デリー到着 | インド生活記 What's up, Vizag?

インド生活記 What's up, Vizag?

旧ブログ名【インド・大学院留学 〜Hi, ハイデラバード〜(2011.7-2013.6)】
インドHyderabadのUniversity of HyderabadでMA(一応修士号)を修了した筆者が、今度はNGO職員として赴任したVizag(バイザッグ)ことVisakhapatnam(ビシャカパトナム)での生活を綴ります。

デリーの空港は予想を遥かに超えた綺麗さだった。ペプシの自販機と、動く歩道、そしてWelcome to Indiaの文字を見た時点では、日本やアメリカの空港と全く変わりはないように思えた。タクシーに乗って、ホテルに向かう。添乗員のおじさんは、日本語がぺらぺらだった。
日本語がぺらぺらのインド人は、100%怪しいということを聞いていたので、最初はかなり警戒してかかった。しかし日本語が達者で、留学をしに来たと聞くと、インドの経済(主に物価)の話や、北インドと南インドの話など、添乗員にしては小難しい話をしてくれるし、明日の出発のための情報などやたらと親切だった。本で書いてあること、現実のインドは全然違うという話しを聞いたり、インドの大学院生は毎日10時間勉強するとか脅されているうちに、本当に良い人なのかとも思えてきた。まぁ、仮にお金が目当てだとしても色々情報をくれたし、荷物も運んでもらったので、少しだけチップを渡そうとした。すると、
「学生からはお金なんてもらえないよ、あげるがわだよ」
と言い放って結局チップを受け取らずに、困った時のために連絡先を教えてくれた。えっ、こんなインド人いるの?ガイドブックや旅行経験者の話から、マジで警戒していたおれは、親切への感謝よりも何か不思議な気持ちになった。まぁ、このインド人のおっさんはデリー大学で政治学の修士をとっているらしく、おそらくかなり上流階級のインド人だったんだろう。

しかし、それはインド人を信用する理由には全くならない。やっぱり一般的なインド人はお金にがめつい。ホテルに着くと、とにかく色々いるものはないか聞いてくる。これは、ガイドブックで予習済みで、後からチップを請求されるパターン。まぁ、着いてすぐはいらないって言ってたけど、食事の時は、腹も減ったし、値段だけ聞いて金額が大丈夫そうなら言う通りにしてみた。最初はビールを進めてきた。インドでは酒はあんまり飲めないと聞いてたけど、普通にあった。120ルピー(約240円)を120円と勘違いして、「安っ」とか思って注文したあとに、1ルピーが2円だからそんなに安くないと気付いた。その後チキンを注文して、カレーっぽいのも薦められたから注文してみた。それはそれで上手かったからよかったけど、人のスプーンまで使い食い方を伝授してくるのはさすがに困った。ホテルのレストラン(というより食堂)にいるのはおれだけで、おっさんはとにかく絡んできた。

そして、そのおっさんは一枚のコインを取り出して、お前の国の金を持ってると言ってきた。それは、韓国の100ウォンコインだった。おれは、ここで生まれたささやかな友情を壊しては行けないと思い、コリアのお金ということを黙っていた。すると、おっさんは、そんなおれの心粋を無視して「両替してくれ」と言ってきた。

こいつめ、、、それでもおれは、いくらの価値か聞かれたとき日本のお金にして100円と考えて50ルピーと言ってしまった手前、引き返せなくなり、おれは2年もインドにいるんだから無理だよ、しかしそれでもおっさんはしつこく「いいじゃん、両替してく」と言ってくるから、おれは本当のことを言ってやった、
「あなたを悲しませないために、うそつきました。これ韓国のお金だから両替とか無理」


空港からホテルまで、車で走った。全ての車が想いのままに走っているため、車線が全く意味をなしていない。前に出なければやられる。そんな仁義無き戦いに歩行者までも参戦して、ストリートはまさにカオスと化している。

「インドに来たんだな。」
クラクションの中を巧みにすり抜けるタクシーから、街の雑踏を眺めて、そんな風に思った。これから、おれのインド生活が始まる。