離人状態で体の感覚がおかしくなった日から少しして
ある朝ふと目覚めたら、
別人のように頭の中がサッパリしていた。

積み重なっていた辛い出来事の記憶が
簡単に取り出せない奥の方にまるっと格納されてしまったみたいだ。
なんか色々あったなぁ…という気はするのだけれど
すべてが遠くて他人事のよう。

『忘れる』というのは、薄皮をめくるように…と形容されるように
ゆっくり時間をかけて、リアリティや痛みが薄れていくけれど、
今回のそれは一瞬にしてどこかに『封印』された感じ。

PCのクリーンインストールに似てる。
元のデータは、技術のある人が取り出そうとすれば取り出せるかもしれないけれど
まるで何事もなかったかのように、まっさらな状態で本体は動作を始める。

今までもこういう事あったんだろうな。

何かの拍子に封印がとけてフラッシュバックするのが心配だけど
とりあえず楽になったからいいや。
結果オーライ