海外へ行くときには出来るだけうまく時差調整をしているつもりではありますけれど、
ヨーロッパに行くとだいたい最初のうちは朝早く目が覚めてしまいますですね。
そこで朝食の時間も待ちわびるようにブレックファスト・ルームに向かうことになりますが、
ホテルでの朝食は十分に満足すべきものでありました。
昨晩のデリに比べ、宿泊に込み込みですから値段も気にしなくていいですし。
朝一番からノルウェー・サーモンをがっつり挟んでいただくパンは格別かと。
こんな具合に朝が早かったものですから、行動開始もまた早い。
美術館やら博物館やらといった施設が開くのはだいたい10時ですけれど、
待ってられん!という感じで駅前からトラムに飛び乗り、
出かけたのはオスロ市庁舎でありました。
しっかり見て回るにはガイドツアーに参加しなくてならないものの、
ただ見て回るだけなら9時から入れるようでしたので。
建物としては意外にも無骨な印象ですね。
ヨーロッパの都市の市庁舎と言えば、
だいたい中世から建ってますみたいな歴史を感じさせるものですが、
ここでは確かに古いレンガで作られているとはいえ、
形からいえば何の変哲もないビルといった感じ。
概してオスロの町というものを象徴しているような気がしないでもないという。
「うむ!ヨーロッパ!」と言った建物もあるものの、そこらのビルみたいなのもままある。
言ってみればヘルシンキに近いかなと思ったりもしたですよ。
で、内部に入ってみますと、そこにはひと際大きなホールが。
ここでノーベル平和賞の授与式が行われるのだそうであります。
平和賞以外のノーベル賞各がスウェーデンのストックホルムで授与式が行われるのに対して、
平和賞だけはここで。実際の授与式ではこんなふうに設営されるようです。
ちなみに写真はバラク・オバマ米大統領が受賞したときのものですが…(何をかいわんや)。
ところで、このホール壁面を飾る壁画は何でもヨーロッパ最大級の油絵(!)なのだとか。
別の面にも壁画がありますけれど、
何だかフトゥリズモ(Futurismo イタリア未来派)を思い出させるふうで
外観同様に他のヨーロッパ都市の市庁舎にない「古くなさ」でコーディネートされているなと。
個人的には好きな絵ですねえ。
そして絵と言えばですけれど、外にもたくさん飾られていて、こちらはレリーフです。
噴水を真ん中にして周囲に廻る柱廊が見えると思いますが、
その部分にずらりと木彫レリーフがはめ込まれていて、北欧神話を綴っているのですよ。
これはそのうちに一枚で、浮き彫りにされているのは主神オーディン(ヴォータン)です。
跨った愛馬スレイプニルには脚が8本あって、世界一速いのだとか。
頭上には2羽のワタリガラスが連なって飛んでいますけれど、
それぞれHuginnとMuninという名を持つオーディン子飼いで、
世界中を飛び回ってはオーディンに情報をもたらす存在ということであります。
(と言った説明が各レリーフについていますので、北欧神話を知ったかできますね)
先に「古くなさ」云々と言いましたけれど、
やっぱり歴史と伝統を意識してますよということなんでしょうか。
北欧神話のレリーフの他にも、入口の扉からしてこんなのが付いてました。
図柄的に中世らしさがあるものを玄関に持ってきているのですねえ。
ということで、他の施設の開館前だからと出向いたオスロ市庁舎は
それだけでもなかなかの見もの。
さらに言うと、2階にはムンクの絵があるそうなんですが、
それはガイドツアーで見られるものだったですかね…。