タイトルでは、クロ151登場となっているが、単なる1車種のデビューにとどまらない。
当時、考えつくされた最も豪華な車両クロ151のデビューによって、戦前からの国鉄
シンボル特急「つばめ」「はと」を客車から電車に置き換えて、これからの特急は、
客車を辞めて電車で運行する!という決意を示したものである。世界の潮流に逆らう
事実上の大日本電車帝国の設立宣言であった。
車両は大きく分けて、4人掛けソファーの区分室とじゅうたんの通路を挟んで両側に
1人掛けのR2形回転式フットレスト付きのリクライニングシートをシートピッチ1,100㎜
で7脚ずつ配置した開放室に分かれていた。
各座席には、給仕(ボーイ)の呼び出しボタン・シートラジオ及び電話ジャック(給仕が
ポータブル電話器を持参し座席で通話出来る)を備え、おしぼり・紅茶・クッキーがふるま
われた。
運賃は、3等級制の2等料金(パーラーカー特別料金6,100円)が適用され、客車特急の
展望車1等料金(7,640円)から値下げとなった。
なお、最終製作車両のクロ151の12号車の区分室の窓は、VIP仕様の3層防弾ガラスと
なっていた。