私たちはよく、「正社員」という言葉を日常的に使っていますが、正社員とはどのような社員のことを示す言葉なのでしょうか?


実は、労働基準法には、正社員を定めた記述はありません。


労働基準法では、「職種の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」(第9条)すべてを「労働者」と定義しています。


ですから、労働基準法上は、正社員もアルバイトもパートもすべてひとしく労働者なのです。

(特に、アルバイト、パートなどの言葉は、労働現場で一般的に使用される呼称であって、法律上の定義ではないため、それぞれの職場によって、微妙に使い方が異なっていることもあります)



一般に、正社員とは、職場である企業に、「期間の定めのない契約」で「直接雇用されている」人たちのことを言います。

このため、正社員は、雇用契約期間満了による退職がないので、よほどの事情がない限り解雇が認められない日本においては、その雇用が厚く保護されているわけです。


これに対し、契約社員やアルバイト、パートは、職場である企業に、「期間の定めのある契約」で「直接雇用されている」人のことを指し示します。

これらの人は、正社員と違い、期間の定めがある契約なので、雇用期間満了によって職を失ってしまうことがあります。


一般に、労働時間が、その職場で働く正社員と同程度の場合、契約社員と呼び、少ない場合をアルバイトやパートと呼んでいます。


アルバイトとパートについては、本来の仕事や学業を持つ人が副業的な意味あいで働く場合、アルバイトと呼び、主婦などがあいた時間を利用して働く場合をパートと呼ぶ場合が多いようですが、呼称の違いに法律的な意味は全くありません。


尚、このアルバイト、パートなど、働く時間がその職場で働く通常の労働者の所定労働時間より短いも労働者は、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(通称パートタイム労働法)の中で、「短時間労働者」と定義され、様々な保護がされています。(当然のことですが、パートタイム労働法と呼ばれていても、アルバイトと呼ばれる人もこの法律の保護対象となっています)


短時間労働者の場合、雇用契約期間満了後に契約の更新があるかないかが、とても重要なこととなってきます。そのため、契約時に交付される労働条件通知書の中に、更新の有無と更新の際の判断基準を明示することが別途、義務づけられています。