誕生産まれついたとき、自分の世界に籠ったままだった。泣くこともせず、誰かに世界を開いてもらうのを待った。開かれたとき、泣くことを思い出したようにひたすら泣いた。まだ寒さの残る春先に僕は産まれた。言い方を悪くすればいつのまにか出来てしまっていた。そんな3兄弟の末っ子。名前は次男であるがゆえにひとつ冠を付けて簡単に○二郎産まれながらにして二番目のレッテルを張られるのだった。ただ、そんなこともよくある話。父親によくにた、普通の子供。家族の暖かさに包まれこれからをむかえる。