山口2区補選...本当に勝利?
日曜日に行われた山口2区の補欠選挙は民主党の勝利。
我が民主党の幹部やマスコミからは、
「政権交代への大きな一歩」、
「2万2千票もの大差での勝利」など、
勝利のコメント、見出しが並ぶ。
が、しかしである。
私は全く見方が異なる。
最終結果は、
平岡秀夫 民主党 116,348 55.2%
山本繁太郎 自民党 94,404 44.8%
票差は2万2千票止まり。
9万4千人を超える人が自民党に入れている。
正直、ショックである。
今回の選挙で、自民党にいい所は見当たらなかった。
自民党にとってはかなりの逆風であっただろう。
民主党は、後期高齢者医療制度、ガソリンの暫定税率、
年金等など、戦う材料は目白押し。
しかも、共産党は候補者を立てず、自民党と民主党の一騎打ち。
加えて、平岡さんは元々選挙に強い
(郵政選挙でも588票の僅差で惜敗、比例区復活)。
過去の選挙結果を見てみると、
05衆議院議員総選挙(小泉郵政解散)
福田良彦 自民党 104,322 47.1%
平岡秀夫 民主党 103,734 46.8%
山中良二 共産党 13,499 6.1%
03衆議院議員総選挙
平岡秀夫 民主党 109,647 51.6%
佐藤信二 自民党 91,087 42.9%
山中良二 共産党 11,721 5.5%
00衆議院議員総選挙
平岡秀夫 民主党 104,372 47.5%
佐藤信二 自民党 97,355 44.3%
山中良二 共産党 18,064 8.2%
仮に、過去の得票数を基礎に、
単純に民主党と共産党を合わせてみると、
08衆議院議員補欠選挙
民主党 116,348 55.2%
自民党 94,404 44.8%
05衆議院議員総選挙(小泉郵政解散)
民主+共産 117,233 52.9%
自民党 104,322 47.1%
03衆議院議員総選挙
民主+共産 121,368 57.1%
自民党 91,087 42.9%
00衆議院議員総選挙
民主+共産 122,436 55.7%
自民党 97,355 44.3%
今回の選挙結果と、過去の得票率とでは、
劇的な変化は見られない。
過去の選挙で共産党の候補者に入れていた有権者が、
今回、自民党に入れたとは考えにくい。
投票率が70%近いと言うことは、
共産党の支持者が棄権をしたとも考えにくい。
大多数は民主党に入れたと考えるのが妥当であろう。
もし、共産党の候補者が出ていたら?
後期高齢者医療制度などを前面に出し、
恐らく1万~1万5千票は獲得していただろう。
民主党からこの票数を差し引いたら...
自民党との票差は1万票にも満たなかったであろう。
同じ日に行われた、埼玉県内での県議会議員の補欠選挙は、
共産党候補 5725
自民党候補 5657
民主党候補 5003
民主候補は敗れ、共産党候補が当選した。
繰り返しになるが、9万4千人もの人が、
それでも自民党に入れている。
この数字は脅威である。
民主党の執行部は勝ち負けではなく、
票数と票の濃さについてもう少し注意を
払うべきではないだろうか。
「自民党はダメ」でも、「民主党は大丈夫」とは
国民は必ずしも思っていない。