、

間違いなしながら、すでに1分前。

列車も人も、まるで気配なし。


そこへふらりと現れたドイツ人の若者ひとり。

「リューベック行き、待ってる?14番線に代わったよ」と。


「ええぇ?!」

まさかと、さっき見たホームの電光掲示を見ると、さっきまで「21:04 Lübeck」とあった表示が、

列車が来てもいないのに「21:05 Köln」に変わっている!?


予定のICEに乗らねば、10時前にリューベックのホテルに入ることはもはや不可能に。

「どうする?自分!」


(つづく)