「午前十時の映画祭」にて鑑賞。

名作がリーズナブルに大画面で見られるいい企画だと思います。

ニクソン大統領のスキャンダルを暴いた新聞記者のお話。

政権に忖度しないジャーナリズムの気骨が感じられて爽快です。

二人の若手記者を後押しする上司もカッコいい。

映画の演出は事件の関係者への取材が中心のほぼ「会話劇」と言っていいでしょう。

派手なアクションなどはほぼないですが、事件の真相に近づくにつれて緊迫感が伝わってきます。

匿名の情報提供者「ディープ・スロート」から情報をもらう場面は、暗い劇場でみると一層雰囲気がありました。

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「トレインスポッティング」のダニー・ボイル監督作品。

インドのスラムで生まれ育った主人公がクイズ番組に出演。

次々と難問をクリアしていくが、その背景には彼の辿った紆余曲折の

人生があった。。。

私はこの監督の「トレインスポッティング」が大好きで、以後の同監督作品

に対する期待度のハードルは高いものがありますが、しっかりそれに応えて

くれたと思います。

本作品の舞台はインドなのですが、それを選んだ理由として、

インドが世界有数の映画大国であること、また対照的にハリウッドに元気が

なくなってきていることが影響しているのかな~、とも感じます。

猥雑なアジアの熱気や、衝撃的なスラムの描写がリアルに伝わってくるし、

たくましく生きる主人公には共感を覚えました。

希望に満ちた「運命」を信じたくなる、爽快感にあふれた名作だと思います。


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テリー・ギリアム監督作品はとにかくアクが強い。。


それは幻想的な映像美だったり、登場人物がみんなヘンだったり、

マニアックな小道具だったり・・・とか。


そうした演出を随所に散りばめつつ、しっかりとしたメッセージ性を

持っているあたりがニクいところですが。


本作では、個人情報が当局に厳しく管理された近未来の社会を

強烈なブラックユーモアで描いてます。


テロリストの容疑をかけられた女性に恋してしまった主人公。

公職にありながら、自らの地位を投げ出してその女性を助けようと奮闘するが。。


次第に組織に追い詰められていく主人公。

対照的に、BGMで流れる「ブラジル」の陽気なサンバのリズムに強烈なアイロニー

を感じます。


闇の空調技師(笑)役のロバート・デニーロの好演も光ってます。