『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』 | じろう丸の徒然日記

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私こと、じろう丸が、日常の出来事、思うことなどを、気まぐれに書き綴ります。

久しぶりに、アニメーション映画を鑑賞してきた。
京都アニメーションの、おそらく現時点で、劇場用作品としては最新作だと思われる『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』である。
この作品は、7月京都アニメーション第1スタジオを襲った例の事件の、まさに前日に完成していた。
だから、もしも完成が1日遅れていたら、あるいは凶行1日早く行われていたら、この作品は日の目を見なかったかもしれないのである。
そう思ったら、何となく、亡くなられたスタッフさんたちのためにも、観ておきたいという気持ちになって、映画館に駆けつけてしまった。
 
監督:藤田春香
監修:石立太一
脚本:鈴木貴昭浦畑達彦
キャラクターデザイン・総作画監督:高瀬亜貴子
世界観設定:鈴木貴昭
美術監督:渡邊美希子
音楽:Evan Callエバン・コール
アニメーション制作:京都アニメーション
原作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
暁 佳奈(KAエスマ文庫/京都アニメーション)
(C)暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会
 
この作品は、もともとテレビシリーズとして放送されて大好評だったため、完全新作外伝(番外編)2本劇場版が製作されることになったのだが、外伝はこのたび無事に公開されたが、完全新作の方は例の事件の影響で制作が遅れ、予定されていた公開日も延期となりファンをヤキモキさせたが、どうやら製作が中止になることはなく、目下のところ鋭意制作中だそうである。
 
私はテレビシリーズをまったく観ておらず、原作の小説も読んだことがないのだが、幸い、京都アニメーションYouTube公式チャンネルを持っていて、そこでテレビシリーズのストーリーを簡単に説明する動画が公開されていたので、映画館に行く前にそれを視て基本設定を予習した。
おかげで、この外伝のストーリーもちゃんと理解して楽しむことができた。
【KyoaniChannel】
5分で分かるアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』第1回


 
【KyoaniChannel】
5分で分かるアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』第2回


 
物語の舞台は、20世紀初頭欧州を思わせる架空の国で、実際この国は、文明もその頃の時代とほぼ同程度の発達をしているようだが、美しき主人公の女性の両腕は、その時代には有り得ない精巧な機械仕掛けの義手である。
その主人公、ヴァイオレット・エヴァーガーデン(声:石川由依は、かつては兵士として戦場闘いに明け暮れていたが、最後の戦闘で両腕を失い、直属の上官であるギルベルト少佐(この外伝には登場しない)とも離れ離れになった。
本物の腕のように動く精巧な義手を移植されたヴァイオレットは、戦後はギルベルトの親友だったクラウディア・ホッジンズ(声:子安武人の経営する郵便会社で、「自動手記人形」、通称「ドール」と呼ばれる、手紙の代筆人の職に就いた。
 
テレビシリーズ“本伝”では、軍人の経験しかないヴァイオレットが、代筆依頼人気持ち忖度する必要のある「ドール」の仕事を覚えるのに悪戦苦闘する様子が描かれるが、この外伝での彼女は、代筆タイプライターを用いる)の技術のみでなく、この仕事に必要な礼儀作法なども既にしっかりと身につけている、という設定で登場してくる。
その優秀さを買われてヴァイオレットは、良家の娘ばかりが学ぶ女学校にいるある少女教育係を頼まれる。
 
その少女イザベラ・ヨーク(声:寿美菜子は、名家たるヨーク家の娘だが、妾腹の子であったためにヨーク家からは無視され、戦後の焼け跡の残る街で、金目の物を拾い集めてはそれを売り、わずかな金を得て暮らしていた。そんな彼女の当時の名前はエイミー・バートレットといった。
ある日、街で戦災孤児の幼い少女(声:悠木碧と出会ったエイミーは、その少女テイラーという名前を与え、自分のとして一緒に暮らし始めた。
 
だが、ある日突然、ヨーク家の使いが、エイミーテイラーの暮らすあばら家に踏み込んできた。
正妻の子が死亡したので、今になってエイミー後継ぎとして迎えようというのである。
無論、この身勝手な申し出をエイミーは拒んだが、しかし冷静に考えれば、自身もまだ子供であるエイミーが、この先もテイラーを育てていくのは不可能であった。
かくして、エイミーヨーク家に、幼いテイラー孤児院に、それぞれ引き取られることになった。
ヨーク家の使いと共に去っていくエイミーを、テイラーは泣きながらいつまでも呼び続けた。エイミー後ろ髪を引かれる思いで、テイラーと暮らしたあばら家を立ち去ったのである‥‥。
 
ヴァイオレットイザベラ教育係の役目を終え、明日は帰るという最後の夜、エイミー・バートレットことイザベラ・ヨークは、離れ離れになった“妹”手紙を出したいとヴァイオレットに申し出る。
快く代筆を引き受けたヴァイオレットは、イザベラから事情を聴いて、まだ会ったことのないテイラーという少女に、自分も手紙を出すことにした。“困ったことがあったら私を訪ねてきてください”と書いた手紙を。
2通手紙は、ヴァイオレットの同僚の配達員、ベネディクト・ブルー(声: 内山昂輝によって間違いなく、孤児院にいるテイラーの元へ届けられた。
ベネディクト口は悪い心根は優しい青年で、字の読めないテイラーのために、手紙を代わりに読んで聞かせてくれた。
2通手紙に書かれていた言葉を聞きとったテイラーは‥‥。
 
ヴァイオレット代筆する手紙は、実のところそんなに凝った内容ではない。とても短くて簡潔なものである。
しかし、そこに書き出された言葉は、優しく美しく、人を思いやる気持ちがしっかりと込められているのだ。
Twitterなどで乱暴な汚い言葉を見かけることの珍しくない現代、この“美しい”アニメーション映画が無事に完成し公開されたことの意義は大きい。
より多くの人に観て欲しい作品である。
ちなみに私は、『ロッキー』以来、久しぶりに映画を観て泣きそうになった。
 
【KyoaniChannel】
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』予告


 
この映画のオフィシャルサイト↓
http://www.violet-evergarden.jp/sidestory/
 
(おまけの動画)
【KyoaniChannel】
アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』制作風景 第1弾「総作画監督」


とても丁寧な作画作業の様子が記録された動画。
第6弾まであるので、ぜひ公式チャンネルでご覧になってください。