透析治療は毒素だけでなく栄養素も抜ける
栄養サポートチーム:NSTは
入院中の患者さんの栄養状態を改善し
ご自分での食事摂取や早期退院などを目標とするチームです。
私もメンバーで
週に2回病室を回診しています。
今月は
群馬県の他の医療機関から
日高病院のNSTを勉強に来てくれていて
実際回診についてもらったり
勉強会を開催したりしています
先日私も勉強会でお話しました
テーマは
慢性腎臓病/透析患者における栄養療法
~たんぱく質と低栄養~
その中で
透析治療中に
毒素と一緒に抜けてしまう栄養
についてもふれたので
ここで御紹介します。
血液透析では
(血液流量200ml/分、透析液流量500ml、4時間)
1回の治療で
アミノ酸7~12g、ブドウ糖25g
が抜けてしまいます
腹膜透析では
たんぱく質4~6g
が抜けます
他にも
水溶性ビタミン(B1・B2・B6・C)が抜けますが
これは
食事が食べられていれば通常は問題ありません。
微量元素である
鉄とか亜鉛は除去されませんが
食事療法の結果
減ってしまっている人が少なくありません
この2つは不足すると
味を感じなくなったり変な味に感じてしまうことがあるので
食事が進まない原因になります。
アミノ酸も透析で漏出してしまいます。
若くてしっかり食べられる人は
大きな問題ありませんが
ご高齢の人や食が細い人では
過剰な透析でアミノ酸が抜けてマイナスになっていきます。
抜けた栄養を賄おうと
体が自分の筋肉を壊して栄養を得るので
筋肉が衰えていくことになります。
結果
サルコペニア
と呼ばれる
筋肉が減った/弱った状態になっていきます
これを遅らせるためには
安静にしているのではなく
しっかり食べてしっかり動くことが大切です
ゆっくりでいいので
毎日歩く時間を作りましょう
どこかの芸人の話ではありませんが
『筋肉は裏切らない』
ですよ
筋肉の源(たんぱく質)を沢山食べると
筋肉は作りやすくなりますが
透析で抜くべき毒素も増えてしまいます。
でも
ある程度は
食事療法と薬で調節がつきます。
栄養状態がよくなれば
透析のやり方をより効率よく
毒素が抜ける方法に変えると
食事療法にも広がりがでますので
ある程度栄養状態が戻るまでの辛抱です。
栄養士を味方につけて
こまめに自分にあった栄養を聞いて
上手に筋肉を付けていってくださいね
食べて動く。
シンプルですが一番大切です
こちらも合わせてどうぞ
1日ねたきりで体は2歳も年を取る 筋肉と老化について
https://ameblo.jp/jinzouhakase/entry-12450621162.html
サルコペニアって知ってる
https://ameblo.jp/jinzouhakase/entry-12429127832.html
最後までお読みいただいて
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日本腎臓病協会ホームページ https://j-ka.or.jp/ 腎臓netホームページ https://www.jinzou.net/JinzouTop/home.html
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以前のブログは、
yahooブログ『日高病院腎臓病教室へようこそ』をご覧ください