アメリカ映画を見ていると(もしかしたら、アメリカだけではないかもですが)、
離婚に関して未練に思うのはどうも男性の方ばかりなような気がしてきますですね。
大体が離婚を機に女性の方はキャリアアップしてたりするのに対して、
男性の方は飲んだくれになって荒んだ生活を送っているというような。
ちょっと傾向は異なりますけれど、元妻が新しく選んだ配偶者とも仲良くなって
三人そろって友達付き合いしているような設定のものもありましたっけ。
ウディ・アレン
の「世界中がアイ・ラヴ・ユー」だったですかね。
その中で、元夫役のウディ・アレンに向かって、元妻役のゴールディ・ホーンが
「あなたは女の選び方がいつも下手なんだから」てなことを言いますと、
元夫が「だって、君は…」と言いかけるのを遮って「だから、離婚しちゃったじゃない」と。
こうした軽口が言い合えるのは、いわば永遠の問いのような
「男女間で友情は成り立つか」ということへのひとつの答えのようでもありながら、
実は本心、元夫は元妻に未練たらたらだったりするのですよね。
と、前置きがまた長くなりましたけれど、
このほど見たのは「バウンティー・ハンター」という映画。
妻の二コール(ジェニファー・アニストン)に見放されて、離婚後には生活が荒み、
警察官という職業も失ってしまった元夫のマイロ(ジェラルド・バトラー)、
今は昔とった杵柄を活かすとしてバウンティー・ハンター(賞金稼ぎ)稼業に
身をやつしているという設定であります。
「賞金稼ぎ」と言いますと、西部劇あたりで
「WANTED $10,000 dead or alive」てな貼り紙を出された賞金首をひたすら追い詰めて、
保安官事務所に付き出すような稼業で、それこそ「dead or alive(生死を問わず)」となると
死体になった悪党をひきずってくるみたいな、相手が極悪人ならこちらも紙一重みたいな、
そういう印象に繋がりますけれど、「baunty hunter」はどうやら歴とした職業であるようす。
飽くまで法律に従って警察に付き出されるべき人物をとっ捕まえてきて、
報酬を得るというものらしい。
そんな稼業のマイロのもとに、
出頭すべき法廷に姿を現さなかった人物の身柄を捕捉するとの仕事が入るのですが、
この相手の人物が誰あろう、元妻のニコールなのですな。
実のところは二コールに未練たらたらなマイロとしては、
可愛さ余って憎さ100倍、ネガティブ・エネルギー全開で二コールを追いかける。
何せ元妻なだけに行動パターンを予想しやすいようで、
マイロはあっさりと二コールを捕まえてしまいます。
ところで、そもそも二人が何故離婚するに至ったかはさほど詳細には触れられてませんが、
もともと二コールにはジャーナリストとして上昇志向があるように思われますし、
警察官であるマイロと恋に落ちた気がしたら一気に結婚となったものの
(確か交際3か月、結婚生活6か月だか)冷静に考えてみれば、
警察官には特ダネの糸口がありそう…くらいに思ってたことに気付いたのかも。
マイロの側はそうではないようですが。
で、二コールを捕まえることに成功したマイロですけれど、
二コールが追いかけている別の事件(法廷をすっぽかしたのは、その関係なんですが)に絡んで、
二人揃って悪党に追われる側になってしまう。
こうなりますと、後は予測できますですね。
事件の行方でなくって、二人の関係がどうなるかと。
簡単に言えば、二コールがマイロを見直すわけでして、この人、こんなだったんだと。
これも一概には言えないことではありますけれど、
交際期間3か月、結婚生活6か月ではなかなか相手のことを分かったとは
なりにくいような気もしますですね。
相手に対して思い違いをしていたと気付くにはあまり時間がかからないかもですが、
思い違いだと思ったことが本当なのかを考えるのには時間が必要、
そして本当に思い違いであったとして、それはイコール破綻なのかどうかと考えるのにも
やっぱり時間はかかりそうな気がしないではない。
世の中にはいろんなケースがありましょうから、
こうした一般論みたいなことではどうしようもない緊急避難もありましょうから、
飽くまで一般論としてですが。
でもって、いちばん最初に書いたようなことにつなげるとすれば、
こうしたことにおいては、割り切りの良さが男性よりも女性にあるということなのかもしれんなぁと
思ったりしたのでありましたよ。