仁太劇場 「白の男 その14」 byニョロ
もうお前は思い出しているんだ。
頭の、いやハートに消えてなくならない思い・・・・・。
サングラスの男が言った。
この潮の香りがお前の頭に沁みこんでいるのだから。
俺はゼロ!
ゼロだ。
全ての物事が始まるスタート地点。
お前とドゥルは俺が育てた。
そう!俺が見つけ出し、一から全てを。
一人前の・・・いや超一級の殺人者になるために!
まさか・・・?
殺し屋・・・・・
俄かにはは信じられない。
そして、彼女も・・・・。
彼女も殺し屋だなんて・・・・。
愛した女・・・。
俺がゼロ。
ドゥルはナンバー2。
女としては最高の暗殺者だった。
多分ナイフを使わせたら彼女はトップだった。
そしてお前が6号・・・ロクゴウ。
もう分かるだろう、俺の6番目の作品だ。
お前たち二人は実によく働いてくれた。
優秀で、そして美しかった。
芸術的な殺し!
俺の目指したものだ。
しかし、その時は来た。
ドゥルが組織を辞めたいと言い出した。
理由はお前とは関係ないって言い張ったがな・・・・。
だが理由がどうであれ、裏切りには違いない。
俺は、お前にドゥルの抹消を命じた。
それしか道はなかった。
本当の一人前に成るために、お前にな!
そして・・・・・お前はやり遂げた。
つづく