前回 ナゾの死体を発見し、壁が音を立てていたのに怖気づいた炎獄
今回は ブルーベリーの激闘が起こる
★――――― 一瞬の激闘 ―――――★
壁が音を立てて崩れ落ち その中から巨体が影を引いて現れた
「よー 炎獄君」
などと陽気な声を出して炎獄に近づいてくる青鬼
「へえ・・・なんか取引でもしようってわけ??」
炎獄が不審そうにその巨体を見ていると
「うん なんでわかったのさw」
なーんて またもや呑気にそういったセリフを吐かれ
炎獄は少し呆れた こいつやる気あんのか?・・・ などと考えたりしながら
やっぱ 手っ取り早く片づけるかw と判断
だが一瞬悩んだような顔をしたが やがて槍を構えると
待った
と青鬼から一言
青鬼がなぜか不気味に笑って
「キミ、設定を本気で無視しちゃってるよねw」
この瞬間炎獄の口から「あ」の一言が漏れた
たしかに設定を無視している この炎獄は
「設定じゃ 無口なはずなのにベラベラとしゃべりすぎてるよねキミ」
そう言われて顔を真っ赤にし「お、俺に設定なんざいらねえよ」と一言放つ
まあ 設定はともかく と言って青鬼は続ける
「この子の命はどうしたらいいのかな?」 の一言と同時に
「ごめん、捕まっちゃった」 と額に汗を浮かべて言うその姿 蓮である
「ちょ なに勝手に捕まっちゃってんのぉぉぉぉぉ」 炎獄が蓮に向かって思いっきりシャウト!
「外で待ってるって約束だったろ なんで青鬼に捕まってんの!」 さらに二度目のシャウトを終えた後
連が涙目で言い始めた
「だって・・・みんなのことが心配だったもん・・・」
言い終わった後で蓮は俯く
ハァ とため息をついて 炎獄は改めて青鬼のほうを向いた
んじゃお前ぶっ飛ばしてとっととレンもらっていくよ 炎獄が戦闘態勢を取ったとき 後ろから 韻極が走ってくるのがわかった
「援護するよ!」 そう言い放ち 剣を持って走っている
どこから現れたのかは知らないが好都合 勝てずともぶっ飛ばすことはできる!
そう考えて 槍を逆手持ちにし 渾身の力を込めて投げる
「ふんぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 三度目のシャウト!
その時である 急に蓮がフフッと笑い 「フェイクマジック!」と叫んだ
「え?・・・」
そこにいた青鬼はいつのまにか蓮のいた位置に移動 連は見当たらない
後ろからの韻極はどうした 一向に援護がこねえじゃねえか
炎獄が振り向けば そこにも青鬼の姿
「騙されたのかよ俺は!」
左右から挟まれて絶体絶命
両サイドより炎獄へと 青鬼が口を開いてとびかかる
無数の牙はどんな物をもかみ砕いてしまいそうなぐらい鋭かった
その瞬間である 炎獄が地面に伏せて頭を押さえていると その上方で牙と牙がぶつかり合って自滅した
紫色の気味の悪い巨体の下敷きになりながらも 炎獄は危機脱出であった
「この館いろいろとおかしいとこあるけど とりあえず 森羅のとこへ行ってみよう・・・」
炎獄は階段を上る 寝室へ移動したのだがベッドの上を見てみたら森羅が手を振って
「おかえりー♪」 なーんて 呑気な声で言っていた
「しかもお菓子食べてるし・・・こいつ 少しこの館を甘く見てるのか?・・・」
「ん?なんか言った??」
「いや なんでもねーよ」
そーいや腹減ったなー なーんて考えながら どっかに食い物でもねーのかな と辺りを見てみると お菓子の瓶はあったのだが 全て空っぽである
全部食ったのかこいつ、食い意地張り過ぎだろ! シャウトしそうになった炎獄が間一髪でそれを抑えた
女子のことだ 食いすぎなんて言われたら怒るに決まってる・・・
さっき表情の硬い炎獄を見ていた森羅
四つん這いになって お菓子の瓶を背中に乗せて炎獄の目の前に寄ってくる
「ねえねえ お腹空いてんの??さっきからイライラしてるみたいだけど」
「べ、別に?・・・」
「絶対空いてんでしょ」
「違うんだよ 俺はな・・・」 言いかけたときに
「ほら、あーん」 そう言って森羅は口の中にちょっと甘いお菓子を放り込む
美味い・・・自然と笑顔になりそうだったが 気を取り戻して
「いや、そうじゃなくてさ!!」 とシャウト(シャウトすんの何回目だよお前)
「どこのブルーベリーともわからぬやつがすぐそこまでせまってるかもしれないんだよ??さっきも一階で襲われたし、避けられたせいで投げた槍どこ行ったかわからなくなったし」
「やっぱりお腹空いてんじゃないのよ 私は化け物に襲われなかったし ほらほら あーん」
「いや お前はずっとここにいただろうが」 と口が開いたところでまたもやお菓子を放り込まれる
やはり美味しいな 俺ずっとここにいたら幸せ者なんじゃないだろうか
じゃなくて!
「待て待て待て 冷静に考えたらお前も図書館の中で出会っただろーが」
「ん??何のこと???」
覚えてねえのかよ
無駄に動けば青鬼と遭遇する確率が高くなる しばらくこの部屋で過ごそうかな・・・
そう考えてため息をついたとき またあのお菓子が口の中に・・・
「落ち込まないで ほら、お菓子でも食べて元気出してよ あーん」
どんだけ 俺に手からお菓子与える気だよお前 俺は赤ん坊か!?