生ビールサーバー | お店を持ちたい!! 方のために

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生ビールを出すという店では、ほとんどが生ビールサーバーを置くでしょう。
下のような形が一般的ですが、バーやレストランのカウンターに置くには少し無粋な格好ですからドラフトタワーと呼ばれる注ぎ口を立てます。
生ビールサーバー
これが生ビールサーバー(25Lタイプ)
ドラフトタワー
そしてこれがドラフトタワーの例
格好良いですし、何より生ビール!という雰囲気があります。
だからどの店にも置いた方が良いのではないかと思われるのですが、残念ながらこの生ビールサーバーはとても原価が高くなってしまうのです。

生ビールの卸値は1リットル当たり500円くらいですから、350mlのグラスに注いだとして約300ml注げますので(泡が出ます)1杯当たりの原価は約150円です。
しかしこれは全く無駄なく注いだ場合であって、連続して何杯も注がない限りサーバーの構造上ロスが相当出るのです。しかもサーバーは毎日洗浄しなければならず、その際管に残ったビールは捨ててしまいます。また樽を交換する際にも無駄が出ます。

つまり全てをお客様に出すことは不可能なのです。小さな店の場合はビールの需要も少ないので、使う樽も小さくなりますから無駄に捨てるビールも多くなります。ですから1杯の原価は180~200円にもなってしまうのです。
さらに悪いことに生樽の賞味期限はとても短く10日~14日しかありません。あまりビールが出ない小規模店舗の冬場では生ビールサーバーは無駄な存在になってしまいます。

しかし飲む側からすると「生ビール」を注文したら、350ml缶とグラスが出てくると何となく興醒めします。それは「ビール」であって「生ビール」ではないと感じるのです。
もちろん今の缶ビールは99%生(ドラフト)ですから、ビールと言えば生ビールが出てくるのですが、夏場の暑いときにグラスで飲むビールとジョッキで飲むビールでは味が違うように思ってしまうのは、ビール好きだけではないのです。

つまり生ビールサーバーには華があるのです。演出効果があるのです。それにたとえば「開店記念としてご来店のお客様には生ビール1杯サービスします」というようなイベントには欠かせません。いくら原価的に安いからといってディスカウントストアで仕入れた缶ビールを出すと、飲まずに持ち帰ってしまうお客さまも出てくるでしょう。それでは店は盛り上がりませんのでイベントとしては失敗です。

たかが生ビール、されど生ビールなのです。
(ビール大好き人間の独り言・・・・です)