BALLADS / John Coltrane | [A] Across The Universe

BALLADS / John Coltrane

JAZZ初心者のおすすめ盤に必ず入っているのがコルトレーンの「BALLADS」。
コルトレーンといえば、名前を知っている人は多い。
また、「良くわかんないアドリブばっかバリバリ吹いてる奴」と言う印象を持っている人も多いだろう。そしてそれはまったくその通りだ。だから、初心者は間違っても私のように最初から「至上の愛」からコルトレーンに入ってはいけない。JAZZ嫌いになることを保証する。
やっと最近コルトレーンのバリバリブリブリのアドリブを「シーツ・オブ・サウンド」だと耳が認識し始めた。ここまでたどり着くのに100枚以上かかってしまった。

身構える必要がまったくないのが、BALLADS。

John Coltrane
Ballads
1 Say It (over and over again)
2 You Don't Know What Love Is
3 Too Young to Go Steady
4 All or Nothing at All
5 I Wish I Knew
6 What's new
7 It's Easy to Remember
8 Nancy (with the Laughing Face)

バラードだけ。
それも究極のバラード。雰囲気はすごーくエッチだ。これをコルトレーンの傑作だという方もいる。
何故コルトレーンがこのアルバムを作ったのかとても不思議だ。他の作品には全く見られない丸さ、甘美さ。突然変異とも思える作品。逆にいえばだから初心者におすすめできる。
突然変異でも、メンバーはコルトレーン・チーム最強のメンバー。
John Coltrane (ts)
McCoy Tyner (p)
Jimmy Garrison (b)
Elvin Jones (ds)
マッコ・タイナーもエルヴィン・ジョーンズも本当に控えめで過度の自己主張せずに和をもって尊しとする。

マウスピースの調子が悪かったからバリバリ吹けずにバラードになったという説もあるが、うんちくを持ち出すまでもなく、良いものは良い。

Say Itでまず心をほぐされて、You don't Know What Love Isでトロトロに溶けてしまえ。
深夜にグラスを傾けながら、昼下がりに紅茶を楽しみながら、官能の世界へようこそ。