相模原市では、都市内分権研究に公募職員として、その当時の生涯学習部代表として参加していました。行政区に割られたときに、どの機能を区役所に置き、どの機能を本庁に残すかの議論をするためです。

私は、この分権議論に市民参加のヒントがあったと思います。

一般の人が市役所を利用するのは、戸籍、国民健康保険等窓口業務がほとんどですし、これらはできるだけ住民に近い場所でサービスが行われたほうがいいと思います。もっと言えば、コンビニで住民票や異動届がだせるぐらいにしてほしいかもしれません。(できるようになると思います)

しかし、住民に近い場所でサービスが行わたほうがいいものは他にもあります。最近では、「地域包括支援センター」ということで地域の福祉を包括的に行っているところは、地域内分権の表れです。

当時私は、社会教育主事でしたから、地域の課題を解く社会教育機能も間違いなく地域に近い場所に必要と意見しましたが、生涯学習を学校教育や行政サービスのプラスαと考える人たちからするとあまり相手にされませんでした。それでも、相模原市は、もともと公民館活動の盛んな地域ですから、各公民館協議会等の意見具申により、公民館活動推進員というコーディネーターを置いて、地域活動をサポートする形をつくりました。

その一方、大和市では、ほとんどの事業は自治会あるいは主催組織に任せられ、地域のコーディネーター役を社会教育やまちづくりを学んだ人ではなく組み立てられます。公民館事業でも、時折ありましたが、「人がたくさん来るから、面白いから、楽だから」という方向に流されていきます。

その事業がまったく意味がないとはいいませんが、多くの人が関わり、少なからず自治会や税金からの補助金使われるのですから、きちんと地域課題の解決につながるものであってほしいものです。そういった目標を達成する中に、真の交流や面白さがでてくるのではないでしょうか。

「まちづくりに正解はない」ということは、職員やコーディネーターがその地域の課題をデータ等で開示して、住民が、その数量分析と地域の声としての定性分析をして、課題解決のためにイベントや事業作りをつくるという意思反映の過程があるからこそ、答えは様々ある、ということに他ならないのです。
公共政策の中で、民主主義の概念ほど定義しずらいものはない。

文字通り、「民」を主権とするものだが、誰が民なのか、何を持って民の主権とするか、地域的背景、宗教的な背景によっても変わってしまう。

最近では、正当な選挙を求めて、香港学生の民主化運動が起きた。私が過ごしたシンガポールも一党独裁にもかかわらず、「民主主義のモデル」と主張する。実は、日本で見習おうとしているシンガポールのカジノ事業も住民説明を丁寧に行い、住民雇用を増やす事業となった。

民主主義の形は、先導者や時代背景によってアメーバーのように変形するとして、これからの日本に必要な民主主義の形はどんなものだろうか?

ソーシャルメディアや社会課題別のNPO/NGO/市民団体が増え、企業もまた社会貢献に加わった今、地域課題を解き、社会をつくる主権は、民ではあるが、個人個人だけではない、あらゆる組織・団体・企業をも巻き込んで、大きな絵を描くことではないだろうか?

そのために、地域レベルでできることは

①議会改革
 →議会の1.情報公開する手段を増やす2.議会傍聴を含め住民参加を進める3.討議方法の工夫やICT活用などの機能強化
 (参考:早稲田大学マニュフェスト研究会 議会改革度ランキングhttp://www.maniken.jp/gikai/2013rank300.pdf)
 (参考:大和市議会基本条例案 http://www.city.yamato.lg.jp/web/content/000084030.pdf)

②行政改革
 →市役所は、地域のコーディネーター、ファシリテーターであるという形に変えていく。
 →市民の顔のみえる営業をおこなう。
 →計画実行は、ソーシャルマーケティング手法を使う。

③情報公開(オープンガバメント)
 →シティセールスのためのFacebook等活用、
(参考:政治山 ITにより加速するオープンガバメント http://seijiyama.jp/article/news/nws20140520-001.html)
 
④住民参加
 →自治会のみならず、NPO/NGO/市民団体を加えた産学官民連携により、計画策定、実施、評価を行う。どこがリードするかが難しいが肝要だ。
(参学官民連携成功事例:NPO法人 アサザ基金 http://www.asaza.jp/activity/rebirth2/rebirth/)

民主主義は、結果論ではなく過程論でしかない、結果を想定して過程をつくるが、その結果は万能ではない。




 資本主義の中にあっては、「格差」が生まれるのは当然であるともいえる。しかし、今この「格差」が人々の「頑張り」に比例してではなく、「富める者は楽してでも富み、貧しいものは努力しても貧しい」という点に課題があると考える。
 
 経済学者トマ・ピケティは、「ヨーロッパや日本では今、20世紀初頭と同じレベルにまで格差が広がっている。格差のレベルは、第一次世界大戦より以前の水準まで逆戻りしている」と指摘している。

 経済的な格差の大きな課題は、次世代を担う子どもの教育格差を生み、頑張っても低所得から抜け出せない人たちが未来に夢を持てないことによる社会的なリスクを生み出す点にある。つまり、格差が一定以上に拡大することによって社会的リスクは高まり、それを抑えるコストが結果的にかかるため、健全な経済成長をも妨げてしまう。

 だから、健全な貧困対策は必要なものである。「情けは人の為ならず」

 具体的に地域でできることは、

 ①誰もが希望する教育を受けられる仕組み
  →民間教育機関との連携、教育NPOとの連携

 ②希望するだけの子どもを持ち、育てられる仕組み
  →妊活支援、出産補助、子育て支援、駅前保育所の設置、中規模企業以上に保育所の設置義務化

 ③同一労働、同一待遇、同一賃金
  →公的機関からワークシェアリングの実施、ワークライフバランス推進
   地域の人が地域内で働けるように地域雇用の拡大

 ④起業倍増社会
  →若者の起業と現役引退世代のノウハウ・資金力を結びつける仕組み、
   起業準備スペースの確保、起業のための情報の提供・相談窓口、
   起業分野と同一の現存する地場企業との橋渡し

 ⑤予防医療介護の充実
  →健康寿命を伸ばすことで、現役世代を増やす。結果的に社会保障費を抑制する。
   家族への負担軽減

 





世界から日本をみて、私たちが何をできるかを考える
1.気候変動
日本にいても夏はより暑く、冬はより寒くなっているというだけではなく、局地的な豪雨、等圧線の感覚が短く風が強かったり、暖気と寒気が交わることで竜巻や爆弾低気圧のような今まで聞いたことのないような現象が生まれている。
 起こっているのは日本だけではない。年末には、マレーシア北部に洪水、フィリピンに台風、日本海側には大雪というような現象が起きた。全ての共通点は、海水温が高さと風の動き方の変化、北極南極の氷が溶けているいう点であろう。
 
 この原因については、議論がある。
 ①いわゆる地球温暖化。世界中のCo2排出量が増えたことによる気温、海水温の上昇。これは、人間活動がが起因しているというもの。最近、テレビ広報でも「地球が二つあればこのままの生活を続けられます。」と流れていますね。
 ②地球の活動自体によるもの。46億年の歴史の中で寒冷化と温暖化を繰り返してきた。今起きている現象もこの一部とするもの。
 ③太陽活動によるもの。太陽の黒点の増加や太陽フレアというものの影響で、温暖化しているというもの。これは、地震や火山活動にも影響しているという説もある。

 しかし、この原因の議論を通じて、②③には人類としての対応が簡単にできるものではない。とすれば、人間活動”だけ”によって、地球が温暖化していることに賛成でも反対でも、私たちができるのは、この人間活動に対してではないでしょうか?

 では、温暖化を食い止めるために何が必要でしょう。一般的言われているように、Co2排出を減らすことです。これには、私たちの使うエネルギーを含めた以下の知恵、工夫、技術革新を活用すべきでしょう。
 
 ①再生可能エネルギー...バイオマス、風力、太陽光、太陽熱、地熱等
 ②車の燃料の変容...ハイブリッドカー、電気、水素、バイオエタノール等
 ③3R/4R/5R...リデュース(減らす)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)、
        リファイン(精錬)、リターン(回収)
 ④水資源活用(節水)...使う量を減らすだけでなく、浄水や下水処理等
 ⑤生活様式変容...(衣)クールビズ、ウォームビズ、エコ生地
         (食)地産地消、フードマイレージ、適地適作
         (住)電力自立型住宅、建物緑化、断熱材活用、非電力住宅
         (交通)自家用車から公共交通機関、自転車へ、アイドリングストップ等  
         (その他)グリーン購入、エコバッグ
 一方で、Co2を酸素に変える緑や植物性プランクトンを増やすことではないでしょうか。
 ⑥炭素固定(専門用語でCo2等炭素吸収量を増加させること)
       ...林業促進(間伐材、木材活用)、植林、灌漑、水資源管理、森林伐採抑制、
        休耕地活用、人工的な二酸化炭素回収貯留
 ⑦システム...炭素税(環境税)、炭素市場など
 
 いずれも専門ではないので全てを網羅していないが、これらの新技術産業の支援、仕組みの導入啓蒙、国際間協力等を進めていくことが求められる。これは、わたしたちが個人や地域でもできる取り組みです。
 
 資本主義的な経済成長は大切だが、温暖化による様々な悪影響を食い止めること、他の要因によって、それが食い止められないとしても、真の豊かな生活のために、「人と自然が共生する社会」の創生はテーマになっていくだろう。
 

 本来「literacy」とは「識字能力」を意味する言葉であり、読み書きの基本的な力を表していたものであるが、特に日本ではそこから派生して「物事を正しく認識できる能力」としての意味で使われるようになった。
 
 情報が錯綜していたときには、「○○に関する正しい使用法やマナー」を表す言葉として「メディアリテラシー」や「情報リテラシー」などの言葉があり、現在のようにインターネットを通じて、誰もが手軽に様々なソーシャルメディアを使えるようになったため、「ネットリテラシー」が大切になってきた。
 
 具体的にどのような能力のことを示すのかといえば、例えば「ネットを利用して自分の欲する情報を得ることのできる能力」や「その情報が正しいものであるかを判断できる能力」、「ネット絡みのトラブルに巻き込まれないための自衛能力」などが挙げられる。

 ネット利用者なら少なからず認識しているだろうが、インターネット上には危険や嘘が付き物である。嘘を嘘として楽しむような場では問題ないが、そうではないところではこういったネットリテラシーが必要不可欠である。2chなどの匿名掲示板、ブログやtwitterなどの書き込みに安易に左右される人が増えている、ネットの世界に依存している人が増えているといわれる中、自らの身を守る上でも今一度自身のネットリテラシーを見つめ返すことも大事かもしれない。

 よって、ネット上の情報だけでなく、信頼できる筆者の署名記事や、友人、知人、家族などの意見、当事者の生の声などの複数の情報を総合して判断することが大切である。
大人にも難しい判断であるが、ネット環境により接することの多い子どもたちにとって、「リテラシーliteracy」が大切になる。

 このリテラシーを高める活動をされているのが、情報モラル教育を進める 「非営利型一般社団法人子どもコミュニティサイト協議会」http://c-coms.or.jp/、「株式会社教育ネット」http://www.edu-net.co.jp(準備中) である。
先日、代表の大笹いづみさんにお会いして、全国で素晴らしい活動を紹介していただきました。

参考 

小学校向けSNS「ぐーぱ」 https://www.goo-pa.jp/
最新ネット事件ニュース http://www.iajapan.org/hotline/inews/c-inews.html
ネット社会の歩き方(学校利用の教材) http://www.cec.or.jp/net-walk/index.html
小学館ファミリーネット http://family.shogakukan.co.jp/news/2013/06/sns-1.html