いい子は家で / 青木 淳悟 | [A] Across The Universe

いい子は家で / 青木 淳悟

この本は参った。
「一本とられた」という意味の参ったではなく、本当に参った。

私にはどのように評価してよいのかわからない。

某新聞書評欄において、敬愛する江国香織が推奨していたので久しぶりに小説を読んでみたのだが、内容は作者が実験的に書いたとしか思えない。

夢と妄想をかき集めて出来上がったような「いい子は家で」。
日常生活を古舘伊知郎に実況中継させたものを書き起こすと完成しそうな「ふるさと以外のことは知らない」。
意地悪な娘の視点で親父を描写し、それを息子に書かせた風の「市街地の家」。

残念ながら私とは感性が異なるようだ。
作家である江国さんにとっては、作品の参考となるプロットが豊富であることを指して推奨されたのかもしれないが、読者にとってはどうなのだろう。

江国香織推奨のコメントを読んで購入してしまった方がたくさんいらっしゃるだろう。
江国さんもひどいことするなぁ。





青木 淳悟
いい子は家で