・・・ということで 、山形の出張から戻ってまいりました。


「ふるさとの訛なつかし停車場の…」と詠んだのは石川啄木で、

啄木は岩手ですけれど、山形駅に到着したとたん、

空気のようにふわっとお国言葉に取り巻かれる感じは「いいものだなぁ」と

故郷貧乏の東京人には思われたものでありますよ。


ところで、山形に着いてひとしきり動き回り、

思いもかけず降り込めた雨にもたたられたこともあって、

ちょいとエネルギー補充にとコンビニでおにぎりを買おうとしたときのこと。


レジのお姉さん(おばさんかな…)曰く、

「おにぎり、あたためますか?」と。


東京ではついぞ遭遇することのないカルチャーなんですが、

つい先日来からの予備知識がなければ、たぶん驚きを隠すことはできなかったでありましょうね。


その予備知識と言いますのは、元々北海道ローカルのTV番組で大泉洋の出ている、

その名も「おにぎりあたためますか」という番組。

これをたまたまテレビ神奈川(木曜日の夜9時~)で見かけたのでありますよ。


Wikipediaによりますと、「番組の名前は、

北海道のコンビニでおにぎりを買うとレジで聞かれる『おにぎりは温めますか?』という言葉に由来」

と記されていて、東京では全く聞かないですし、温めてもらうという発想自体がないだけに

「北海道のように寒いところでは、こういうこともあるんだろうな」くらいに思っていたところだったのですね。


そうしたことを知ってから、本当にほどなく、北海道に来ていたのなら心構え(?)もできてたでしょうが、

山形でもって、やおら「おにぎり、あたためますか?」を聞くことになろうとはまさに不意打ち。

類推して考えれば、山形もやはり北国だからなのかな…と思ったような次第。


今は昔、かつての職場で「この冬、スキーでも行こうかね」的な話をしていたときに、

山形出身の後輩がぼそりとつぶやいたひと言は「雪は遊ぶものでなくて、闘うものです」。

話はすっかりそこで終わりになりました。


こんなことまで「おにぎり、あたためますか」のひと言は思い出させてくれたわけですが、

あれこれ検索してみますと、どうもこの問いかけは北国限定ではなさそうなのですね。


大阪あたりでは、TVCM(東京では見たことないので、これもローカルでしょう)で

コンビニで売っているようなおにぎりを電子レンジで温めて食す提案(?)をしている食品会社があり、

その影響でか、「おにぎり、あたためますか?」は必ずしも稀有な出来事ではないようす。


いやあ、所変われば…でありますねえ。

日本は広いですよ。