JJです。


私の実家(和歌山)の風呂釜が壊れたということで、これを機にプチ・リフォームを検討していて、オール電化か?ガスか?悩んでいると相談を受けたんです。


両親は、70歳を越えて二人暮らし。私は長男ですが、離れて暮らしてるんですが、こういった相談は、顔を合わせずに電話だけでやろうとすると、本当に疲れますね


当初は、ガスの方が初期設備投資費が安く、いくらオール電化にすれば月々の電気代が安くなるといっても、初期投資の差分を取り戻すには、何年もかかるということで、ガスに傾いていたんですが


実家の風呂の近くに新しいガス給湯器を設置しようにも、現在の規則では換気スペースを確保することができないと判り、急遽オール電化が本命となったんです。


そのオール電化でも、エコキュート(空気の熱を吸い取って、その熱でお湯を沸かし、外に冷たい空気を排出するという設備)付きの電気給湯器か?単なる電気給湯器か?で、ここ数日、大揺れに揺れました。


実家の父が、当初オール電化相談窓口に問い合わせたところ、エコキュート付きの電気給湯器にした場合、現在のガス/電気併用と比べて、年間いくら安くなるかの試算をもらったそうです。


その時に、エコキュートというのが、いかにお得かということを説明してもらったとのことでした。


私は、おおよその話を聞いたところで、エコキュートなしの単なる電気給湯器の場合、現在のガス/電気併用と比べて、年間いくら安くなるかの試算を、なぜもらわなかったの?と父に尋ねたら


「エコキュートは、えらくお得という風に説明してくれたから、エコキュートなしの試算は、もらうまでもないと思ったので、お願いしなかった。」とのこと。


父親の中では、エコキュートは間違いなくお得だから、絶対絶対必要なものと刷り込まれてしまってましたので、当然、単なる電気給湯器の設備費用が、エコキュート付き電気給湯器に比べて、いくら安いかも見積もりしてもらっていませんでした。


初期投資の差分=(エコキュート付き電気給湯器設備費)-(単なる電気給湯器設備費
月々の電気代の差=(単なる給湯器の場合の月電気代)-(エコキュート付給湯器の場合の月電気代)


(初期投資の差)÷(月々の電気代の差)
エコキュート付きの初期投資の差分を、何年何ヶ月で回収できるか?


の算出が必要やで!と父親に繰り返し、繰り返し説明し、声も枯れ、喉も真っ赤になったころ、やっとのことで説得でき、再度、オール電化相談窓口で試算してもらったんです。


結果は・・・・、

エコキュート付き電気給湯器と単なる電気給湯器を比較した場合、

初期投資の差分を回収するのに、10年以上かかると判りました。


つまり、エコキュートを十数万もかけて付けても、エコキュートなしの単なる電気給湯器の場合より、年間1万円、月々830円程度しか安くならないと判ったんです。


父親は、あんなにエコキュートが素晴らしい技術で、お得になると言ってたのに、うちの場合は、たった月々830円しか違わないんか!と驚き、なんで、そういう比較試算を、最初からしてくれないんだ! こちらから試算して!と依頼しないとしてくれないなんて、不誠実だ!プロとちゃうんか!と怒っていました。


まぁ、オール電化でエコキュートを売りたいと思っている側の人たちとしたら、要求されてもいない不利な試算を、わざわざする必要はないんでしょうが、それにしても、不親切ですよね~。


その相談窓口の女性は、父親が帰る際、「個人的には、夫婦お二人のご家庭なら、今回エコキュートなしで十分と思いますし、お薦めします。」と言ったとのこと。


最初から、そうアドバイスせぇっちゅうに!そうしたら、喉も痛めんで済んだのに・・・。


エコキュートが、大量にお湯を使う大家族の場合に威力を発揮するというのも、今回調べた結果わかりましたので、どの場合でもエコキュートは、採算にあわないとは、思いませんが、少なくとも、年老いた夫婦二人の場合では、贅沢品というか、導入しても、コスト的メリットがでるのは、遠い先の話ということのようです。


昨今、エコエコとイメージだけで商売しようという傾向が、年々強くなっているように感じていましたが、これをむやみに振り回し、顧客本位を忘れてしまう、そんな風潮を実感した話でした。